他にどう探しようもなく、思いあまった私は彼等に話を続けました。
「ガイドさんの話では、スーパーマーケットに売っているからぜひ手に入れてください。という話だったので、ここにあるはずなんですが。」
殺虫剤や蚊の虫除けなら棚にあるんですが、ハエ用の物が無いようなので困っているんです。と、説明してみます。
「こちらは乾燥していて、ハエが人の目や鼻などの粘膜の湿り気に水分を求めて寄って来て不快だから、是非ハエ除けの商品を手に入れてください、とガイドさんに言われたんですが…。」
顔を曇らせて、無いならしょうがないわと私が諦め顔になった時、相手の1人がピンと来たようでした。
「それ、ハエもそうだけど、虫よけのネットの事じゃない。」
というような話になり、彼等の内の2人ほどに無事に虫よけネットの売り場迄案内していただきました。私はネットが四角四面に折りたたまれて、きちんと透明なビニール袋に入れられ、一面深緑の壁のようになっている棚を目にしました。棚の商品の真ん中が窪みになっています。お客が取り出しやすい所から無造作に袋を取り出していった雰囲気がありありと分かる商品棚でした。
私は自分が思い描いていたハエ除け商品との大きな違いと、商品棚に施されたお客達のあからさまな痕跡に、思わず目を見開いて目玉を白黒させてしまいました。てっきり薬剤だとばかり思っていたのです。しかも凄い買い方です。
「僕たちのガイドさんはちゃんと説明してくれましたよ。」
案内してくれた男性の1人が結構しっかりした口調で私にこう言うと、そのままサッサと彼らは引き揚げて行ってしまいました。私は棚に山のようにある深緑の商品を前に、暫くポカンと袋達の中に空いた穴を眺めていました。が、漸くその袋の内の1つを手に取り文字を読んでみました。どうやらこれで間違いなさそうです。
「虫よけネットだったのか…。」
絶句でした。
(写真、左から、虫よけネットを折りたたんだ物、こんな感じの四角いコンパクトな形で透明袋に入れられて売られていました。その袋が棚にびっしりと積まれてきちんと並んでいました。その積まれた袋の中央、人の手の届きやすい所にかまくら風の穴が開いていました。約40センチくらいの袋の洞窟です。私も取りやすいと言うと、その袋で出来たかまくら内の商品でした。変にキチンと積まれた塊の中から引っ張り出すと、積まれた袋が崩れたかもしれません。日本では見ない商品棚の不思議な光景でした。紺色のアイカバーは飛行機の中に有ったサービス品です。記念に持ち帰り未だ未使用です。
2番目の写真は、ネットを広げた所。上の迷彩柄の所が頭になります。
3番目の写真は、ネットを被るとこんな感じになるという見本です。養蜂家の方もこんな感じのネットを被っていますね。
4番目の写真は、ネットの上から帽子を被ったところ。首周りにもゴムが入っているので、下からの虫の侵入も防いでくれます。結構優れもののネットです。私があまり使用しなかった事もありますが、未だに破損個所が無く何時でも使用可な状態です。)