Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2017-11-24 23:38:19 | 日記

  私はス-パーマーケットでミネラルウォーターと必要な日常品を買ったと思います。もしかするとお菓子なども買ったかもしれません。雑貨は予想外の物を買い足すことになりました。パッケージに書かれた英語を見ながら値段や包みの大きさで判断しました。この商品の外国製を買って使うのは初めてでした。その品質がどの様なものかと興味深々でした。良いものかしら、と微笑みました。

 その後、私は買い物を済ませても、外国のお店の売り場が物珍しいのでふらふらと通路を見て回っていました。店内は床も白かったので、その何でも白いという白の色彩に目が馴染んでしまいました。そして、いきなりその清潔なイメージの白い床にドンと灰褐色の泥汚れが溢れるのを目にして、キャーっと叫びそうになりました。私は思い掛けない出来事に遭遇して非常に驚きました。未曾有の出来事でした。

 私が床の大きな泥汚れと思った正体をよくよく見てみると、そこには先住民の可愛い女の子が立っていました。幼児ぐらいの歳でしょうか。私の方を見てにっこりと笑う姿は、満面笑みの明るくてあどけないものでした。そして彼女はさも誇らしげにむき出しの肩を私にそびやかしてみせました。

 私は内心の動揺、後ろめたさや自己嫌悪の入り混じったような感情を抑えつつその女の子に微笑みました。更に詳細に女の子の周りを見ると、連れらしい男女2人の先住民の姿がありました。やはり女の子と同じくらいの明るい笑顔です。

  私は彼女を見て叫びそうになった事を後悔して、お詫びに彼女にお菓子でも買ってやろうかしら…。と思いましたが、着の身着のままのナチュラルな3人連れの容姿に(男性は祖父なのかもしれません、腰蓑だけの姿でした。)、工場製品の人工的な甘みであるお菓子が子供の為になるとは思えませんでした。それで私はお菓子を買うのを考え直しました。お小遣いをとも考えましたが、通りすがりの旅行者であるだけの私が彼女や彼らの生活に影響を与えるのも良い事とは思われませんでした。

   その時私は、彼女や彼らにとって根本的な幸せ、何が彼らにとって幸福をもたらすものになるのだろうかと考えてみました。私には直ぐに答えが出せない問いかけでした。この時の私は、『兎に角、叫び声を立てなくて良かった!』とホッとしました。目に見えて失礼な態度を取らなかった事に胸をなでおろしました。そして、心の中でごめんねと彼女に謝るのでした。