神が宿るところ

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白滝観音(秋田県横手市)

2015-04-11 23:58:10 | 史跡・文化財
白滝観音(しらたきかんのん)。湯ノ峰白滝観音。
場所:秋田県横手市山内大松川字観音沢1。前項「塩湯彦神社」に向う未舗装林道の途中から徒歩、約10分。
横手市にある「御嶽山(みたけさん)」(標高744m)は、伝承では白鳳年間に役行者が開山したとされ、平安時代後期には修験者が山岳修行を行う霊地であり、「御嶽山」山頂に鎮座する式内社「塩湯彦神社」の名に相応する、塩分を含んだ温泉が湧いていた場所があったという。それは、この「湯ノ峰白滝」の滝壺ともいわれ、滝を熊野三山の「那智の大滝」になぞらえて、その本地仏の観世音菩薩を祀ったものと思われる。
これも伝承であるが、平安時代後期に栄えた豪族・出羽清原氏の一族で、祭祀を司る「地福長者」とその婿「満徳長者」と呼ばれる有力者がいた。「満徳長者」は後に出家して「保昌房」(「保昌坊」)と名乗り、秋田六郡三十三観音霊場を開いて仏師・定朝の作になる観音像を祀ったとされ、その第1番札所が「白滝観音」であったという。なお、清原氏は「塩湯彦命」を祖神としており、「白滝観音」は「御嶽山」=「塩湯彦神社」の奥ノ院とされていたらしい。
さて、現在も滝の中に石造の如意輪観音像が嵌め込まれているというが、滝の上部からロープで下りないと見ることができないらしい。また、温泉も涸れてしまっているようだ。


「国境の村と人」ブログから(清原氏ゆかりの白滝観音)

横手市のHPから(白滝観音(三内))


写真1:式内社「塩湯彦神社」(「御嶽山」山頂)へ向う林道の途中にある「白滝観音」への分岐。「白滝観音」へは、案内板の右手へ入る。「塩湯彦神社」へは直進(写真左手奥)


写真2:滝の上の流れ。滝の下へは下りられないようだ。


写真3:石仏


写真4:「史跡(平安時代後期における観音信仰の霊場)湯ノ峰白滝」
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