神が宿るところ

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白山神社(千葉県野田市木間ケ瀬)

2025-01-11 23:31:42 | 神社

白山神社(はくさんじんじゃ)。通称:飯塚白山神社。
場所:千葉県野田市木間ケ瀬475。千葉県道7号線(我孫子関宿線)と同162号線(岩井関宿野田線)の「野田市木間ヶ瀬北」交差点から南に230mで右折(西へ)、約270m。駐車スペースあり。
創建時期は不明。伝承によれば、慶雲2年(705年)、疫病が流行したときに祈願した場所という。あるいは、慶雲2年(705年)は全国的に大旱となったので、税を半分にし、東国の各地では加賀国一宮「白山比咩神社」(現・石川県白山市)を勧請して降雨祈願をしたが、当神社もその1つであろう、ともいう。天慶年間(938年~947年)、平将門が京都からの帰途に当地を訪れたとき、村人に歓待されたことに喜び、当神社に3本、浅間神社に2本、香取神社に2本の桜の木を植えたとされ、これを「木間ケ瀬の七本桜」と称した(植えた場所、植えた本数などに諸説あり。)。現在も境内に桜の木はあるものの、もちろん樹齢千年を超すようなものではないが、親木が枯れても、また根元から新芽が出て、何代も続いているとされる。平安時代末期、将門と同じ桓武平氏良文流の千葉氏の崇敬を受けた。元禄・宝永年間(1688~1711年)、領主・深津氏が社殿を修復したという。現在の祭神は、伊弉冉命(イザナミ)。
なお、当神社の社殿東側から真っすぐ南東に伸びる参道があるが、その突き当りを左折(北東へ)したところ(当神社から徒歩2~3分)に「平将門手植えの桜」の石碑と桜の木がある。
蛇足:全国約3000社あるという「白山神社」の総本社とされる加賀国一宮「白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)」の現在の祭神は、白山比咩大神=菊理媛神(ククリヒメ)・伊奘諾尊(イザナギ)・伊弉冉尊(イザナミ)の3柱で、近世までは神仏混淆により総称して白山妙理権現といい、本地仏を十一面観世音菩薩としていた。ただし、この祭神については、菊理媛神が「日本書紀」の一書に一瞬出てくるだけで、正体不明な神であることもあって、ククリヒメとイザナミを同一神とする説もあったようである。この辺り、歴史的な経緯を含めてかなり複雑なので詳細は省くが、イザナギが「黄泉(よみ)」(死者の国)から脱出するときに現れた神なので、穢れを祓う神と考えられ、「白山」(標高2702m)の「白い」=「清浄」というイメージと結びついたともいわれている。また、「白山」霊場を開いたとされる奈良時代の僧(修験者)・泰澄は、瞑想中に緑碧池(翠ヶ池)から白山妙理権現の本地仏である十一面観世音菩薩の垂迹である九頭龍王が出現したのを契機とする、との伝説がある。こうしたことが、「白山神社」に疫病封じや降雨の御利益を求める根拠となっているものと思われる。


写真1:「白山神社」鳥居。参道の左手に桜並木がある。


写真2:境内? 自治会館の前にあるスダジイ?の巨木


写真3:灯篭と拝殿。拝殿の前にも桜の木。拝殿横(向かって左)にはクスノキの大木がある。


写真4:拝殿


写真5:本殿


写真6:境内の青面金剛像などの石造物


写真7:同上、石造の御嶽三尊像。左「三笠山刀利天」、中央「座王権現」、右「八海山提頭羅神王」。山岳宗教である「御嶽山」信仰の神々で、「座王権現」は主神で国常立尊・大己貴命・少彦名命の3柱の総称、「三笠山刀利天」は「三笠山」頂上に祀られる豊斟渟尊(トヨクムヌ)、「八海山提頭羅神王」は「八海山」に祀られる国狭槌尊(クニサヅチ)という。


写真8:「平将門手植えの桜」の石碑と桜の木


写真9:(右)「平将門手植之櫻 古人之口碑」石碑、(左)「将門霊神」石塔


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