テーマはトカゲまたは自由だったが、未だに決まらない。
決めかねながら、僕は火星の参考書の場所を訊いたのだった。
男は、少々の間僕を待たせるだけにしたかと思うと、歩き出し、時々僕の方を振り返りながら森の奥に入っていったのだった。
「ここです」と言いながら、男の視点は定まってなく、手は正解を探して宙を彷徨っている。
何も言わずに、僕は別の場所を探し始めた。
本当のここはどこなんだ?
ここはプールだった。僕は集団を抜け出して、密かにラーメンを食べた。
戻るとプールに入った。それはキムチのプールだった。
「浅いじゃないですか」と先生に当然のことを言う。
浅すぎて泳ぐことができない。普通の方法では泳ぐことができないので、僕は普通以外の方法で泳がなければならないけれど、そうしているのはどうやら僕だけで、みんなどこかへ行ってしまっていた。
何もかもが分散化していく散文の中で、僕は面白いものに丸をつけなければならない。きっとそのような試みの後に、僕は己という秘密兵器に打ち負かされるのかもしれない。自分に負けることは、いずれにせよ勝った自分の味方につけばいいのだ、と悪魔の口づけをハーモニカの光沢でかわして。
努力に打たれた先生は、水位を上げてやると言った。
一握りのキムチをもらい、プールの中に投げ入れたが、水位は少しも上昇しなかった。
からっきしおかしく、到底届かないワイン塔が意識の中で傾いていく。
ラーメンを食べて帰ってきた生徒たちが、ジャンプ台の上で溶け出しながら馬になっていた。
けれども、誰も飛び立とうとはしなかったのだ。
カプサイシンに輝きながら、塩分だけを洗い落とした僕は探していた。
五十音を超越した場所に、ここがあるのだとしたら僕の探す場所はどれも間違っているような気がしたし、もっと根本的な間違いが僕を形作っているせいで、森の中での僕を夕闇の中の羽根にしているのかもしれなかった。
「ここです」と言った男は、星明りに手を触れながら、プラネタリウムを登り始めていた。
そんなところにあるものか……。
否定の表現が、やがて降りてくるまで僕はじっと待っていた。
決めかねながら、僕は火星の参考書の場所を訊いたのだった。
男は、少々の間僕を待たせるだけにしたかと思うと、歩き出し、時々僕の方を振り返りながら森の奥に入っていったのだった。
「ここです」と言いながら、男の視点は定まってなく、手は正解を探して宙を彷徨っている。
何も言わずに、僕は別の場所を探し始めた。
本当のここはどこなんだ?
ここはプールだった。僕は集団を抜け出して、密かにラーメンを食べた。
戻るとプールに入った。それはキムチのプールだった。
「浅いじゃないですか」と先生に当然のことを言う。
浅すぎて泳ぐことができない。普通の方法では泳ぐことができないので、僕は普通以外の方法で泳がなければならないけれど、そうしているのはどうやら僕だけで、みんなどこかへ行ってしまっていた。
何もかもが分散化していく散文の中で、僕は面白いものに丸をつけなければならない。きっとそのような試みの後に、僕は己という秘密兵器に打ち負かされるのかもしれない。自分に負けることは、いずれにせよ勝った自分の味方につけばいいのだ、と悪魔の口づけをハーモニカの光沢でかわして。
努力に打たれた先生は、水位を上げてやると言った。
一握りのキムチをもらい、プールの中に投げ入れたが、水位は少しも上昇しなかった。
からっきしおかしく、到底届かないワイン塔が意識の中で傾いていく。
ラーメンを食べて帰ってきた生徒たちが、ジャンプ台の上で溶け出しながら馬になっていた。
けれども、誰も飛び立とうとはしなかったのだ。
カプサイシンに輝きながら、塩分だけを洗い落とした僕は探していた。
五十音を超越した場所に、ここがあるのだとしたら僕の探す場所はどれも間違っているような気がしたし、もっと根本的な間違いが僕を形作っているせいで、森の中での僕を夕闇の中の羽根にしているのかもしれなかった。
「ここです」と言った男は、星明りに手を触れながら、プラネタリウムを登り始めていた。
そんなところにあるものか……。
否定の表現が、やがて降りてくるまで僕はじっと待っていた。