「鏡よ鏡。世界で一番、美しいのは誰?」答えのない問いかけに、鏡は回り続けている。女のあきらめを待つような果てしない運動の果てに鏡は回転を止め、その向こう側から現れた少し自分に似た少女の姿に女は驚いた。「お母さんは私を見なければいけません!」燃える瞳が見つめていた。#twnovel
動くと彼もついてきた。ゆっくり動くとゆっくりと、素早く動くと負けずに素早くついてきた。動くとみせて動かず、裏をかき、揺さぶり、工夫に工夫を重ねたとしても、彼の反応に乱れは一切なかった。彼は友のように寄り添う、影だった。夕暮れの訪れが2人を引き裂いてしまうまでの間。#twnovel