眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

アクター

2012-04-04 21:30:39 | ショートピース
「そうだそうだ」悪意に加担せよと逆立った男が現れる。「誰なの? 双子なの?」いいえあれは心の声を代弁しているの。「そんなことはないよ」善意に踏み止まるようにと小奇麗な男が現れる。「三つ子なの?」いいえあれは撮影技術。「同じ人なの? すごいわね」ええ、役者ですから。#twnovel
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モーツァルトの沈黙

2012-04-04 00:23:02 | 忘れものがかり
「少し大きいな」

ギターソロが山頂へ向かうところ
男はボリュームに手を伸ばし
「ロックはあまり好きでもないし」
と付け加える

「こういうところには合わないでしょう」
と付け加える

「やっぱりクラシックですか?」
「そんなの知らないけど」

はあ?
合わないの?
知らないの?

父のことを悪く言われて
僕は落ちていたけれど

鶏肉の上に
延々と注ぎ落ちている
レモンの雫の一滴一滴に
いたたまれなくなって

チャンネルを変えた

夜明けの空のような
ピアノソナタが続いて

「何か物足りないな」
男は言った

それから3分間
モーツァルトは黙り込んだ

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