眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

さかさまの世界

2018-10-06 21:16:22 | アクロスティック・ライフ
わたしは見ていた
たぶん一羽の白鳥を
深夜の駐車場
ふとしたことで迷い込んだの
眠らない街へようこそ

割れた硝子
煙草の吸い殻
シルエットの白鳥
フェンスの向こうで動かない
ねえ、何してるの

忘れ去られた左軍手
尋ね人の貼り紙に奇妙に伸びた髭
白い鳥は首をこちらに向け
振りかぶったままの投手みたい
ネット裏からは以上です

渡るものではない
頼るものはあるのだろうか
信じるものは己の力
踏み込む時は踏み込んで
鼠を追った

わたしは見ていた
たぶんさかさまの風景を
シルエットの白鳥は……
ふとした拍子に反転し首に見えていたものは尾であって反対側に本当の頭が見える君は
猫だったんだ!


 アクロスティック「渡し舟」
コメント
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