コンテストに応募する醍醐味は結果を待つ時間の中にある。それはどこか宝くじの購入に似ている。当選確率はどれくらい? 才能は自分の中にある。だから、完全に運命に委ねるのとは違って、ほんの少し期待値は上回っているように思える。錯覚かな?
今日は待ちに待った封筒が届いた。
この瞬間の緊張が恐ろしくて、たまらない。
今度こそ……、もしかしたら……
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この度はコンテストにご応募いただき誠にありがとうございます。
結果……落選
さて、上記の通りあなた様の作品は落選となりました。
恐れながら、あなたの作品は大変下手くそでした。熱意、オリジナリティー、技術、意外性。何一つ際立つようなところはありませんでした。端的に言うとちんぷんかんぷんでした。誰に向けて書かれたものか、何の狙いで考えられたものか、判然とせずただただ不気味でした。公正な視点に立って読んだ上で、審査員の誰一人として何かを感じ取った者はいませんでした。文章の成り立ちから言葉の選択、言い回しに至るまで、微塵もセンスがありませんでした。一言で言うとデタラメでした。
今回の落選にめげず今後ともあなた様のクリエイティブな活動が続けられますよう願いつつ、落選のお知らせとさせていただきます。
(運営一同)
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「そっかー……」
少しまとめすぎたということかな。
期待のあとには失望もある。
それもまたクリエイティブを生み出す力に変わるだろう。