眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

危険な男

2020-12-07 19:48:00 | ナノノベル
「ここからは駄目だよ」
「どうして止めるのじゃ?」
「危険ですから、下がってください」
「幾多の危険を越えてここまでやってきた」
「本当に駄目だからね」
「本当に危険なのは、前に進まないことだ」
「立ち入り禁止なんだって!」

チャカチャンチャンチャン♪

「近頃は何も怖くなくなった。落ちた物でも平気で食える」
「駄目だよ」
「無敵じゃ。水の中でも歩けるほどに」
「無理だから。帰ってくださーい」
「従順な大人にはなりたくない!」
「おじいさん。困らせないでよー」
「だから死んでもわしは行くぞ」
「駄目駄目! 行かせませんからね」
「お前なんか怖くない! 死ぬのも怖くない!」
「絶対行かせません! みんなが困るんだからね」
「止めれるもんなら止めてみろ!」
「はいストップ! もう帰りましょう」

チャカチャンチャンチャン♪

「はい、ここから立ち入り禁止になります」
「またお前さんか」
「おじいさん。ここも駄目なとこだから」
「そうは言っても、来た以上は引き下がれん」
「駄目駄目! 下がってくださーい」
「それがお前の仕事か」
「そうですよ。わかったら帰って」
「近頃は何でも食えるようになった。その辺の葉っぱでも食える」
「駄目だよ」
「ルールなんか怖くない!」
「ルール守ってくださーい」

チャカチャンチャンチャン♪

「ルールの妄信こそが危険なのじゃ」
「はい、下がって。爆発の危険があるからね」
「炎に負けずわしは進もう」
「駄目と言ったら駄目だ下がれー!」
「若者よ、わしを通すのじゃ!」
「下がれー!」
「スルーするんじゃ」
「下がれー! こらーっ!」

チャカチャンチャンチャン♪

「お前こそはどこででも立ち塞がるスーパー警備員」
「あなたこそは徘徊暴走老人」
「今後ともよろしく」
「とっとと帰れー!」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘイ!ブラザー!

2020-12-07 06:34:00 | オレソン
俺のお気に入りのキングジム
ポメラに詰め込んだポエム
今夜まとめて解き放とう

飛んでるぜWi-Fi
ポメラからエバーへ
詩情のバトンを受け取ってくれ

誰もが期待をやめた夜に
ポメラは小さな窓を開けて
俺に呼びかけてくれた
(想いさえあればどこへでも行けるよ)

つながるぜWi-Fi
エバーからブラザーへ
詩情のバトンを受け取ってくれ

ヘイ!ブラザー!
受け取ったなら吐き出してくれ

「詩は誰にでも書ける」(何でもいいんだろ)
あの時あいつはそう言ったよね
俺は何も言い返さないまま
相槌打って笑いもした

今夜ビールもシャンパンも必要ない
ポメラの窓を見つめてたいのさ

ヘイ!ブラザー!
眠ってないで
受け取ったなら吐き出してくれ

ヘイ!ブラザー!
早く白黒つけて
プリントアウトして
俺のお気に入りのキングジム
A4ファイルに綴じさせてくれ

ヘイ!ブラザー!

ヘイ!ヘイ!ブラザー!

ヘイ!ブラザー!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする