誰もいなくなったマンガルームでコミックを1から順に並べ直す。もしも最後の数が最終巻なら「完」のシールを貼る。手がかりは色々だ。おわりとか、fin.と書いてあったり、あとがきや「長い間ありがとう」的メッセージが最後にある場合、表紙の裏にいよいよこれで最終巻と書いてあったり……。
5巻までに終わるもの、棚を折り返し折り返し50を回ってようやく終わるもの。外伝へと続くもの、舞台を変えるもの、成長し出世するもの。続くはずが終わっているもの。途中で長く休んでいるものもあるようだ。「完」があるならそこに向かって読めた方がいいという人もいるだろう。多くの「完」を見た。
「さよなら」が終わりというわけではなかった。こんにちは、はじめまして、新しい旅立ち、新天地での幕開け、「さあ、これから」と終わるマンガのなんて多いことだろう。
ぼろぼろになるほど読まれたものがある。色が変わり、崩れ落ちそうなページがある。(多くは最終巻に目立った)
みんな「完」を読みたいのか。読んだとしても思い出したいのか。
100枚、200枚、「完」を貼る内に読者の影を見た。先に広がる風景を見る内に少し元気が出てきた。
「人にあわない仕事も素敵じゃないか」
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