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猫が横切った残像に気を取られながら入ったタウンの通路で、ポケットティッシュをもらいそうだった。普段なら避けて通り抜けるところ、何となく受け取ってしまった。手に収まった瞬間、女はもの凄い勢いで話しかけてきた。しかし、僕はイヤホンをしていた。イヤホンをさしてロックを聴いていたのだ。だから歩を止めず歩き続けた。2、3歩行ったところで、彼女はあきらめた。受け取っておきながら、僕は聞かなかった。約束はしていない。
ロックを聴いていた。恋をしていた
もしもイヤホンなどしていなかったら、立ち止まって話を聞いただろう。だが、その時はティッシュを受け取ることもないだろうから、話が始まる理由もないのだ。彼女はイヤホンをした者にまで、どうして話しかけてきたのだろう。気配や勢いで足を止められると思ったのだろうか。きっと彼女は想像しなかったのだ。
僕がまさかロックを聴いているなんて!
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