眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

魔法の言葉

2021-02-21 10:36:00 | 幻日記
 深夜、いつも決まった時間になるとエレベーターが止まる。すぐに連絡をするとまもなく整備員が駆けつける。
「修理に来ました」
 毎日、色んな顔をした人がやって来るが、作業は一筋縄ではいかない。2、3時間で済むこともあれば、夜通しかかることもある。建物自体が古く著しく老朽化しており、エレベーターにしても根本的な修理は難しいようだった。

「直りました!」
 今日は日付をまたいで3時だった。
 彼らは必ず仕事をやり遂げるプロフェッショナルだ。
 直らないとは決して口にしない。
「ありがとうございます!」(またお願いします)
 機械室の鍵を返して颯爽と帰って行く。

 きっと彼らは魔法をかけたのだろう。
 魔法は語る。
 ただ一日一日を、精一杯生きることだと。


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