眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ヒサト

2012-10-12 05:19:52 | 短歌/折句/あいうえお作文
人知れず
策を凝らした
唐辛子

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さようなら

2012-10-12 01:50:02 | 短歌/折句/あいうえお作文
昨晩は
よく眠れたと
うそをつき
泣きますフクイ
ラプトルの背で



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さよならゲーム

2012-10-12 00:14:56 | ショートピース
ボールを持った瞬間みんなはさっと離れていき、仕組まれた自由の中に私一人が取り残されている。そんなに嫌いなのか……。私の蹴ったボールに触りたくないというのか、キーパーは反対方向にダイブしてゴール! 芝の上にぽつんと置き去りにされ、みんなが私の最後の言葉を待っていた。#twnovel

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誤認逮捕

2012-10-11 00:14:16 | 夢追い
 パソコンを購入したことは定かではなかった。買ったのは青い傘だったかもしれないが、柄の部分にパソコンが付いていたような気もして、考えれば考えるほど記憶は現実味を帯びてくる。マニュアルのビデオ映像を熱心に見つめる内に、イメージがどんどん広がってきて誰かに話したい気持ちになってくる。
「留守の時は、勝手に録画を開始します」
 漫画が語るお話を母にも見せた。
「勝手にするって!」
 一週間分の番組表が一分間画面上に表示されるので、その間に一通り見てから一週間の予定を組むのだ。二コマ目で予定を立てた主人公が三コマ目で殺人事件に巻き込まれて家に帰れなくなった。そこで予め登録されていた自動録画が作動して主人公のピンチを救う。N氏に根深い恨みを抱いていた主人公は、多額の借金を抱えていることもあって疑念が深まり、四コマ目で大竹の身代わりとなって逮捕されてしまう。しかし、その間もまとめ録画機能がきっちりと予約を代行して主人公のピンチを救う。
「濡れ衣じゃないの!」
 母が、納得のいかない様子で言った。
 でも、大事なのはそこじゃない。漫画では、便利さをわかりやすくするために物語を誇張したのだ。
「僕はそう思うよ!」
 一週間分の予定を立てることこそが、最も大事な部分だと全力で訴えた。
「箱は用意した?」
 姉は旅行に行ってしまったのだ。

「これは何かな?」
 S氏は靴を預けながら、靴底に付着した黒く不気味なものを指した。
「見ておきます」
 姉は直感だけに頼らず、誠実に約束してみせた。
「箱はどうしましょう?」
「同じものを。同じもので揃えたいから」
 そうすると三つ用意しないといけないことになる。
「わかりました」
 姉は、笑顔で引き受けて、そして旅行に行ってしまったのだ。
 責任は誰かに、引き継がれなければならないはずだった。

「箱は用意した?」
 母は顔を洗うともう別の女に変わっていた。メイクの取れた彼女は、すっかり美しくなり恋をしてしまった。飛び出してくる無数のモグラを叩きのめして、彼女を引き寄せようとするが、力がまだ足りないせいか、それとも思いが伝わらないためか、彼女は水のようにすり抜けていった。
「これからしたいことは何?」
 すると彼女は、すべてを知ったような、あるいは何もわかってないように笑いながら、再びマンホールの中に降りていく。彼女の顔が、吸い込まれ、完全に見えなくなってしまう。
「下手くそ!」
 完全に入ったら駄目だろう……。男は罵りながら、後を追ってマンホールの中に降りていく。責め立てる声がしばらく続いた後、男の左手、そして帽子が地上に置き去りにされると、突然の静寂。ラストシーンは静寂で終わった。
 五コマ目だった。

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母体

2012-10-10 20:33:56 | ショートピース
遺書を書き終えると身を清めるため温泉に浸かった。うたわれているあらゆる効用はまるで異国の言葉だ。思う存分温まり、温泉から上がってみると地球がなくなっていた。「私より先にいってしまうなんて」どうして何も相談してくれなかったのか……。虚空の中で、私は地球の後を追った。#twnovel

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あらい仕事

2012-10-09 11:35:04 | ショートピース
まだ残っていると思ったが言わなかった。最初からみれば綺麗だけど細かく言えば綺麗ではなかった。「またこんなに汚して!」翌朝、彼女は驚いたように言うそれは本当は昨日の残りなのに……。「私じゃないよ」(言わなかったのは私だけど)そして、おばさんのお仕事のお手伝いをした。#twnovel

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アキラ

2012-10-09 09:28:33 | 短歌/折句/あいうえお作文
秋風が
聴かせてくれる
ラモーンズ
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ふっかつのじゅもん

2012-10-05 20:41:35 | ショートピース
困ったことがあった時に開きなさい。行く先々の裏切りに心を痛めた折、恩師の言葉を思い出して紙を開いた。「こんなものか」短い言葉が書いてあった。怒り、悲しさ、おかしみ、色んな感情が押し寄せてくる。こんなものか、こんなものか……。何かが変わるまで、繰り返して言ってみる。#twnovel

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2012-10-05 05:24:35 | 短歌/折句/あいうえお作文
礎に
ぬかを据えては
家も泣く

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2012-10-05 01:37:46 | ショートピース
「馬鹿みたいに口を開けない」と怒られた。どうして馬鹿みたいなのだ? 本当に私が馬鹿だとは思わないのだろうか。湿気たくらいが好きだから口はそのまま開けておいた。時は流れてハッピーターンはかちかちになってしまった。後悔したが、もはや私の口にも合わなかった。馬鹿だった。#twnovel

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ストッパー

2012-10-04 20:49:53 | ショートピース
秋が夏を一気に追い抜こうと風を吹かせていた。「いけない」逸る心を抑え切れない暴走を、「かけては、駄目」母の葉は止めようとするが、うれしさのあまり子の葉はどうしても風に乗ってしまうのだった。自分の庭から道へと渡った子の葉の回転は、ついに猫の昼寝にぶつかって止まった。#twnovel

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日曜日のハル

2012-10-04 01:55:44 | 夢追い
「出ておいでよ」
 風呂にでも入ってからおいでと留守電にメッセージが残されていた。日曜日だというのにみんな働いているというのだ。僕も行って、この辺でやる気をみせておかなければ、ここ数日の遅刻や度重なる無断欠勤のせいで、首を切られてしまうかもしれない。日曜日だけの給料がもらえるかもしれない。あるいは、日曜日ということで何ももらえないとしても、やはり姿を見せることにそれなりの意味はあるはずだ。とはいえ日曜日なのだから、慌てて出かける必要はない。ゆっくりと身支度を整えて、午後一番にでも出かければ十分だと思われた。

「いいんだよ」
 もたもたとしていると母が言った。遠慮なく入ればいいと言う。
 シャワーで体を流すと勢いよく湯船に飛び込んだ。水面に顔をつけて、恐れず中に入ってゆく。広い海を想像して、左右に気を配りながらゆっくりと手を回す。湯の中で息を吐き切ると、顔を左に傾ける。顔が抜け出した時を感じながら、息を吸い込む。その調子、大丈夫、合っている。この小さな積み重ねが、いつか僕をスイマーに育て上げるだろう。そうだ、今度は右……。けれども、傾けようとしても体が動かない。今日は本当に日曜日なのだろうか。この体は、本当に僕の体なのだろうか。死の予感に苛まれ、どうにか逃れようと苦しんでいる内、気がつくと体は左に反転して息を吸っていた。この日わかったのは、左側でしか息継ぎは成功しないということだった。考えようによっては、また左側を極めさえすれば、問題などないのではないか。

(日曜日まで出向かなければならないのか)
 風呂上りのまどろみの中で、もう一度考える。このひと時の幸福を打ち破ってまで、社会の中に出て行く価値はどこにあるのだろうか。この心地よく豊かなまどろみに勝るものが、どこの世界に……。ゆっくりと意識が離れていく、自分は再び不可能なことなんて何一つない英雄的な陣地の中に帰っていくのだ。日曜日、日曜日……。
「おいでよ」
 けれども、もう一度あの優しいメッセージが、ベッドの底からよみがえってくる。
 水泳は、あるいは学問は、あるいは武道というものは、突然に完成するものではない。ゆっくりと積み上げていかなければならない。さあ始めと言ってすぐにできるものではないだから、僕は戻らなければならない。仕事をしている方が、ずっと楽だ。その方がいい。そうだ、身支度を始めよう。

「いつもいいの履いてるね」
 どれだけ僕の物を知っているというのか。褒められるのは嫌ではなかったが、こそばゆかった。
「僕のだったかな?」
「お父さんのよ」
 爪先のだらりと余った部分を何重も巻き上げなければならなかった。それは歩く内にまたずり落ちてしまうかもしれない。その心配と不自由さと、それ以外の気に入っている部分、褒められたことなどを考え合わせて、僕は迷っていた。この服でいいのか、僕の選択は誤ってはいないか。階段を上がって、部屋の中には猫がいた。
「ぼちぼち出ないと」ハルが口を動かして何か言っている。
「近頃どんどん言葉を覚えてね」
「何をしているの?」
 ハルは訊いた。早くするように迫っているのかもしれなかった。
「ハルは賢いんだね」
「賢いってなあに?」
「色んなことに疑問を持ったり、新しいことをどんどん覚えていくことだよ」
 身支度を整えるのを手伝ってくれた母は、猫には目を留めず部屋の隅々を見渡していた。その本棚の果てに、気になるタイトルを見つけたのかもしれない。そして、突然、顔を曇らせた。
「春には出て行ってもらわなければ」
 もう僕の居場所はなくなると言った。お姉ちゃんが、家賃を納めてくれることになってね。僕の部屋には母が住むと言い、少なくとも部屋を入れ替える必要があると言った。どうしてそんなことになるのだ。
「家の構造上そうなるのよ」
 ハルが、びくりとして階段を下りていった。

「ガルビッシュ、ガルビッシュ……」
 また、ハルが新しい言葉を覚えた。褒めてあげようと思っていると、遥か彼方で音のないピアノを弾いているハルが見えて驚かされた。
「ガルビッシュ。ああ、どうもうまく言えないな」
 と言っているのはおじいさんだった。間違っておじいさんを褒めてしまうところだった。
 おじいさんは野球の話、セリーグとパリーグの話を始めたけれど、僕にはうまくついていくことができなかった。ブンデスリーグの話にうまくつなげることがてきればよかったけれど、その道筋がなかなか見つからなかった。もしうまく見つけることができたとしても、ブンデスリーグの何を語ればいいのだろう。昨夜の結果を、僕はまだ知らずにいた。

 日曜日とはいえ、そろそろ出発しなければ……。
(ありがとう)
 職場に着いたら、彼にそう伝えよう。それだけは、伝えたかったのだ。
「あっ!」その時、
 行って来ますの先にある道筋に、突然大きな壁が現れた。その壁は壊すことも乗り越えることもできず、ただ冷たく行き止まりを告げるだけだった。
「会社は東京じゃないか」
 どうして歩いて行けるなどと思ったのだろう。こみ上げてくる恥ずかしさに、よろめき、その場に崩れ落ちそうになった。今までの、長い長い迷い、準備に追われた時間は、何だったのだろう。
「that souds great !」
 兄が、ハルに新しい言語を教え込んでいた。
「ここはインタビュー部分だから、カンマが入るんだ」
 ハルはうんうんと口を動かしている。

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国境越え

2012-10-03 21:13:39 | ショートピース
愛するものたちを置いてきてしまった。あふれる愛が私を追い出したからだ。どこかで耳にしたような懐かしさを覚えたのは疲れた心がアレンジを加えたせい。歩く内に新しいチャンネルを見つけた。新しい言葉。1つとして聴いたことのない曲があふれていた。私はついに国境を越えたのだ。#twnovel

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イニエスタ

2012-10-03 04:59:33 | 短歌/折句/あいうえお作文
1日で
25人の
映画館
隙間風さえ
ため息のよう
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進化信仰

2012-10-02 21:17:05 | ショートピース
ちょうど慣れてきた頃にいつもそれは始まった。慣れてはならない。前に前に進むのだ。通い慣れた道は突然緑に染まって、見知らぬ風景の中から保存の鍵を探す。見上げると両親は2人とも牛になっている。(元に戻して!)振り返るのは弱虫。次のバージョンアップで僕も牛になれるのだ。#twnovel

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