眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

祝福の壁

2013-07-05 15:05:56 | ショートピース
なんとなく歩いていると壁に突き当たった。「おめでとうございます!」ナビが言った。「師に当たりました」今までの方法では越えられない壁は、過去を振り返り突き詰めることを求めた。自分なりの答に行き着いた時、私はおかしくなっていた。あはは、そうか。今までのは何だったんだ。#twnovel

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自動更新ネイマール

2013-07-04 19:44:33 | 気ままなキーボード
店の中から零れる歓声で最初の失点を知った。大画面の中でゴールネットが揺れている。
「早くも失点したみたいです」
と言うとある人は何のことだと言い、それ以外の人は反応もなく仕事に打ち込んでいた。
自分の持ち場に戻りプチワールドカップの開催を知らせると、それならラジオで聞こうという話になったが、実況の声を捕まえることはできなかった。
カウンターの下にモバイルを置いて、1分ごとに自動更新される画面を見つめている。
1‐0という画面が更新され続ける。その他には何も変わらない。

「コンフュージョンズカップは、4チームしか出ないんだよ」
「なんて寂しい大会だ!」
「3回やったらもう終わりなんだよ」
「それならニコ生放送でやってるぞ」
「何をやっているの? テニス?」
「サッカーだよ」

しばらく離れ、近づいた瞬間、「あっ!」となる。
1‐2!
それはほんの目の錯覚だ。そうなってほしいという願望が、働いた幻のスコア。
もう1度見た時には、ちゃんと元通りになっている。
1‐0という画面が更新され続ける。その他には何も変わらない。

前半32分
かわしまの顔が見えた。
攻めている、と、攻められている。およそそれくらいのことしかわからない。小さな中継画面の中の戦士たち。

前半37分
ピッチを追い出されてしまった僕たちは、すぐに別のチャンネルへ移動して再入場する。
ネイマールだ!
キャプテンが足をかけた。
フリーキックだ!
直接はあるのか?
近いのか、遠いのか、さっぱりわからない。
1‐0という画面が更新され続けて、前半戦が終わった。

「ブラジルはベストメンバーではないんでしょ?」
テニスなのと訊いた女が、確信めいて言う。
「ネイマールが出ているんだぞ!」
コンフュージョンズカップを学んだ男が即座に反論する。

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深刻な確定

2013-07-03 08:27:00 | ショートピース
雨のカーテンに隠れて、魂の命じるように指先の前の宇宙を打つ。無数の候補の中から導き出された言葉を決定付けるためには最後に確定キーを押さなければならない。この瞬間のために私は生きてきた。雨音に負けないように、強く強く、このキーを押すまでは、私はまだ何者でもないのだ。#twnovel

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