読みかけの本を持って、出かけましょう。
山本睦著「イギリスの道(フォトジェニックな英国記号論)」。古い本だけどね、再読している。

「道」は筆者の潜在意識の性質を示す一つの重要な「記号」なのだ。
そう山本睦さんは書いている。
道の画像というのは面白いですねえ。私もそう思う。
電車内で読みふけるが、すぐにJR根岸線(京浜東北線)の根岸駅に到着する。
根岸(横浜市)に行ってみたのだー。久しぶり。

JR根岸線(京浜東北線)の南側は広大な埋め立て地で、線路の向こうにはENEOSの巨大な石油施設が集まる。

これら車両はガソリンを運んでいる。

ENEOS、つまり大昔の日本石油が60年以上前に作った埋立地の施設。
今もこの車両に書いてある名前に、その名残があるね。
日本石油輸送株式会社は、戦後すぐに出来た会社だ。

JR根岸駅のトイレはホーム西端(磯子駅寄り)で下がるところにある。

夜遅くにはちょっと入りたくないような。
でも今は昼間だから入る。
先ほどのENEOSとは反対側、ホームから北側を見ると、奥に海食崖が見える。
根岸の地形はこうなのだ。後で改めて書く。

JR根岸駅で下車する。

正面は高さ50mほどの崖だ。

崖は東西両方に広がっている。

その手前のわずかな平らな土地に広がる住宅街。

根岸の地形はこうなっている(↓)
大きな海食崖(波に侵食された崖)があり、北(上)が高く、南(下)が低い。JR根岸駅があるのは崖の下の平らな狭い部分だ。JR根岸線(京浜東北線)はかつての海岸線近くの海側を通っていて、そこから南のENEOSの埋立地は戦後に造成されたものだ。根岸駅開業は今からわずか40年ほど前のことである。

戦前に金属を取り扱い、めちゃくちゃ儲けた豪商の住宅がある。

かなり立派で価値も高い住宅なため、普段から横浜市は公開している。

周囲の土地を含めて根岸なつかし公園というらしい。

中まで入りたいが、時間がないのでパス。
先を急ぎましょう。

ちょっと根岸駅の方へ戻る。
根岸と言えば、この曲だ。名曲ですよ。とてもよく出来ている。
海を見ていた午後 ♪
当時はまだ荒井由実だったユーミンの名曲。
あとでまたこの曲がなぜここで必要かを説明する。
ここを左折。

根岸の古くからの神社だ。

八幡神社。
隣が幼稚園。

お参りしている時間がないので、今日はここで失礼する。

巨大な銀杏の御神木がある。

ここを奥へ進む。

こちらには稲荷神社があるね。

ここで行き止まりとなる。

しかしちょっと戻ると階段がある。

この階段で、根岸の海食崖を一気に登れるよ。
しんどいけどねー(笑) これ見てください。右へ左へ。

かなりの急坂だ。
元々は波に侵食された崖だったんだろうが、今は深い森だ。

根岸旧海岸線の森。

海岸線ははるか沖合まで伸びてしまっているけどね(笑)。
ちかんに間違われないよう注意しないといけない。

この狭い誰も通らわない階段で、女性とすれ違う時に、緊張し過ぎて「うわっ!」と大声を出したりしたら、それ以外に何もしなくても通報されそうだ。

しかし海食崖を一気に上る階段って、すご過ぎない?
しんどいわ。

途中結局誰にも会わない。
だからちかんに間違われることもない。
そりゃそうだね、これだけきついんだから通る人も少ないよ。

むむむ、ちょっと明るくなってきたみたいに感じる。

あ、マンションが見えるね。

ここが階段の終わりだ。

おぉ~、やっと上り切ったわ。
ここは住宅街。戸建てとマンションが入り混じる。

静かなところだねぇ。
かなり閑静で、余裕を感じるな。
海食崖の森を挟んで上と下でかなり違った様相を呈する。

遠くにはみなとみらいエリア。

このあたりは明らかに根岸なんだけど、「山手」という表示をよく目にする。
こちらのマンションも「コートヒルズ横濱山手」という名前だ。

以前職場で人を採用する時に横浜在住で応募して来た人がいた。横浜と言っても広い。
住所を見てもよくわからないので、面接の時に私は「お住まいは横浜のどのあたりですか?」と尋ねたら、その人は「山手です」と答えた。
しかしあとで調べたら、最寄り駅は圧倒的にJR根岸駅に近かった。

横浜で「山手」と言うとどこを指すのか?
海から離れて小高い所はどこであっても山手と言えなくはない。
しかし面接で「お住まいは横浜のどのあたりですか?」と聞いた私に、このあたりに住む人が「山手」と答えるのは正しいのだろうか?
そんなことを思い出すマンション名の「山手」だった。

もうひとつ、「山手」で思い出すのはこちらだ。
この建物をご存じだろうか?

ドルフィンである。
看板にはフレンチとあるが、オムライスもピザもあるという、なんでもありのレストラン。

先に、荒井由実(ユーミン、現松任谷由実)の名曲、海を見ていた午後♪をYouTubeで貼り付けたのはこれがあるからだ。
あの歌の中で「・・・山手のドルフィンは 静かなレストラン・・・」とユーミンが歌うのは、このドルフィンを指す。
しかし下の地図を見てほしい。横浜にあまり縁がない方のためにここに貼り付けたのだ。JR根岸線(京浜東北線)の駅が三つ出ている。北から石川町駅、山手駅、根岸駅だ。誰もが「横浜山手」と言って思い浮かべる代表的イメージは、外人墓地やフェリス女学院や山手カトリック教会や異人館や海の見える公園や豪邸が立ち並ぶ地区であろう。
それは石川町駅の右下の赤い細い線で囲った地区であり、住所では横浜市中区山手町と言う。

誤解しておられる方が多いのだが、JR山手駅はその代表的横浜山手の地区から遥か離れた谷間のごちゃごちゃしたところである。さらにドルフィンになると、これはもう圧倒的に南で、根岸駅に近い。
ユーミンの「山手のドルフィン」という歌詞は誤解を生みやすい。昨今のことだから、実際山手駅で下車してからスマホで場所を探して驚く人も多いらしい。
本当は「根岸のドルフィン」なのであるが、それでは歌詞になりにくかったからか、それともユーミンは単に海から離れた山側にあるということで「山手のドルフィン」と歌ったのか。近くには山手って駅や地区があるからねえ。ややこしいね。

北軽井沢(長野県の軽井沢町ではなく、群馬県の一部)とか、南葉山(神奈川県三浦郡葉山町の一部ではなく同県横須賀市の一部)みたいなものか。
直ぐ上にある交差点も「根岸旭台」というのだ。
ここは根岸なのだ。

神奈川県民には簡単過ぎる問題かもしれないが、下のマンホールにあるマークは何でしょう?

これも。

これも、そうだよ。

これは横浜市の徽章だ。
カタカナの「ハマ」をデザイン化したものだ。文字をデザイン化した市町村のマークはたいていダサいんだが、これはいいかも。
LEARN NOT TO FIRE
FIRE STATION No.5

消防署なんだが、なんかちょっと違う。
隣にはこんな看板が。

The United States of Americaの施設ですね。
隣は根岸森林公園。むかーーし我が国最初の競馬場があったところであり、戦後は米軍に一時接収されたところ。

タイサンボクが咲いているよ。

広大な公園だ。

犬もリードにつなげば連れて行くことが可能だ。
中にはドッグランもあるらしいよ。
カフェもある。喉が渇いたのでメニューを見たが、生ビールはないのでパス(笑)。

広い公園を抜ける。

人も少ないし、ワンコも散歩しやすそうだ。
ドガティ君みたいなワンコが喜びそうなところで、私は近隣に住む人が羨ましい。

元競馬場だけあって、馬の博物館もある。

この部分は根岸競馬記念公苑と呼ぶらしいね。

リードをしていれば、ペットを連れて来ていいらしいよ。

象や馬がペットな人も、リードして連れてくればオッケーか?(そんなわけないだろ?)
私も自分の馬を連れて来た。

・・・ウソ。
これはここに放されたポニー。
かわいいねえ。
名前なのかな、「H」と毛を残してある。

草を毟って食べていた。

入ろうか止めようかと悩んで結局やめた馬の博物館。

何が展示してあるのかしら。
ここ(↓)で馬が運動するところを見られるらしいよ。

今は馬はこちら。

おとなしい子が3頭。

左に2頭、右に1頭。
刈り取った牧草を反転させて乾燥を早めた道具で、米国製。

刈った牧草を集める道具で英国製。デカいね。我が家のとは大違い。

米国製も英国製もみんな馬が引っ張ったんだね。
この先で根岸森林公園が終わる。

ほらここにもあるよ。
「山手動物病院」だ。

根岸でも山手から遥か離れていても、「山手」と呼ぶ傾向が広範囲に見られる。
ここの住所は横浜市中区山元町だ。

長過ぎるので、一旦切る。
次回も見てくださいね。
【つづく】