またまた建長寺レシピ。
精進料理を学びましょう。
昆布に干しシイタケで精進だしを作る。
そのエキスをゆっくり出したら、ちょっと煮る。
「精進だし」と言って当たり前のように昆布を使っているが、鎌倉時代に昆布がこの鎌倉において、どこまで普及していたかね? 鎌倉というのは昆布から最も遠い場所だ。
昆布は北海道や東北北部でしか採れないのだ。
日本海側を船で南下して運ぶ方④が、太平洋側で同じことをする⑤より海流の関係ではるかに楽だったので、昆布の普及は日本海側や西日本ではるか早くに進んだ。現代のうどん・そばその他の料理の出汁でも明らかにそれが見られる。関東では、昆布より鰹や醤油を多く使う。
現代にいたってもその影響は残っている。鎌倉時代から800年近く経っても、昆布の消費量は①や②の地域で多い。③では少ない。鎌倉は昆布から遠いのだ。
しかし平安時代に京都のやんごとなき人々により昆布が消費されていたのは確実で、そうであれば京都と多くの人的交流があった鎌倉で、鎌倉時代初期において昆布が限られた人々の間で使われたことがあってもおかしくはない。
鎌倉時代中期には昆布がかなり広く日本で普及する。
したがって創建1253年、建長寺開山であり宋からいらっしゃった蘭渓道隆様が開基北条時頼に「ワタシ・コンブー・ダイスキアルネー」なんて言っていたとしても、そんなにおかしくはない。
ゴボウを切る。
アスパラガスも切る。
ゴボウとアスパラガスは揚げてから、干しシイタケと昆布の精進だしで煮る。
しかしここから先しばらくは、稲庭うどんのパスタの材料の話だ。
我が家としてはめずらしいゴーヤ。
断面がおもしろい。
中を掻き出して、薄切り。
大葉を用意する。
これは細切り。
トマトも用意する。小さく切りましょう。
稲庭うどんをパスタにするのだ。
このパスタはちょっと亜流だけど、鉢の木(北鎌倉の料理店)が提案する建長寺レシピのひとつだよ。
白ごま、胡椒、唐辛子を使いましょ。
再び話題を、揚げたゴボウやアスパラガスを精進だしで煮る作業に戻そう。
いよいよ精進だしの出番だ。
エキスが出切った干しシイタケと昆布。
これはこれで、あとでまた醤油で煮て佃煮風になる予定だ。
こちらのレシピがゴボウを揚げて煮たものだ。
ゴボウを揚げる。
精進だしに砂糖と醤油とみりんをブレンド。
ごぼうが揚がったよ。
いい匂いだ。
アスパラガスも揚げる。
ほらできた。
これを煮るのだ。
精進だしを煮たてて砂糖、みりん、醤油を加え、そこにゴボウを入れる。
次にアスパラガスを加える。
十分煮たら、ゴボウとアスパラガスの揚げ煮ができる。
一方ここからは再び稲庭うどんのパスタの話に戻ろう。
フライパンではオリーブオイルと唐辛子を合わせて加熱。
稲庭うどんは間もなく茹で上がる。
冷水で締める。
ゴーヤ、トマト、大葉、醤油、唐辛子、オリーブオイル、ごまとうどん。
ザザザッと炒めたら終了だ。
稲庭うどんのパスタと、ごぼうの揚げ煮。
おいしそうでしょ。
そこそこおいしいよ。
ごぼうの揚げ煮は完璧だ。
精進だしがきいてしっかり味付けられ、サクサクと食べられる。
稲庭うどんのパスタもいいね。
楽しい休日のランチ。
二つを並行して作ったので、途中、どっちがどっちかよくわからなかったでしょ。
SDGs的ランチなのでした。ゴボウの皮すら、捨てやしない。だしをとった干しシイタケや昆布も食べる。