そろそろテーブルの天板をメンテナンスしないといけない。
オイルやワックスは塗り込まれているが、気を使うニスやラッカー系の透明な塗装はまったくなされていないテーブルである。
傷がついてもシミがついても平気という人向きなテーブルで、実際、このテーブルは傷やシミで一杯だ(笑)。
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脚の部分は今のところメンテナンスする必要は無いと思う。
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普段擦れるところじゃないからね。
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しかし天板は常に物が置かれ、触れられて、擦れる。
表面が乾燥し、白っぽくザラッとしてくるのだ。
だからたまーーにだけど、メンテナンスが必要になる。
逆にあまり頻繁にメンテナンスしてワックスばかり塗っていると、ベタベタになってしまうから、止めた方がいい。
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このテーブルは26年前に購入したもの。
都内にペニーワイズって大きな家具屋さんがあるが、そこで当時セールの時に、ポール・ウィルソン社(英国)のパイン・テーブルが格安で買えた。そしてそれが今も我が家にあるというわけだ。
ポール・ウィルソン氏は今から10年ほど前にお亡くなりになったが、会社は今もあるらしい。
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天板は「2インチ・トップ」と言われる厚いものだ。しかし実際には2インチ(5.1cm)はなく、厚みは4cm弱だ。
話は少しそれるが、住宅構法のひとつである枠組壁構法を、俗に「ツーバイフォー」と言うがあれと同じなのかな? あれは断面のサイズが1.5インチ(3.9cm)×3.5インチ(8.9cm)という、なんとも細い角材を枠組みにして壁をつくるところから来た名称で、1.5と3.5を切り上げして2×4(ツーバイフォー)と呼んでいるのだけど、人によってはそれを「ツーバイ」なんて呼んだりしていて、そこまで来るともはや元々の意味は不明。
因みにその細い角材で枠を作り、そこに厚さ0.9cmの構造合板を貼り付けた薄い壁だけで構造的には家が建っているのだから、不思議だねえ。その角材はダグラスファーが多いかな。日本ではなぜか米松と呼ばれているやつだ。
で、話を戻すと、おそらくこのテーブルの天板も1.5インチの厚みがあるから切り上げて2インチ・トップと呼んでいるのだろうと思われる。
ケヤキの老木なんかとは異なり、パインってそんな巨大な木ではないわけで、1枚板なんてのは存在しない。
テーブルの断面(↓)を見るとわかるように、直径30~40cm程度のパインを製材し、木目の上下の順番を交互に並べて合わせて天板が構成されている。
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長い間にそれらは乾燥し、多少収縮し、複雑にいろんな方向に微妙に反る。だからテーブルの表面は完全に平らではない。
つまり、荒っぽいテーブルなんだな。素朴というか。テーブルクロスやランチョンマットなんて似合わない。料理もそのままこの天板の上に置く。
よく海外のカントリー雑誌に、ガタガタした表面のパイン材のテーブルの上に直に南瓜がゴロッと転がしてあるような画像がありますでしょ。あれと同じようなもの。
昔私の両親がやっていたように、ニスやラッカー系の塗料が塗られたキレイなテーブルの天板にレースのテーブルクロスを敷き、その上にぴったりとサイズの合ったガラス板を置くなぁ~~んてことはしたくないというか、まったく似合わないテーブルなのだねぇ。
「おとーさん、何するの?」と問うドガティ君。
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これから作業ですよ。
このテーブルは購入時の状態を保っていない。寸法は短くなっている。もともとは長さが180cmで、6人掛けだった。
しかし狭いダイニングルーム(我が家にはリビングルームなんてものはない)に、ソファーを入れようとしたらちょっとだけテーブルが長かった。
そこでポール・ウィルソン氏には申し訳ないが、テーブルを40cm短くすることにしたのだ。
木工家具屋さんに「テーブルから脚をはずし、天板を切って磨いて、脚を付け直して、最初から短いテーブルだったかのように作り替えられますか?」とお尋ねしたところ、「簡単だ」との答えだったので、格安で作業して頂いた。
右のソファのために、左のテーブルが犠牲になったのである。
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こんな感じでテーブルとソファが収まった。
下の画像を仔細に見ると、テーブル天板はフラットではなく、わずかにボコボコしているのがわかると思う。まあこんな感じなんですよ。
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では作業を開始しましょう。
ナイロンたわしの薄っぺらいのを切る。
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それで天板表面をゴシゴシする。
すると汚れが取れる。
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湿ったペーパータオルで表面に浮いたゴミを取り除く。
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古いけれど洗濯され乾いていて臭くない靴下を用意する。別に靴下でなくてもいいが。
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ここでBRIWAX(ブライワックス)の登場だ。
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Recognised as the best furniture wax throughout the worldとある。
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本当かね。でもまあよく売れているからねえ。
英国製革ソファには英国製クリームを。
英国製パイン材テーブルには英国製ワックスを。
しかしこのテーブルは英国製というだけで、パイン材自体は欧州大陸のどこかかからやって来たものだと思われるけれど。
ワックスを薄く塗る。
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すごいにおいだ。鼻をつくね。
窓を開けましょう。
いろいろと木材の話が続いたので、ついでにお話しすると、この窓材(↓)はポンデローサパインだ。北米のパインだね。世の中パインだらけ。アンダーセン社はこのパインを使う。
さらに言うと外側のケーシング枠はヘムロック(米ツガ)ですね。輸入された木製室内ドアや階段の手すりなどは、このヘムロックがよく使われている。オークなどに比べると安価だ。
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ワックスを塗り終わった。
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寒い中、窓を開けての作業になるが、作業をしている本人は寒くはない。
むしろ暑いくらいだ(笑)。
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全体にワックスが薄くついた状態。
ベタベタに塗ってはいけませんよ。薄くでいいのです。
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しばらくは放置する。
そしてまたナイロンたわしで軽く磨く。
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付き過ぎたワックスを落とすのだ。
そしてこれも同じ、湿ったペーパータオルで浮き上がった汚れを拭きとる。
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こういうシミ(↓)は落ちないね。
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でもいいのだ。
そんなことを気にするテーブルではないのだ。
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そしてまたこのテーブルの上にいろんな食器が直接置かれるのであぁ~る。
KEEP CALM and CARRY ON.
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テーブルを荒っぽく使いながらも、大事にしましょう。
ツーバイフォーは不思議な建て方ですね。
あの細さで、必要に応じて重ねて使ったり
しますがとにかく細い角材と厚さ9ミリ程の合板
だけで構造的には出来てる。
おっしゃるとおり
あとは外側や内側に在来構法でも使う
素材を付け加えるだけ、、、。それらは構造には
関係なく、むしろ付け加えるほど壁を引きずり
下げるような形となり、壁の負担に
なるんでしょうねえ。私も前の自宅が
ツーバイフォーでした。工事に、驚きました。
おちゃさんの家具への愛❤️が溢れていますわ。
ソファーや車のお手入れをきちんとなさる記事は、いつも尊敬の眼差し👀で読ませて頂いてます。
おちゃさんと違って全然手入れしてません
大きなシミもあります
それに小さいころのタロウが噛んだ跡が脚部分の至る所に…
結構柔らかい?ので噛みやすかったでしょうねぇ
今となっては思い出のよすがになっています
ベッドは、未だ娘の部屋に居座っています。
机は持って出たけれど、今は廃棄さらた様子。
ちょっと懐かしくなりました。
あ、お手入れなんてしませんでしたが。
サメ山の木が持ち出すことが出来て、製材もできたら、テーブル作りたいなと思いつつ。
山に入る道は荒れる一方で、製材する機械がサメ父が大工だったのであるけれど、勿論、サメ氏には無理。
残念だなあ、と。
と、スズキヤさんシリーズ、良いわ。
なるほど、と。
このテーブルがあると聞き、当時恵比寿に店舗の
あったペニーワイズに買いに行った時のことは
よく思い出します。
前の家の時に買いましたが、玄関から入れて
すぐ直角に曲がって部屋に入れるので、入るか
どうか少々不安だったと記憶します。
今の家でソファを入れるために、本来180cmの
テーブルを140cmに短縮化するのは
かなりかなしかったです。なぜ自宅の部屋を
あと40cm大きくしておかなかったのか?
と悔やみました(笑)
このテーブルの足は、先代のワンコのアイリッシュ
セターがよく噛んでました。噛ませないために
足に豆板醤を塗りました。
するとますます美味しそうに噛むので(笑)
困りました。犬が嫌うビターアップルのスプレー
を吹きかけるようにしたら、完全ではありませんが
治りました。それほどひどくならないうちに
その噛む習慣も消えたので、今ではよく分からない
程度の跡になってます。
このテーブルももう古くなりました。
荒っぽく使っています。このままだと我が家は
食卓も変わることなく、これがずっとここに
ありそうです。
サメ氏の森の木を製材してテーブルに出来たら
良いでしょうね。愛着もただならぬものになりそう
です。でもすでにテーブルをお持ちでしょうから、
新しいのがもう一つくると持て余しちゃったり
して(笑)。
パイン材の家具も2種類あると思います。
八ヶ岳の山荘にもパイン材のテーブルを置いて
いるのですが、表面に薄くラッカー系の塗装が
施されています。世の中にある多くのパイン材
家具がそうだと思います。
その場合、上からワックスや油分を補う
こうした作業をすることはほとんど想定されてない
と思います。
一方でこのテーブルは、全くの無塗装でして、
時々こうした油分を補う作業をしてやると
色艶が良くなります。しっとりしますしね。
それでやってます。
しましょう。
これ名言です。
テーブルに限らず、汚れるからとか傷つく
からと、こわごわ使うより思う存分に使い、
しっかりとメンテナンスした方が気分良好
です。
さて、このようなメンテナンス、おちゃさん
のように率先してやるのは私か夫か……
それが問題です。
このパイン材の無骨なテーブルは無塗装です
しね、テーブルクロスなんて似合いませんし
シミも簡単に出来ますし、柔らかいので傷も
すぐつきます。
たまーに油分を少し補ってやれば、ガタガタに
なったかてええんですわ。むしろそれくらい
がいい感じ。
白洲次郎がツイードのコートやジャケットなどは
新品で着るものじゃない。軒下に吊るして3年
ほど風に晒してくたびれた頃に着るものだと
言ったとか。
https://suit-college.com/article.php?mid=106
このテーブルもそんなもんでございます。
素朴。ほたるさんがダンナさん、ジャンケンか
掴み合いの喧嘩でメンテ役を決めてみましょう