2018年秋の猛烈な台風で、我が家の屋根材であるアスファルト・シングルが一部飛んだ。
それで雨が漏るわけではないので、翌年2019年になってから修理をしてもらった。
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しかしアスファルト・シングルって屋根材は接着剤で留めてあるだけのものだ。我が家はめちゃくちゃ日当たりが良い。したがって屋根全体に塗られた接着剤が長年の熱で劣化しているわけだから、次の台風シーズンにはまた別の箇所の屋根材が一部飛んでしまった。こんな状況なら修理はエンドレスに繰り返されそうだし、いっそのこと屋根材を変えましょうよ~!ということになったのが2020年、つまり昨年のことだ。アスファルト・シングルって好きなんだけどねえ。安価だし、北米なんて屋根材としてはかなりのシェアだと聞く。
七里ガ浜の自宅も八ヶ岳の山荘も、ついでに言うとかつて両親が住んだ家も、建ててくれたのは山梨県北杜市にあるブレイスという屋号の建築屋さん。そこのボスは丸山さん。2019年に屋根を修理をしてもらったのも、昨年屋根の吹き替えを相談したのも、相手はその丸山さんだ。1999年竣工の山荘も、2006年竣工の自宅も、何かとずっとお世話になっているのだ。で、アスファルト・シングルが何枚か飛んだからと言って困るわけではないので屋根はそのままになっていたが、そろそろ全体の吹き替えをやるかという話になり、再び丸山さんが我が家にご登場なさった。なにごともゆっくり進む我が家。
まだヨドコウにすると決まったわけではないのだが、これはヨドコウのカタログ。
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ガルバリウム鋼板ってやつだ。
こんな色がありますよ、って見本ですね。
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やっぱり黒かなぁ。上から4行目、左から2列目がそれだ。
あるいはその上のかな。いや、黒が無難だろうか。
ところが屋根材価格が上昇しているようだ。嫌だねぇ。これからという時にさぁ。
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屋根材だけではなく、多くの種類の建築資材で世界的な価格上昇がみられるとか。
主因は海外にあるらしい。2つの経済大国、米国と中国の建築資材需要が強い。木材も金属製品もコンクリートも、メーカー既成の建具も引っ張りだこらしい。同じ中国でも田舎はダメだが、都市部、特に上海の住宅価格は大変な上昇を見せている。海上輸送コンテナなんてあちこちで中国に抑えられちゃっているようですよ。
最大のマーケット、米国でも住宅への需要はすごい。こちらはデータがよく揃っているのでわかりやすいよ。久しぶりに調べてみた。私は米国の住宅関係のデータは得意だ。
こちらはFHFA(米国住宅金融局)が毎月2か月遅れの月末近くに発表する住宅価格指数(季節調整済み)だ。
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【Source:米国住宅金融局】
世界的金融危機は米国の不動産価格の下落から始まったが、それは13-14年前のこと。そこから激しく下落した米国不動産価格は今から10年ほど前に底を打ち、その後は上げ続けである。とてもわかりやすい上げ方だね。
ところがよく見てください。直近の1年ほどは、その上昇の仕方が違うのだ。季節調整済みのグラフを季節調整無しのグラフにするとよりわかりやすいだろうね。
だからそうしてみた。こちら(↓)が上のグラフを同じデータを季節調整済みから、季節調整を無しに転換して、表現したものだ。
赤い丸で囲んだところをご覧ください。
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【Source:米国住宅金融局】
米国の住宅価格指数はここ何年もずっと上昇して来た。季節調整無しのデータを見ると、1年ごとに一つの細かいサイクルがあることがよくわかる。以前からずっとそうだ。春の前から住宅価格が上がり始めるがそれは夏に終わり、そこから冬にかけては価格が停滞するのである。ところがそのパターンが2020年から崩れて、同年はずっと上がりっぱなしなのでだ。
同じグラフをを毎月の変化率にすると、さらにわかりやすくなるよ。
こちら(↓)がそれだ。
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【Source:米国住宅金融局】
赤い丸で囲んだところが毎年やって来る寒い時期の住宅価格の谷間である。この時期米国の住宅価格指数の変化率はゼロ%前後あるいはマイナスとなる。
しかし2020年以降はそれがないのだ。毎月大きくプラスでまっすぐ上がりっぱなしのハッピーな状況。米国史上最低水準のドル金利が米国民の住宅ローンを借りる意欲を刺激している。また、昨年来のコロナ禍では多くの職種においてリモート・ワークが普及し、郊外のより大きな戸建て住宅への需要を高めているようだ。じゃあ逆に最大都市を含むニューヨーク州では住宅価格が下がっているのか?というと、地区別データも調べてみたが、そんなことはなかった。一昨年以前同様ジワジワと上がっている。州内でも細かく見ると、いろいろあるだろうけどね。
拡大する住宅需要はわかったが、供給は増えないのか?と思うでしょう? それがさっぱり増えないらしい。増えてはいるが需要に追い付かないというのが、もう10年くらい続いている状況だ。
米国では住宅取引というと、日本とは逆で新築よりも中古が多い。それも何倍も違うような感じだ。だから中古住宅の売買がとても注目される。
ご覧の通り(↓)だ。これは月次データを年率換算したものである。米国では現在中古住宅が年間600~700万棟のペースで売買されているのだ。
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【Source:全米不動産業協会】
ずっと増え続けている中古住宅の売買件数だが、それでも金融危機前のピークにはまだ及ばないのである。不動産会社ががんばって探しても売り物が少ないという状況がずっと続いている。
中古住宅を売る人が少ないなら、そしてそんなに住宅を買いたい人がそんなに多いなら、新たな住宅をどんどん建てればいいじゃん!?と思うところだが、それはそうは行かないのである。住宅着工件数はご覧のようなグラフになる(なんでも出て来るでしょ)。
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【Source:米国商務省】
こちらもまた金融危機後の大底から増え続けてはいるが、金融危機前のピークにはまったく達していない。金融危機の前後で一旦新築住宅建築工事量が4分の1ほどに落ち込んでしまったことが尾を引く。
1.金融危機直後に倒産した建築業者や解雇された従業員は、簡単には元には戻らない。
2.建築資材供給も同様に増やすにも限度がある。
3.住宅供給という点では米国では新築住宅より中古住宅の方がはるかに多く、新築住宅着工がどんなに増えても多過ぎる需要に追いつかない。
ということで、住宅市場は活況を引き続き呈しているが、それにはコロナ禍が一役買っていて、2020年以降は状況がそれ以前とはちょっと違ってきたというお話でした。
それって、以前ここで書いたパソコン市場の活況とも似ているね。
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【Source:ガートナー】
同じ1-3月期でも、2021年は一変して世界のパソコンの販売台数は急増した。これもリモート・ワークが変えた状況だ。
それで雨が漏るわけではないので、翌年2019年になってから修理をしてもらった。
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しかしアスファルト・シングルって屋根材は接着剤で留めてあるだけのものだ。我が家はめちゃくちゃ日当たりが良い。したがって屋根全体に塗られた接着剤が長年の熱で劣化しているわけだから、次の台風シーズンにはまた別の箇所の屋根材が一部飛んでしまった。こんな状況なら修理はエンドレスに繰り返されそうだし、いっそのこと屋根材を変えましょうよ~!ということになったのが2020年、つまり昨年のことだ。アスファルト・シングルって好きなんだけどねえ。安価だし、北米なんて屋根材としてはかなりのシェアだと聞く。
七里ガ浜の自宅も八ヶ岳の山荘も、ついでに言うとかつて両親が住んだ家も、建ててくれたのは山梨県北杜市にあるブレイスという屋号の建築屋さん。そこのボスは丸山さん。2019年に屋根を修理をしてもらったのも、昨年屋根の吹き替えを相談したのも、相手はその丸山さんだ。1999年竣工の山荘も、2006年竣工の自宅も、何かとずっとお世話になっているのだ。で、アスファルト・シングルが何枚か飛んだからと言って困るわけではないので屋根はそのままになっていたが、そろそろ全体の吹き替えをやるかという話になり、再び丸山さんが我が家にご登場なさった。なにごともゆっくり進む我が家。
まだヨドコウにすると決まったわけではないのだが、これはヨドコウのカタログ。

ガルバリウム鋼板ってやつだ。
こんな色がありますよ、って見本ですね。
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やっぱり黒かなぁ。上から4行目、左から2列目がそれだ。
あるいはその上のかな。いや、黒が無難だろうか。
ところが屋根材価格が上昇しているようだ。嫌だねぇ。これからという時にさぁ。
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屋根材だけではなく、多くの種類の建築資材で世界的な価格上昇がみられるとか。
主因は海外にあるらしい。2つの経済大国、米国と中国の建築資材需要が強い。木材も金属製品もコンクリートも、メーカー既成の建具も引っ張りだこらしい。同じ中国でも田舎はダメだが、都市部、特に上海の住宅価格は大変な上昇を見せている。海上輸送コンテナなんてあちこちで中国に抑えられちゃっているようですよ。
最大のマーケット、米国でも住宅への需要はすごい。こちらはデータがよく揃っているのでわかりやすいよ。久しぶりに調べてみた。私は米国の住宅関係のデータは得意だ。
こちらはFHFA(米国住宅金融局)が毎月2か月遅れの月末近くに発表する住宅価格指数(季節調整済み)だ。
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【Source:米国住宅金融局】
世界的金融危機は米国の不動産価格の下落から始まったが、それは13-14年前のこと。そこから激しく下落した米国不動産価格は今から10年ほど前に底を打ち、その後は上げ続けである。とてもわかりやすい上げ方だね。
ところがよく見てください。直近の1年ほどは、その上昇の仕方が違うのだ。季節調整済みのグラフを季節調整無しのグラフにするとよりわかりやすいだろうね。
だからそうしてみた。こちら(↓)が上のグラフを同じデータを季節調整済みから、季節調整を無しに転換して、表現したものだ。
赤い丸で囲んだところをご覧ください。
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【Source:米国住宅金融局】
米国の住宅価格指数はここ何年もずっと上昇して来た。季節調整無しのデータを見ると、1年ごとに一つの細かいサイクルがあることがよくわかる。以前からずっとそうだ。春の前から住宅価格が上がり始めるがそれは夏に終わり、そこから冬にかけては価格が停滞するのである。ところがそのパターンが2020年から崩れて、同年はずっと上がりっぱなしなのでだ。
同じグラフをを毎月の変化率にすると、さらにわかりやすくなるよ。
こちら(↓)がそれだ。
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【Source:米国住宅金融局】
赤い丸で囲んだところが毎年やって来る寒い時期の住宅価格の谷間である。この時期米国の住宅価格指数の変化率はゼロ%前後あるいはマイナスとなる。
しかし2020年以降はそれがないのだ。毎月大きくプラスでまっすぐ上がりっぱなしのハッピーな状況。米国史上最低水準のドル金利が米国民の住宅ローンを借りる意欲を刺激している。また、昨年来のコロナ禍では多くの職種においてリモート・ワークが普及し、郊外のより大きな戸建て住宅への需要を高めているようだ。じゃあ逆に最大都市を含むニューヨーク州では住宅価格が下がっているのか?というと、地区別データも調べてみたが、そんなことはなかった。一昨年以前同様ジワジワと上がっている。州内でも細かく見ると、いろいろあるだろうけどね。
拡大する住宅需要はわかったが、供給は増えないのか?と思うでしょう? それがさっぱり増えないらしい。増えてはいるが需要に追い付かないというのが、もう10年くらい続いている状況だ。
米国では住宅取引というと、日本とは逆で新築よりも中古が多い。それも何倍も違うような感じだ。だから中古住宅の売買がとても注目される。
ご覧の通り(↓)だ。これは月次データを年率換算したものである。米国では現在中古住宅が年間600~700万棟のペースで売買されているのだ。
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【Source:全米不動産業協会】
ずっと増え続けている中古住宅の売買件数だが、それでも金融危機前のピークにはまだ及ばないのである。不動産会社ががんばって探しても売り物が少ないという状況がずっと続いている。
中古住宅を売る人が少ないなら、そしてそんなに住宅を買いたい人がそんなに多いなら、新たな住宅をどんどん建てればいいじゃん!?と思うところだが、それはそうは行かないのである。住宅着工件数はご覧のようなグラフになる(なんでも出て来るでしょ)。
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【Source:米国商務省】
こちらもまた金融危機後の大底から増え続けてはいるが、金融危機前のピークにはまったく達していない。金融危機の前後で一旦新築住宅建築工事量が4分の1ほどに落ち込んでしまったことが尾を引く。
1.金融危機直後に倒産した建築業者や解雇された従業員は、簡単には元には戻らない。
2.建築資材供給も同様に増やすにも限度がある。
3.住宅供給という点では米国では新築住宅より中古住宅の方がはるかに多く、新築住宅着工がどんなに増えても多過ぎる需要に追いつかない。
ということで、住宅市場は活況を引き続き呈しているが、それにはコロナ禍が一役買っていて、2020年以降は状況がそれ以前とはちょっと違ってきたというお話でした。
それって、以前ここで書いたパソコン市場の活況とも似ているね。
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【Source:ガートナー】
同じ1-3月期でも、2021年は一変して世界のパソコンの販売台数は急増した。これもリモート・ワークが変えた状況だ。
米国はなんでもデータが揃って、わかりやすい
国ですね。そして市場にいつも活気がある。
しかし2020以降の状況はそれ以前とは
少し違います。全く異なる要素が住宅市場に
新たな影響を与えているかに見えます。
データをみていると面白いものです。
私はアメリカの不動産業務など経験はない
です。残念ですけど。。。
でもアメリカの住宅ローンを証券化した
有価証券、つまりモーゲージ債券を
分解して組成した派生債券、いわゆる
モーゲージ・デリバティブズからなる
ヘッジファンドを長年扱っていたので、
そのバックグラウンドである、住宅市場に
ついても多少は知っているのです。
数回、拝読して なるほどー と。
遅まきながら、経済と時勢は一対を
再度、確認しました。
モーゲージ債権、マネーショート華麗なる大逆転
に出てきてました。
この映画も一回、観ただけではついていけず
TVで観なおしました(;´д`)トホホ。
詳細に読んで頂いて、ありがとうございます。
コロナ禍は複雑な影響を実経済に与えていま
すね。驚きです。それ以前とは全く異なる
動きがグラフから読み取れます。
モーゲージ債券はクーポンを毎年払って
最後は元本償還で終わりという普通の債券
とは別物の性格も持ちます。それを分解して
作ったモーゲージ派生債券はさらに不思議
な性格を持ち、なんじゃこりゃ?みたいな
不思議なもので、面白いですよ。でもその奥
深くで米国住宅市場のグラフで見た現象の
影響を受けるので、そこがたまらなく面白い。
映画にもなりえます。
似た感じの欧風建築だなぁ、と思っていたら…なるほど!です。
うちも台風で屋根の一部をやられました。
昔ながらの家屋なので、瓦の葺き方も昔風ですから、
引き受けてくれる職人さんが見付かった時はホッとしました。
めいさんのお宅も屋根がやられちゃったので
すね。暴風では致し方ないです。日本中
あちこちで屋根材が飛びました。それだけ
じゃなく屋根そのものが飛ばされたお宅も
多いですね。
ブレイスさんは私の山荘、自宅だけじゃなく
八ヶ岳山麓の別荘地にあった私の両親の家
も建ててくれました。私はブレイスさんと
3回施工契約を締結したのです。ブレイス
さんはどんなスタイルの家でも作ります。
全く異なるスタイルもありですよ。
施主が望むスタイルがどのようにでも。
ご紹介しましょうか?(笑)
グラフで目で確認しながら読むと
理解しやすいものなんですね!
そのようなお仕事をされてるのですね。
これからという時の価格上場、イヤですねー。
何に対しても綺麗を保つのがすごいです。
メンテナンスは大事ですね。
米国住宅市場に慣れておられる方なら
文章も不要かもしれませんね。グラフだけ
出せばそれでよく意味がわかるかもしれま
せん。もっと慣れてる人達だと、過去の数値も
頭に入ってるから、グラフも不要に(笑)
ブログ書かなくてもいいな?? 爆
屋根あるいはその裏側の軒は、住宅にとって
とても重要な役割を果たしているので、
気を遣いますね。でも、普段自分では些細に
見るのが難しいという高さ。見える部分も
ありますが見えないところもあり、
見えるとしても遠い。足場を使わないなら
これこそドローンの力が発揮されますね。
屋根チェック用簡易ドローンなんて出るとい
いですね。最初からみたい場所は決まっている
ので、自宅の位置をGPS機能を使い事前に
入力し、何も操作せずに10秒ほど自宅屋根上を
周り撮影し、勝手に戻って来る。操作不要。
かんたん。