「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

西武七里ガ浜住宅地の住民協定(6)

2008-04-24 18:49:57 | 環境・土地

画像は当住宅地内にある遊歩道である。「緑のプロムナード」という公式名称が与えられている。クルマは侵入禁止である。当住宅地の道路は悲しいくらいほとんど直線ばかりで設計されていて、この遊歩道もその例外ではない。しかしクルマが侵入禁止のわりには道幅がそれなりにあり、両側に植栽を設け、その植栽部分と歩道ブロックの部分とが曲線で仕切られている。おそらく当住宅地内で、最も豊かに見える景観を提供している所ではないだろうか。

豊かに見える理由は簡単である。私がこの「西武七里ガ浜住宅地の住民協定」で嘆いて見せた様々な事象の、おおよそ反対のことがここに集約されているからである。まず、この遊歩道に沿って土地区画の分割が見られない。分割しようにも、非常に難しいのである。なにせ区画の遊歩道側はクルマ侵入が不可であり、反対側の道路からのクルマの侵入は、分割した場合非常に難しくなるからだ。またクルマが侵入禁止であるからして、「スーパーの駐車場状態」とも描写される、クルマの一部と通路だけが見えるコンクリートで固められた風景はない。あるのは豊かな植栽と、人間が歩いてそれぞれの敷地に入る小さな出入口だけだ。大小様々な樹種が植えられ、それもよく手入れされて人々の目を楽しませてくれる。その合間合間に小さな門扉が、一定の距離を置いて見えるのである。

誰もがこの遊歩道をニコニコして通る。この静かな住宅地で、遊歩道は週末ともなれば絶えず人が往き来する。なぜだろうか。すべては環境、景観が人を呼んでいるのだろうと私は考える。

今年度自治会から協定について説明があるという。有意義な話であって欲しい。協定は「最低限これだけは」という住民の守るべきルールである。「個別の事情を斟酌して協定違反すら容認する」などということであって欲しくないと思う。出来ることなら、図々しい人達が協定違反することが無いよう、法律に順ずる地区計画を定めて欲しい。

協定の存在について説明を省略した、あるいはそれを無視した不動産業者や工務店と契約したため、協定の条件を満たさない土地建物を購入してすでに当住宅地に住んでいる人にとって、これまでの私の主張は不愉快な部分を含むかもしれない。実は私も、以前住んでいた住宅地で同じ経験を持つのだ。

昔々の話である。私はある住宅地に土地を買って家を建てたが、その家はその住宅地にあった協定の基準を満たさないものだった。うかつにも、そのことを私は家を建てた後で知った。さらにその後、不安定な協定を止めて法律に順ずる地区計画をその住宅地でも制定しようということになった。私は自分の家がその地区計画の基準を満たさないものの、その制定には同意した。地区計画は、制定以後は基準を満たさない建築や土地の分割を認めないが、制定以前のものについてはあるがままの状態でそのまま認める、というものであったからだ。また地区計画は住宅地の環境保全にも役に立つと思われたからでもある。こうして協定の基準を満たさなかった家に住む私も、地区計画を受け入れ、その住宅地で長年協定を遵守して来た周囲の住民の皆さんの環境保全の努力の結果から、恩恵を十分に受けるようになったのである。

さて、当住宅地の住民の皆さんはどうお考えなのだろうか。「環境などどうでも良いことだ」とは誰も思っていないだろう。もしそうであるならば、是非住民全員で当住宅地の今後の環境の劣化の防止、出来ることならその向上に力を合わせたいものである。
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4 コメント

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住民協定 (七里ヶ浜N)
2008-06-24 10:13:44
全く同感です、古い話ですが(3年前です)以前住んでいた世田谷某所のNHK跡地に突如100棟を越すマンション計画が持ち上がりました、崖地を利用した地上3階地下1階(崖下から見れば4階建て)住民の反対運動は当然のように起きました。そこで大手ディベロッパーに対抗すべく色々調べましたが全て彼らに有利に法律は変わっていました。日照権、眺望権、環境権全てわが日本では確立していないことを知り愕然としました。ならば地区計画をと当時鎌倉の土地探しを依頼していたコンサルタントに概要を聞き、住民に説明しましたが狭小に分割しない、高さ制限を独自に設けたいなどは資産価値が下がるのを恐れる人たちが半分はいました、欧米とは全く反対の考えでした。自分たちの町の環境を守ることが資産価値を維持するとの考えが徹底していましたね。

東2丁目に新築中の家屋上が有りますね、設計管理は地元の某事務所なのに・・・・
せめてもの慰めは各戸緑化が進んでいるので散歩して庭を眺めるのが楽しみです。
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Unknown (管理人)
2008-06-24 19:20:09
東2丁目の家は、自治会だよりに出ていたもの
でしょうか。業者と話し合い、業者も以後
考慮するとのことだった、と書いてありましたが。
今後に期待です。

住宅地内に事務所を構え、住宅地内で仕事を
請け負う業者が、その住宅地の協定を無視する
のはいただけません。社会正義に反します(大げさ
ですが)。明文化されたものを無視するなら、
いったい何を信じればいいのでしょう。
返信する
屋上をつける (七里ヶ浜N)
2008-06-25 22:36:54
テニス通りに面しています。自治会便りの物件かどうかは分かりませんが。屋上付けたい気持ちは分かりますが、上がって海を眺めることって年に何回も無いのにね!(花火も眺められる?)日本の新興住宅地デザインがてんでんバラバラ何とかなりませんかね。
オレンジのスペイン瓦、白い外壁が並ぶサンタバーバラはため息が出るほど素敵なのに、無理ですかね力の無い建築家に限って派手な建物を作りたがるようですね。施主側にも問題ありですか?
自治会で思い出しましたが電力線の地中化も是非実現したいですね。
返信する
Unknown (管理人)
2008-06-25 23:10:42
テニス通り。わかりました。
Tさんが建築中のサイディングの家ですね。

建築家の多くは自己主張が強いですね。
普通ではダメだと思うようです。
そうです、半分ないしはそれ以上に施主の責任
です。施主が希望することはなんでも通りますから。
施主が希望するからわけわからんデザインの
家が出来るし、あるいは、施主が何も主張しない
から建築家の自己主張が強い家が出来るのだと
思っています。

新興住宅街だけではなく、田舎も同じです。
昔からの日本の伝統的デザインの家に
大手ハウスメーカーの家が入り混じり、
ごちゃごちゃになって来ました。
もはや都市郊外にふさわしい典型的住宅
デザインってのが無いのではないでしょうか。

屋上は私も同感です。協定破ってそんなもん
作って、どれだけ海を見るのって感じです。
我が住宅街の中の家の屋上からちょっと
のぞき見るよりは、国道の向かいの駐車場に
でも行って存分に海を見た方がいいです(見た
ければの話ですが)。

でも屋上作りは協定破りだが、まだ軽い方だと
思っています。ほとんどの場合、単に住宅の
デザインの問題なので(中には家を覗かれる
と切実な被害を感じておられる自治会員も
いるようですが)。そしてデザインは先述の
ように、すでにもう住宅地内でバラバラなので。
返信する

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