思うことを。
自分自身、いろいろと考えることがある。今の現状に対して。このままでいいのか。何かが変わらなければいけないのではないか。そう思いながら生活している。モヤモヤが頭の中にずっとある感じ。だからとって現状を打破するために何をすればいいのか見えてはこない。
ハードルのインターバルをどうするか。別に24時間競技のことを考えているわけではない。ふと考えただけ。実際に選手が11.5mで5歩で走っている。これがどうなのか。150mHの時には11.5mで実施すると届かなくなるので11mに戻した。それでも9台目や10台目は厳しい。
こんな時に人はどう考えるのだろうか。「距離を決めた」のでその距離で押し通す人もいるだろう。押し通すというか「他の人がやっているからこの距離」という感覚でやる人もいるのかなと思う。これを10mで実施する人もいるだろう。何故10mなのかは分からない。そこに「意図」があるのかどうか。ここは重要。
冬に入ってかなりハードルを跳ぶようになった。シーズン中はほとんどやっていない。選手から「跳びたい」という申し出は何度かあったが「分かった」と返事をして「今日は走ろう」という回答をする。技術的な練習をしたくなる。誰もそうだと思う。しかし、その前段階でやるべきことがある。ハードリングが上手くても走れなければ勝負にならない。ここが「競技」なのか「楽しさ」なのかかもしれない。「ハードルを跳ぶのが好き」という選手にとっては「速く走ることよりもハードルのレースに出ることが好き」という部分のほうが大きいのかもしれない。一応確認をすると「速くなりたい」ということなので説明をして跳ばなかった。
秋には土の上で8mで3歩が届かなかったので7.5mくらいで実施していた。シーズン後半には何とか8台目くらいまではレースで3歩で走れるようになった。8mで3歩で届くようになっている感じはあった。が、冬季練習で3歩で走る意味はそれほど大きくないかなと思っているのでひたすら5歩で走っている。3歩で8mなので5歩だと11mくらいかなという感じで11m設定。この距離でしっかりと走れれば「8.5mを3歩」というのは苦にはならないと思う。余裕が出てきたので11.5mに伸ばした。
前の記事にも書いたのだが、60mの距離であればこれでも届く。しかし、150mになると届かなくなる。スピードレベルが落ちてくるからという当たり前の理由。ハードルを低くしているので「遠くから遠く」というのができれば可能なのかもしれないが厳しいので11mに戻した。
このことについて「どうかな」と思うところがあったので親しい指導者に連絡を取ってみた。私が以前渡した資料に「5歩11m05」と書いているようだった(笑)。これはヨンパの走りをする中で設定した距離。歩数によってストライドが違ってくるのでハードルインターバルを17歩で走るのであればその時のストライドは「1.8m」になる。そこから計算していくことで「12m25」くらいが適切なストライドになる。もちろん、土の上なのでずいぶん変わってくるとは思うが。19歩で走る選手であればストライドは「1.6m」となるので5歩ハードルは「11.05m」くらいになる。タータンの上での感覚なのでうちのグランドで走るときにはもっと詰める方がいいと思う。
17歩で「1.8m」、19歩で「1.6m」とたった20cmの差でしかない。しかし、これを5歩にすると「1m」になる。だから適切な5歩ハードルのインターバルも1m近く変わってくる。スピードが上がれば踏切位置も遠くなるのでそれも含めて「計算上の値」はある程度変わってくる。単純に「5歩ハードル」といってもヨンパのための「5歩ハードル」は細かい部分がちがう。
ある選手にとって適切なハードルインターバルであっても別の選手には適切ではない。長すぎたり狭すぎたりする。これは100mHでは起きない現象になる。基本8.5mを3歩という制約があるので距離設定を変更する必要性はない。ヨンパはそれぞれによって歩数が違う。歩数が違えば適切なハードルインターバルも違う。ここは重要なのではないかと思っている。
正直、この手の話に興味をもって対応してくれる人は皆無に近い。だから「興味関心」がある親しい指導者にしか相談しない。「そんなことどうでもいい」と思う人が大半だから。
知らない人は棒高跳びのポールの長さや硬さが違っているというはどうでもいい。棒を使って跳んでいるというだけしか分からないから。自分の力にあったポールを使わなければ競技にならないというのは「素人」にはわからない。しかし、突き詰めていくと「この高さを跳ぶには」という話になる。「ポールが立たない」から「もっと柔らかいものにする」とかいっても大半の人はわからない。だからこんな話はしない。多分、ポールの指導者が集まったらこのあたりの話が「日常会話」なのだと思う。マニアックな人にしか分からない世界がある。
話を戻す。ハードルインターバルをどれくらいに設定するか。基本自分で考えているそれぞれの距離がある。が、目の前で見ていて「無理だな」と思うときには即座に縮める。意味がないから。単純に走れば良いというわけではなく「何故その練習をするのか」が重要になる。「刻む意識で走る」という指導がある。が、それは「ある一定以上の競技力がある」というのが前提。大半の選手は刻むどころか「届かない」のだから。トップ選手の感覚は普通の選手には当てはまらない。インターバルを詰めて速く動くことだけができてもそれはレースに直結しない。
普通に走れる距離を設定しておいて少しずつ伸ばす。そこは大きいかなと。指導するときに話をするが「まずはインターバルを走る」ことが大切。バウンディングのようになって大きくなりすぎると間違いなく遅くなる。行けるところまで3歩で行ってそこから切り替えるというのも一つの戦略かもしれないがそれなら4歩で走った方が速いかもしれない。教科書的な指導というのがどのようなものか分からないが、選手にはあった動きをさせるというのは必要だと考えている。
そういえばかなり前に陸上の専門誌にkrk君のが私の名前を挙げてくれていた。kd先生がありとあらゆる部分で指導されたからこそ彼は大きく羽ばたいた。kd先生と出会っていなければどんなことになっていないたのか(笑)。その中で少しでも役に立てたのであれば良かったなと思う。なかなかスーパーな選手に関わることはできないので貴重な経験だった。が、彼と同じことを他の選手に求めるのは無意味だと思う。色々なことが違う。krk君ができていたから他の選手もこれができたら速くなるなんてことはない。もっと基本的な部分。そこを詰めていく必要がある。
なんとなくそんなことが頭の中に浮かんできた。興味のない人には一切面白くない話。競技指導に関して色々とやりとりできる指導者とはこの辺りで話ができるから楽しい。ハードルに関してあれこれ考える。別にずっと考えているわけではない。ふと考えただけ。
考えていきたい。それだけ。