続き。やっと最後の所まで来ました。真面目に書こうと思うと時間が足りません。難しい。
最終日の午後、これは例年セミナーパークの裏側の坂道に行っています。比較的長い距離が取れるし幅も広いので。この日は平日ということもありほとんど人がいませんでした。補強者に迷惑をかけずに済むのであればそのほうがいいですから。このタイミングで長距離も合宿をしていました。朝の時点で足が痛いという選手がいて「様子を見てほしい」という依頼があったので食事をしてから長距離の午後練習が始まるまでの時間をケアの時間にしました。このタイミングでkida先生から電話もあったので話をしながら治療へ。
最終日なので16時には終わるように設定しています。帰りの電車のこともあるので。13時練習開始。これはなかなかタイトだと思います。昼食が結構重かったので選手の様子は心配でしたが。アップに関してはまた別の指導者に任せることに。こういう形のほうが「みんなでやっている合宿」という意識が指導者のほうにも持ちやすいかなと思います。私だけで指導をしてもいいのですが、「kanekoに任せておけばいい」という流れから「全員で選手を育てよう」という意識になるほうが長い目で見た時にプラスになると思います。
昨年のことを完全に忘れています。本数とかも含めて。スパイクを履いて動き始めるくらいまでは電話をしていたので細かい部分まで考えられませんでした(笑)。補強などで体を温めてもらったのであとは動けばいいかなと。最長で150mくらいの距離があります。伸ばそうと思えばもっと伸ばせるのですが、安全面と気持ちの維持の部分で難しくなるので適度な距離で。この距離をアバウトですが「60m・90m・120m・150m」に分けました。本当に適当に距離設定をしているので正しいかどうかは分かりません。ここでは「距離」はそれほど大きなファクターではないと思っています。距離は適当でもいい。競争して走り続けることが重要。一人で走るのは難しいので常に競争をしながら。今回の合宿のテーマだったと思います。
最初はアップを兼ねて「スキップ走」で。これも競争しながら。それぞれ1本ずつにしたと思います。とにかく元気を出せるかどうか。大きな声を出しながら全体を鼓舞するようにしてほしいと伝えています。やはり、女子は声が出ません。男子に比べて女子の人数のほうが少ないというのもありますが、やはり元気がない。うちの選手も同様でした。結局はここの部分ではないかと思っています。殻を破れない。だから「めちゃくちゃ伸びたね」という選手が出てこない。「想定の範囲内」にしかなりません。もっと大きな成長をするためにはやはり「殻を破る」という部分が必要になる。
スキップ走から走練習へ。少しの休憩時間に他校の選手がスパイクを履いたままアスファルトの上を歩いています。何をしているのかなと思ってみていると少し離れた建物のトイレを利用しようとしている感じでした。大声で呼び戻しました。トイレに行くことを注意しているわけではありません。スパイクを履いて建物に入ろうとしていることを注意しているのです。通常考えたらわかると思います。グランドで練習をしていてそのまま校舎に入ることはありえません。それなのに普通に建物に入ろうとしている。ここまで話をしないといけないのか。注意して呼び戻すと今度は別の建物に入ろうとしています。この建物は「一般人は立ち入り禁止」の建物です。練習が始まる前にその旨伝えています。それなのに入るのか・・・。練習をするとかいう前の段階を越えていかなければいけません。
走練習。「60m・90m・120m・150m」をそれぞれ3本ずつ。勝ち上がりの形で実施。より上のグループで走ることを目標にしてもらいたいなと思っていました。男子はかなり高いレベルでの練習になります。少し気を抜けば下のグループに落ちる。その状況を楽しみながら練習をしてくれている様子でした。私自身がどうこうではなく「選手自身が雰囲気を作る」ということができていたと思います。その反面、女子はほとんどの選手が下を向きながらやっている。ここですね。私は普段からめちゃくちゃハードな練習を求めているわけではありません。時と場合によって求めることは違います。女子はリーダーやムードメーカーが不在の状況。誰かが引っ張っていくという感じが必要なのですがそれがありませんでした。これは今シーズンを象徴しているのかもしれないですね。
うちの女子選手、ショートスプリンターですがこの合宿では積極的に前で走っていました。性格的に大きな声で引っ張っていくということが苦手。だからこそ「走る」ほうで全体を引っ張る。今回は男子のグループに上がってさらに上のグループに上がっていくという感じがありました。上がって終わりではなくさらに上にという感覚。日誌などを見ても目標意識が高い。こちらが求めることは最低限という感じです。この姿を見て周囲が何を感じるか。一緒に走ることで様々なことを感じるはずですが、自分たちの学校だけで走っているチームも。勿体ないなと思いますね。
うちの3年生も走っていましたがそれなりに・・・という感じでしょうか。力はあると思いますが。すべてでチェックしているわけではありませんが2年生の選手に1本も勝てなかったのではないかなと思います。もっといえば「勝ってやろう」という姿勢が足りない。何が何でもという気迫を持てないから最後の一押しが効かないのだと思います。勿体ない。2年生が走れているというのはありますが、そこに対して「勝てないから」という感覚で取り組んでいないか。結局は勝負です。そこの感覚を持てるかどうか。
ある程度走ってスピードレベルが落ちてきたので少し休んで「90m×3ー60m×3」を。最大スピードで維持できる距離です。この距離になると「走り切れる」という感覚になるのでスピード維持ができます。まずまずかなと。見ていて競争もできていました。本来は距離が伸びてもそのスピード感覚でやってもらいたいなと思う部分です。女子も距離が短くなるとそれなりにやることができます。本当はどの距離でもやるべきなのですが。
最後に150mの「勝ち残り走」を。昨年度も実施しました。負けたら次から走れないという練習。これは「走らなくてラッキー」と思うか「残れなかった」と思うかで全く意味が違ってきます。「負ける」ことに慣れている選手や「勝ちたい」という思いが小さい選手は走らないほうが疲れなくていいので早く脱落したいと思います。最後に6~7人を残す形なります。トップ選手も本数を考えて力の配分をしていきます。普段なら最後尾を走っている選手でも他の選手が「余力を残す」という走りをしている状況下では「逆転」もあり得ます。先のことを考えて余力を残しすぎると負けてしまう場合もある。ここは難しい判断です。1本だけでも多く走ろうと思えばどうすればいいか。その組で最後の1人にならなければいいだけです。
見ているとある程度の逆転があった気がします。うちの女子、1人だけ6本目で落ちました。実力的にはもっと上で走らないといけない選手です。自分自身の自覚もあると思います。苦しくなってきたときに「もういいや」と思う部分がある。何が何でもとがむしゃらにあがいて上を目指すという姿勢が圧倒的に足りません。それが結果に直結しています。「走力」だけではない。「絶対に強くなってやろう」という気迫が出てくれば落ちそうになった時に足掻くことはできます。見ていてその様子は全くありませんでした。殻を破る。これができない限りは持っている能力を最大限に引き出すことはできないと思います。
7本目。男子は400m47秒台の選手がトップ、2位は200mで中国新人に出場した選手でした。ある程度のレベルです。2位だった選手が「追いかけても届かなった。別格。」と口にしていました。悔しいと思います。ガチンコ勝負をして負ける。そこから学ぶことはあると思います。中途半端な取り組みをするのではなく出し切って負けたということは完全に「力不足」ということですから。それを感じて次に勝負するときまでにどうするかです。女子はうちの2年生がトップ。ちょっと力の差がありすぎました。2位は3年生の100mH の選手。これは苦手な練習ですがやり切ったという感じです。こういう部分は評価できます。大阪室内に向けて怪我無く練習を積んでいってもらいたいですね。
3日間の合宿終了。最後に勝ち上がり走の上位3人には景品を渡して今シーズンの目標を口にしてもらいました。他の選手にもエネルギー補給用のゼリーとカルシウムと鉄のウエハース。栄養学で学んだことを生かしています。意識づけ問いして必要なことではないかなと。やりたいことはできました。残念なのは「全員が殻を破ることができなかった」ことでしょうか。難しいことだとは思います。もっと工夫をすれば違った結果になったかもしれません。しかし、結局は「本人が望むかどうか」です。チャンスや刺激を与え続けていますがやるかどうかは本人たち次第。我々にできることは限られています。
他の指導者がどう感じたか。これは気になりますが。選手にとってこの合宿がプラスに働けばいいなと思います。長々と書きました。お許しください。