音楽千夜一夜 第478回
1933年生まれのプフランスの名指揮者ミシェル・プラッソンが、彼の手兵トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団を指揮して録音したフレンチオペラを何気なく聞き始めて半年、今やコロナ退治になくてはならないコレクションになりました。
収録されているのはビゼーの「カルメン」、「真珠採り」、ドリーヴの「ラクメ」、グノーの「ファウスト」「ミレイユ」「ロメオとジュリエット」、マニャールの「ゲルクール」、マスネの「ドン・キホーテ」、「エロデイアード」「マノン」、オッフェンバックの「美しきイレーヌ」「地獄のオルフェ」「ラ・ペリコール」、「パリの生活」、ルーセルの「パドマーヴァティ」という、全部で15のオペラあるいはオペラブッフの全曲で、中には題名すら知らなかった曲もありましたが、ともかく無類に楽しい演奏ばかりなのです。
私はこれまでオペラ関連のボックスCDでは、DGのカラヤン、EMIのカラス、ベームのバイロイトとデッカのショルテイのワーグナーを4本指に屈して愛聴してきましたが、この5番目のコンピレーションは、それらと同等、あるいはもしかすると、それらを凌ぐ珠玉のような世紀の名演奏といえるでありませう。
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コロナからの贈り物かも知れないね飛行機雲がない青い空 蝶人