ハローワーク① 仕事探しに多様なメニュー
「しんぶん赤旗」日曜版に、ハローワークの活用について連載がはじまりました。
「派遣切り」、正社員でもリストラ、内定取り消しなど、雇用情勢は悪化しています。その中で、公的サービスである「ハローワーク」を徹底的に活用しようという企画です。
仕事探しに多様なメニュー
いま、企業の「派遣切り」や「雇い止め」が横行する中で、多くの労働者が職を失い、社宅や寮などを追われて住居まで失っている人も少なくありません。厳しい雇用情勢のなか、多くの方が仕事探しを余儀なくされています。ハローワーク(公共職業安定所)を利用される方もたくさんいらっしゃると思います。仕事を探すときに知っておきたいポイントを連載で紹介していきます。
日本国憲法は第27条で「勤労の権利」を規定しています。労働者は、仕事に就いて賃金を得ないことには生活できませんので、非常に重要な権利といえます。
この権利を保障するため、雇用対策法が定められ、国の責任として職業紹介を行うことを規定しています。そして職業安定法では、ハローワークが行う業務について定めています。
このように、ハローワークは憲法が保障する勤労権を具体化する国の機関です。
全国どこでも
全国には約450カ所のハローワークがあり、さらに100を超える出張所などが置かれています。全国どこでも、誰でも、無料で利用できます。
ハローワークのサービスメニューは多岐にわたります。まず、仕事の相談や職業紹介です。現在は、多くのハローワークで求人検索用のパソコンが設置されていて、みずから希望する条件を入力して求人情報を自由に閲覧できます。「機械が苦手」という方でも、担当職員と相談することができます。
次に雇用(失業)保険の各種手続きです。会社から必要な書類が届かない、雇用保険加入の手続きをしてもらえなかった、などの場合でも相談でき、企業への指導も行います。未経験の職業に就くための職業訓練の受講に関する手続きも行っています。
昨年末からは、派遣切りなどで住居も失った人に対し、賃貸住宅の入居費や家賃・生活費を融資したり、雇用促進住宅の入居あっせんも行っています。
失業防止や雇用促進のための企業助成などもハローワークの仕事です。
現在の厳しい雇用情勢のもと、失業という事態に直面している方は相当な数にのぼります(総務省の発表した1月の完全失業者数は277万人)。仕事を探す手段は、自治体の窓口や民間の職業紹介機関をはじめ、縁故や求人情報誌などたくさんあります。とはいえ、これだけ多様なメニューがそろうところはほかにありません。
たとえぱ、民間の職業紹介は、対象となる求人や求職者を限定的に扱うことが一般的です。(高い技能を持ち、給料も高い層を対象としたり、逆に製造現場を専門的に取り扱ったり)
求人情報誌や折り込みチラシなどは、紙面に限りがあるため情報が限定的にならざるを得ません。
縁故は安心なようですが、労働条件が不明確になりがちで、採用後に問題があっても物が言いにくいことも考えられます。
ハローワークを上手に利用していきましょう。次回は最近のハローワークの変化をとりあげます。
【雇用問題研究者 谷川清】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/62/98e032b5d3f7e7a5f7d0e545bb594725.jpg)
【しんぶん赤旗日曜版 2009年3月15日付けより転載】
「しんぶん赤旗」日曜版に、ハローワークの活用について連載がはじまりました。
「派遣切り」、正社員でもリストラ、内定取り消しなど、雇用情勢は悪化しています。その中で、公的サービスである「ハローワーク」を徹底的に活用しようという企画です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/69/7b69e9bc9cf2fc7b759ea96bcdd72d5e.jpg)
いま、企業の「派遣切り」や「雇い止め」が横行する中で、多くの労働者が職を失い、社宅や寮などを追われて住居まで失っている人も少なくありません。厳しい雇用情勢のなか、多くの方が仕事探しを余儀なくされています。ハローワーク(公共職業安定所)を利用される方もたくさんいらっしゃると思います。仕事を探すときに知っておきたいポイントを連載で紹介していきます。
日本国憲法は第27条で「勤労の権利」を規定しています。労働者は、仕事に就いて賃金を得ないことには生活できませんので、非常に重要な権利といえます。
この権利を保障するため、雇用対策法が定められ、国の責任として職業紹介を行うことを規定しています。そして職業安定法では、ハローワークが行う業務について定めています。
このように、ハローワークは憲法が保障する勤労権を具体化する国の機関です。
全国どこでも
全国には約450カ所のハローワークがあり、さらに100を超える出張所などが置かれています。全国どこでも、誰でも、無料で利用できます。
ハローワークのサービスメニューは多岐にわたります。まず、仕事の相談や職業紹介です。現在は、多くのハローワークで求人検索用のパソコンが設置されていて、みずから希望する条件を入力して求人情報を自由に閲覧できます。「機械が苦手」という方でも、担当職員と相談することができます。
次に雇用(失業)保険の各種手続きです。会社から必要な書類が届かない、雇用保険加入の手続きをしてもらえなかった、などの場合でも相談でき、企業への指導も行います。未経験の職業に就くための職業訓練の受講に関する手続きも行っています。
昨年末からは、派遣切りなどで住居も失った人に対し、賃貸住宅の入居費や家賃・生活費を融資したり、雇用促進住宅の入居あっせんも行っています。
失業防止や雇用促進のための企業助成などもハローワークの仕事です。
現在の厳しい雇用情勢のもと、失業という事態に直面している方は相当な数にのぼります(総務省の発表した1月の完全失業者数は277万人)。仕事を探す手段は、自治体の窓口や民間の職業紹介機関をはじめ、縁故や求人情報誌などたくさんあります。とはいえ、これだけ多様なメニューがそろうところはほかにありません。
たとえぱ、民間の職業紹介は、対象となる求人や求職者を限定的に扱うことが一般的です。(高い技能を持ち、給料も高い層を対象としたり、逆に製造現場を専門的に取り扱ったり)
求人情報誌や折り込みチラシなどは、紙面に限りがあるため情報が限定的にならざるを得ません。
縁故は安心なようですが、労働条件が不明確になりがちで、採用後に問題があっても物が言いにくいことも考えられます。
ハローワークを上手に利用していきましょう。次回は最近のハローワークの変化をとりあげます。
【雇用問題研究者 谷川清】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/62/98e032b5d3f7e7a5f7d0e545bb594725.jpg)
【しんぶん赤旗日曜版 2009年3月15日付けより転載】