きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

海の環境汚染の度合いが、海岸に流れ着く漂流物(ブラスチック・ペレット)で分かるらしい!

2009-12-09 21:00:01 | 環境問題・気候変動・地球温暖化について
海の環境汚染の度合いが、海岸に流れ着く漂流物(プラスチック・ペレット)、つまりプラスチック製の小さな粒子を調べることで分かるらしい!

 世界各地の海岸に漂着した小さなプラスチックの粒を集め、PCB(ポリ塩化ビフェニル)やDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)など残留性の有機化合物による海洋汚染を明らかにする研究が進められています。
 現在は使用禁止になったり、使用が制限されているこれらの物質が過去に多く使われた地域の海をいまも高濃度で汚染し、一部の地域ではまだ使われ続けている実態を浮かび上がらせました。(間宮利夫)



プラスチック粒を分析したら
 この研究は、「インターナショナル・ペレット・ウォッチ」といいます。東京農工大学の高田秀重教授たちの研究チームが2005年、インターネットや学術雑誌を通じて世界中の人々に、砂浜などに打ち上げられた直径数ミリメートルのプラスチックの粒(レジンペレット)を拾い、送ってほしいと呼びかけました。
 世界各地で採集レジンペレットはさまざまな有機化合物を吸着する性質を持ちます。高田さんたちは、レジンペレットが、海水に含まれているPCBやDDTを吸着するだけでなく、濃縮していることを世界で初めて明らかにしました。
 これまでに、南極を除くすべての大陸にある28の国と地域からレジンペレットが送られてきました。採集された地点は約100カ所です。それらを分析した結果、PCBやDDTなど残留性有機汚染物質(POPs)による、世界の海の汚染の様子がわかってきました。




 PCBの汚染マップ(図)は米国の海岸に高い値の地点が多く、日本やヨーロッパの海岸にも高い値を示す地点が多く見られることを示しています。インドの1地点を除き、東南アジアやアフリカ、オーストラリア、南米は比較的低い値となっていました。
 かつて、PCBは米国や日本、ヨーロッパの各国でさかんに使われました。特に米国は世界の約半分を使ったといいます。一方、東南アジアなどでは経済の発展が1980年代以後だったため、それほど使われませんでした。分析結果は、こうした使用状況を反映したものとみられています。
 殺虫剤のDDT(分解産物を含む)は、PCBの場合と異なり、東南アジアで濃度が高い地点がめだちました。世界保健機関(WHO)によると、東南アジアではマラリアの病原体(マラリア原虫)を媒介するカを駆除するため、いまもDDTが限定的に使われているといいます。




長期監視に適用
 アフリカ南部に位置する南アフリカとモザンビークから送られてきたレジンペレットからは、ほかの地点からはほとんど検出されない殺虫剤のHCH(ヘキサクロロシクロヘキサン、BHC=ベンゼンヘキサクロライドともいう)が高濃度で検出されました。これらの国々での使用に関する情報はありませんが、いまも使われている可能性が高いとみられます。
 高田さんは、「レジンペレットは水や底泥、生物と違い、世界中、どこからでも簡単に送ってもらえる点で、世界の海洋汚染のモニタリングに向いている。ほかの物質も含め、長期的な変動の監視に使っていきたい」と話しています。
(写真と図は高田さん提供)


【レジンペレット】
ポリエチレンやポリプロピレンなどプラスチック製品の原料。製造や輸送、使用などにかかわるさまざまな現場から環境中に放出され海へ流れ出しています。最終的にたどり着く場所の一つが海岸で、それ自体、砂浜などを汚す元凶です。

【残留性有機汚染物質(POPs)】
分解しにくく生物によって濃縮され、人間や生態系に有害な有機物のこと。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約は、PCBを製造・使用の原則禁止、DDTを製造・使用の原則制限、HCHを排出削減対象物質に指定しています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2009年12月6日付


今年の夏に、「鳴き砂」で有名な、京都・丹後半島の琴引浜に行って来て、そこでも砂浜を汚染から守る粘り強い取り組みを見てきました。
03_琴引浜・遊区_04
03_琴引浜・遊区_04

04_琴引浜・掛津区_02
04_琴引浜・掛津区_02

04_琴引浜・掛津区の砂_03
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05_琴引浜への漂流物_01
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05_琴引浜への漂流物_02
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05_琴引浜への漂流物_03
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05_琴引浜への漂流物_04
05_琴引浜への漂流物_04

それだけに、海の環境そのものを守ることの重要性を実感しました。
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