熱中症にご用心!
30度超の時間倍増 高齢者に配慮を
各地で熱中症により救急搬送される人が急増しています。例年より厳しい暑さが予想されているこの夏。専門家は、熱中症への対処でとくに高齢者への働きかけが重要だと強調しています。(西口友紀恵)
厚生労働省の「熱中症対策に関する検討会」(19日)で、気象業務支援センターの村山貢司さん(気象予報士)は、「温暖化と都市化の影響で、大都市とその周辺の夏は昔に比べ非常に高温になっている。熱帯夜、真夏日が増加し気温が30度以上の時間数はこの30年で2倍にも。朝夕も暑いのが特徴だ」と指摘。気温がいったん下がった地域では再び上昇したとき、とくに注意が必要と話しました。
★持病ある人
熱中症を発症しやすい人は高齢者、高血圧、糖尿病などの基礎疾患をもつ人、多種類の薬をのんでいる人などとされます。
日本救急医学会「熱中症に関する委員会」が全国の救命救急センターなど94施設から登録された熱中症患者1780例(2010年)を分析した結果、高齢者ほど来院時に重症の割合が多く、女性は70、80代の発症が多いことが分かりました。
★外より屋内
同委員会の三宅康史委員長(昭和大学医学部准教授)は「高齢者ほど日常生活での発症が増え、屋外より屋内の発症が多い。エアコンがあっても使わない、あるいはエアコンがない高齢者で重症例が多い」と話します。
東京都の熱中症患者がどこで発症したかをみた調査(2010年)でもっとも多いのが住宅で41%。その内訳を年齢別でみると65歳以上が72%を占めました。
●住宅内における熱中症患者の冷房使用状況
●住宅内での熱中症の発生場所
★集合住宅で
慶応大学の伊香賀俊治教授は、日中だけでなく、日没後も部屋に熱がこもりやすい集合住宅で熱中症を起こす危険性が高い実態を報告しています。
昨年7月、千葉県松戸市の鉄筋コンクリート建て集合住宅の最上階で、ベランダの外と部屋の中の温度を計測。朝9時に室外で33度、天井32・4度ですが、夜9時に室外が26度になっても室内は33・4度。ほぼ下がらないまま朝まで続きました。
「鉄筋コンクリートは熱をためこむ性質があるため断熱が不十分な場合、最上階の天井面は夜も外気温より高いまま推移し、熱中症発症のリスクが上昇する」と同教授。室内で熱中症になった場所では「居間・リビング」(39%)につづき「寝室・就寝中」(32%)であることに警鐘を鳴らしています。
★水分とって
三宅准教授は、▽高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくい▽体温調節の機能も低下し、体温が上がりやすいなどの身体的な特性があると指摘。こまめな水分補給と、室温28度を目安に冷房を適切に使うなどの対策を呼びかけています。
★寝室に注意
三宅氏は、とくに都市部の団地や集合住宅、アパートなどの独居高齢者、高齢者世帯には周りが気を配る大切さを強調します。
「高齢者の場合、昼も夜も暑い状態が続くとそれが誘因になって脱水と持病の悪化をきたすので早めに体調の変化に気づくことが大切です。家族は離れていても電話などで昼間過ごす部屋だけでなく、夜寝る部屋の温度・湿度を聞き、エアコンなどを適切に使うよう繰り返し話してほしい。町内会や民生委員、自治体、介護関係者など社会全体で見守る対策が必要だ」と話します。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年7月25日付掲載
働く世代の人は日中は職場にいて、たいていエアコンが入っているので熱中症にはなりにくい。
高齢者の方、特に出歩かない場合は、一日中室内にいるわけでできるだけエアコンを使おうとしないと思います。電気代がかかりますから・・・。
するとどうしても熱中症にかかりやすくなるのでしょうね。
都会の場合は日が暮れても「山風」のような涼しい風が吹かない。夜もエアコンをかけないと暑くてたまらない。
なかなか暮らしにくくなっていますね。
30度超の時間倍増 高齢者に配慮を
各地で熱中症により救急搬送される人が急増しています。例年より厳しい暑さが予想されているこの夏。専門家は、熱中症への対処でとくに高齢者への働きかけが重要だと強調しています。(西口友紀恵)
厚生労働省の「熱中症対策に関する検討会」(19日)で、気象業務支援センターの村山貢司さん(気象予報士)は、「温暖化と都市化の影響で、大都市とその周辺の夏は昔に比べ非常に高温になっている。熱帯夜、真夏日が増加し気温が30度以上の時間数はこの30年で2倍にも。朝夕も暑いのが特徴だ」と指摘。気温がいったん下がった地域では再び上昇したとき、とくに注意が必要と話しました。
★持病ある人
熱中症を発症しやすい人は高齢者、高血圧、糖尿病などの基礎疾患をもつ人、多種類の薬をのんでいる人などとされます。
日本救急医学会「熱中症に関する委員会」が全国の救命救急センターなど94施設から登録された熱中症患者1780例(2010年)を分析した結果、高齢者ほど来院時に重症の割合が多く、女性は70、80代の発症が多いことが分かりました。
★外より屋内
同委員会の三宅康史委員長(昭和大学医学部准教授)は「高齢者ほど日常生活での発症が増え、屋外より屋内の発症が多い。エアコンがあっても使わない、あるいはエアコンがない高齢者で重症例が多い」と話します。
東京都の熱中症患者がどこで発症したかをみた調査(2010年)でもっとも多いのが住宅で41%。その内訳を年齢別でみると65歳以上が72%を占めました。
●住宅内における熱中症患者の冷房使用状況
●住宅内での熱中症の発生場所
★集合住宅で
慶応大学の伊香賀俊治教授は、日中だけでなく、日没後も部屋に熱がこもりやすい集合住宅で熱中症を起こす危険性が高い実態を報告しています。
昨年7月、千葉県松戸市の鉄筋コンクリート建て集合住宅の最上階で、ベランダの外と部屋の中の温度を計測。朝9時に室外で33度、天井32・4度ですが、夜9時に室外が26度になっても室内は33・4度。ほぼ下がらないまま朝まで続きました。
「鉄筋コンクリートは熱をためこむ性質があるため断熱が不十分な場合、最上階の天井面は夜も外気温より高いまま推移し、熱中症発症のリスクが上昇する」と同教授。室内で熱中症になった場所では「居間・リビング」(39%)につづき「寝室・就寝中」(32%)であることに警鐘を鳴らしています。
★水分とって
三宅准教授は、▽高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくい▽体温調節の機能も低下し、体温が上がりやすいなどの身体的な特性があると指摘。こまめな水分補給と、室温28度を目安に冷房を適切に使うなどの対策を呼びかけています。
★寝室に注意
三宅氏は、とくに都市部の団地や集合住宅、アパートなどの独居高齢者、高齢者世帯には周りが気を配る大切さを強調します。
「高齢者の場合、昼も夜も暑い状態が続くとそれが誘因になって脱水と持病の悪化をきたすので早めに体調の変化に気づくことが大切です。家族は離れていても電話などで昼間過ごす部屋だけでなく、夜寝る部屋の温度・湿度を聞き、エアコンなどを適切に使うよう繰り返し話してほしい。町内会や民生委員、自治体、介護関係者など社会全体で見守る対策が必要だ」と話します。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年7月25日付掲載
働く世代の人は日中は職場にいて、たいていエアコンが入っているので熱中症にはなりにくい。
高齢者の方、特に出歩かない場合は、一日中室内にいるわけでできるだけエアコンを使おうとしないと思います。電気代がかかりますから・・・。
するとどうしても熱中症にかかりやすくなるのでしょうね。
都会の場合は日が暮れても「山風」のような涼しい風が吹かない。夜もエアコンをかけないと暑くてたまらない。
なかなか暮らしにくくなっていますね。