沈むアベノミクス② 社会保障 改悪次々「未来見えない」
社会保障制度の改悪が国民を絶望のふちに追いやっています。
石川県金沢市の特別養護老人ホームで暮らす中宮玉子さん(88)は、昨年8月から年80万6400円もの負担増を強いられました。安倍晋三政権が補助基準を改悪したため、食費・居住費が跳ね上がったのです。夫の中宮繁さん(80)は話します。
「同じ生活を送っているのに、どうして費用が倍以上になってしまうのか。市役所に聞いても“こう決まりました”としかいわない。納得できない。これからどうしたらいいのか。人生早く終わらせないといけないね」
負担増と給付減
「アベノミクス」の成果を誇る安倍政権が国民に押し付けた経済的な負担は、税率8%への消費税増税にとどまりません。社会保障の負担増・給付減があいまて、生活を破壊しています。
安倍政権発足後、年金の実質的な支給額は2013年から3年連続で引き下げられ、3・4%も減りました。生活保護費も次々に削られました。医療・年金・介護の保険料アップも加わり、国民の可処分所得は落ち込みました。他方で支出は急激に増えました。医療・介護制度の改悪により、患者負担や介護利用料が引き上げられたためです。(表)
安倍首相は「仕事と介護が両立できる社会」「子育てにやさしい社会」をつくるのが「アベノミクス第2ステージ」だといいます。しかし安倍政権の政策の害悪を集中的に被ってきたのはまさに、介護を必要とする世帯や幼児を抱える世帯です。
保育所に子どもを預けて働く世帯には、保育料の急上昇が襲いかかっています。
昨年9月以降、所得が変わらないのに年間10万~30万円以上も保育料が上がるケースが全国で続出しています。新日本婦人の会が昨年10月に実施した緊急アンケートには、110人の父母の痛切な声があふれました。
「大ピンチです!子ども2人を保育園に預けていますが、9月から月1万3500円も値上げになってしまいました」(埼玉県)「月3万円(年36万円)の値上げです。わが家のにぎわいの生活は一転し、とても冷めた空気が流れています」(札幌市)
安倍政権下で進んだ社会保障の負担増・給付減
保育料が急上昇
保育料アップの元凶は安倍政権です。
公的保育を後退させる「子ども・子育て支援新制度」を昨年スタートさせたのに合わせて、保育料の算定方式を変更。子どもの人数に応じて所得を控除し負担を減らす年少扶養控除(11~12年に廃止)があるものとみなし、保育料を抑える「みなし適用」を、原則廃止したのです。
国が新たに示した保育料の基準は、1世帯につき2人分の年少扶養控除相当額を「おおまか」に反映させたもので、子どもが3人以上いれば保育料が急上昇することになりました。子どもが2人以下の世帯からも、「保育料が倍額になった」などの声が噴き出しているのが実態です。
批判を受けて国は「みなし適用」を継続する経過措置を設けましたが、昨年度以降に入所した子どもは対象外です。経過措置を採用しない自治体もあります。自治体独自の値上げもあり、保育料の高騰には歯止めがかかっていません。
子ども2人の保育料が年3万6000円上がったという横浜市の女性は、先述のアンケートに記しています。
「私は事務職のパートで、夫の給料も上がっていません。安倍首相の新3本の矢は、未来が全く見えません」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年2月26日付掲載
まさに、踏んだり蹴ったりの負担増と給付減です。
一覧表にしてみれば、歴然としています。
許せない!
社会保障制度の改悪が国民を絶望のふちに追いやっています。
石川県金沢市の特別養護老人ホームで暮らす中宮玉子さん(88)は、昨年8月から年80万6400円もの負担増を強いられました。安倍晋三政権が補助基準を改悪したため、食費・居住費が跳ね上がったのです。夫の中宮繁さん(80)は話します。
「同じ生活を送っているのに、どうして費用が倍以上になってしまうのか。市役所に聞いても“こう決まりました”としかいわない。納得できない。これからどうしたらいいのか。人生早く終わらせないといけないね」
負担増と給付減
「アベノミクス」の成果を誇る安倍政権が国民に押し付けた経済的な負担は、税率8%への消費税増税にとどまりません。社会保障の負担増・給付減があいまて、生活を破壊しています。
安倍政権発足後、年金の実質的な支給額は2013年から3年連続で引き下げられ、3・4%も減りました。生活保護費も次々に削られました。医療・年金・介護の保険料アップも加わり、国民の可処分所得は落ち込みました。他方で支出は急激に増えました。医療・介護制度の改悪により、患者負担や介護利用料が引き上げられたためです。(表)
安倍首相は「仕事と介護が両立できる社会」「子育てにやさしい社会」をつくるのが「アベノミクス第2ステージ」だといいます。しかし安倍政権の政策の害悪を集中的に被ってきたのはまさに、介護を必要とする世帯や幼児を抱える世帯です。
保育所に子どもを預けて働く世帯には、保育料の急上昇が襲いかかっています。
昨年9月以降、所得が変わらないのに年間10万~30万円以上も保育料が上がるケースが全国で続出しています。新日本婦人の会が昨年10月に実施した緊急アンケートには、110人の父母の痛切な声があふれました。
「大ピンチです!子ども2人を保育園に預けていますが、9月から月1万3500円も値上げになってしまいました」(埼玉県)「月3万円(年36万円)の値上げです。わが家のにぎわいの生活は一転し、とても冷めた空気が流れています」(札幌市)
安倍政権下で進んだ社会保障の負担増・給付減
年金 | 支給額 実質3.4%引き下げ 月10万円支給の人で3400円減 |
医療 | 70~72歳の患者負担1割→2割 入院給食費 月1万8千円値上げ |
介護 | 利用者負担1割→2割(一定所得以上) 施設の食費・居住費 年80万円値上げも |
生活保護 | 生活扶助・冬季加算・住宅扶助を削減 生活扶助費は母1人子1人で月4580円減 子ども2人で1万3140円減、3人で月1万5960円減 |
保育料 | 年10万~30万円以上値上げも |
保険料 | 国民年金年7320円値上げ 国民健康保険(1人平均) 年2321円値上げ 介護保険(65歳以上平均) 年6504円値上げ |
保育料が急上昇
保育料アップの元凶は安倍政権です。
公的保育を後退させる「子ども・子育て支援新制度」を昨年スタートさせたのに合わせて、保育料の算定方式を変更。子どもの人数に応じて所得を控除し負担を減らす年少扶養控除(11~12年に廃止)があるものとみなし、保育料を抑える「みなし適用」を、原則廃止したのです。
国が新たに示した保育料の基準は、1世帯につき2人分の年少扶養控除相当額を「おおまか」に反映させたもので、子どもが3人以上いれば保育料が急上昇することになりました。子どもが2人以下の世帯からも、「保育料が倍額になった」などの声が噴き出しているのが実態です。
批判を受けて国は「みなし適用」を継続する経過措置を設けましたが、昨年度以降に入所した子どもは対象外です。経過措置を採用しない自治体もあります。自治体独自の値上げもあり、保育料の高騰には歯止めがかかっていません。
子ども2人の保育料が年3万6000円上がったという横浜市の女性は、先述のアンケートに記しています。
「私は事務職のパートで、夫の給料も上がっていません。安倍首相の新3本の矢は、未来が全く見えません」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年2月26日付掲載
まさに、踏んだり蹴ったりの負担増と給付減です。
一覧表にしてみれば、歴然としています。
許せない!