きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

東日本大震災5年 被災地はいま④ 店舗再建 業者の岐路

2016-03-09 17:40:35 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
東日本大震災5年 被災地はいま④ 店舗再建 業者の岐路

かさ上げした中心街に戻るか、集団移転先の高台で新たな出発か―。岩手県宮古市田老地区の店主らは、仮設商店街「たろちゃんハウス」を出て、本設の店舗をどこに構えるか岐路に立っています。再建を目指す自営業者の悩みは尽きません。
「ここから田老の人間として力量が試される。本設に向け、次世代に恥じないものをつくらなければ」。かりんとうなど菓子製造販売「田中菓子舗」代表の田中和七さん(61)が意気込みます。
県内のスイーツなど、58ブースが出店したイベントが2月の土日、滝沢市で開かれました。
田中菓子舗のかりんとうのファンの女性(39)は「黒糖とパリパリの食感が忘れられません。かりんとうと言えばこれだと思って育ちました」と、早期再建を期待します。
田中さんの祖父が1923年に創業した店は33年の昭和三陸地震の津波で被災しましたが、翌年に店を再開。「その時30代だった祖父にできて、自分にできないわけがない」と自身を鼓舞しました。





イベント来場者に試食を勧める田中和七さん=岩手県滝沢市

田老地区は2011年の大震災で死者・行方不明者180人超。初盆を前に、多くの人から「田中さんの菓子を供えたい」と言われました。移転も考えましたが「季節の行事に欠かせない地元のお菓子を絶やしてはいけない」。田老地区での再建を決意しました。
仮設商店街に入った22店の多くは、国道沿いの中心街で再建を計画。「人の動きがある土地に店を出した方が、飲食店や菓子店などは売り上げを期待できる」と田中さん。
時計・カメラ店が昨年11月、中心街に初オープンし、今後は、施設の復旧費用を国と県が補助する「グループ補助金」を受け、本設店舗が続きます。
一方、日用品や理容店など固定客が多い業種は、中心街から約1キロ離れた集団移転先の高台の団地に、店舗兼住宅の再建を目指します。当初、店舗を一カ所に集めようとしましたが、経費などが課題になり、結局、分散して再建することに。
食品・雑貨店の店主の女性(64)は「店舗兼住宅だったので長く商売することを考えるとこの形をつづけたい」と言います。団地住民に「店を早く出して」と切望され、「高齢者にとって、歩いて行ける距離に店があった方が良い。絶対やめるわけにはいかない」。

交通の充実必要 国・県は支援を
田中尚・日本共産党宮古市議団長の話
人口減少により、地方都市は震災前から、商店街の維持・存続が課題でした。住まいと商店街を結ぶバスなど公共交通の充実も必要です。国や県に、引き続き支援を求めたい。

(唐沢俊治)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年3月7日付掲載


やはり、昔からのお客さんの「帰ってきてほしい」という声は励ましになりますね。
「グループ補助金」などで再建を応援してほしいものです。