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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2021年度概算要求の焦点③ 農林水産 輸出・スマート化に重点

2020-10-17 07:43:28 | 経済・産業・中小企業対策など
2021年度概算要求の焦点③ 農林水産 輸出・スマート化に重点
2021年度農林水産予算の概算要求は、20年度当初予算比20%増の2兆7734億円です。うち、公共事業費が21・1%増の8464億円、非公共事業費が19・5%増の1兆9270億円。また、林野関係が15・9%増の3483億円、水産関係が43・3%増の2802億円。農林水産物・食品の輸出拡大や先端技術を活用したスマート農業などに重点配分しています。



大幅に増額
3月に決定された新たな食料・農業・農村基本計画は、農林水産物・食品の輸出額を30年に5兆円へ引き上げる目標を掲げました。それに沿って、農林水産物・食品の輸出力強化に20年度当初予算比2・8倍の228億円を要求しました。輸出向けの「グローバル産地」づくりの強化に7・2倍の36億円、輸出先国の規制緩和・撤廃などに取り組む輸出環境整備推進事業に1・9倍の32億円、輸出向けの危害分析重要管理点(HACCA)対応施設の整備に5・3倍の79億円、輸出拡大を支援するマーケティング活動の強化に2倍の56億円を充てます。
農水省の資料によると、19年の農林水産物・食品の輸出実績は、9121億円。うち、農産物は5877億円とされているものの、その中に加工食品の3271億円も含められています。加工食品には輸入原料を使った品目が多く、その輸出拡大が国内の農産物生産者の所得拡大に直結するとは限りません。
「デジタル化」を掲げる菅義偉政権の登場で、スマート農業関連も軒並みに増額。スマート農業総合推進対策に3・7倍の55億円、スマート技術を活用した農業支援サービスを後押しする事業に新規の10億円、スマートフォンなどで補助金などの申請ができる農水省共通申請サービス(eMAFF)の構築に13・3倍の93億円を要求しました。
ただ、情報技術(IT)の浸透に伴い、社会の経済格差が拡大しているように、スマート農業の導入で農村でも経済格差が広がることが懸念されます。



米価暴落への対策を求める農業関係者=10月1日、農林水産省前

暴落に無策
新型コロナウイルスの感染拡大の中で、外出自粛による外食需要の落ち込みなどのために、米価が暴落し、生産者が打撃を受けています。米価の低迷は21年度やそれ以降にも持ち越される懸念が強まっています。しかし、需給調節の責任をすでに放棄した政府は、需給の目安を公表するだけの予定で、概算要求は特段の措置を講じてはいません。
新たな基本計画は、従来の基本計画と打って変わって、農業生産における家族経営の役割に言及しました。21年度予算は、新たな基本計画を実施する初年度予算です。しかし、概算要求は、家族経営を支える措置を盛り込んでいません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年10月15日付掲載


農林水産の予算は増額要求ということですが、重点は輸出拡大や先端技術を活用したスマート農業。
肝心の家族経営の農業支援、価格保障、所得補償は含まれていません。

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