チェルノブイリ・独を訪ねて 即時原発ゼロへ(下)
福島県民医連会長 松本純さんに
悲劇繰り返さないため
全日本民医連のツアーの後半は、ドイツの環境政策視察です。ドイツに着いた昨年9月26日夜、同国最大の環境団体BUNDの創始者、エアハルト・シュルツ氏による歓迎晩さん会が催されました。
同氏は昨年3月に来日して「3・11行動in東京」に参加しました。その後で福島県飯舘村と私が勤務する福島医療生協いいの診療所を訪問しており、そのときのことをよく覚えていました
長い運動の歴史
歓迎晩さん会のなかでシュルツ氏は、ドイツの脱原発政策には長い歴史があったことを語ってくれました。
シュルツ氏の案内で翌日から2日間、ドイツ南西部のフランスとスイスの国境沿いにあるフライブルク市の環境政策や、近郊自治体での原発反対運動などを視察しました。
フランスがドイツとの国境から25キロメートルの近距離に原発を建設しようとすると、3国国境の住民運動が発展、1990年代に建設中止へと追い込みました。このとき人口2500人のドイツ・シェーナウ村では、脱原発の実践として住民運動から送電会社を設立するにいたりました。住民運動の勝利は、民主主義の発展にとっても大事な役割を果たしたと思います。
ウクライナ首都のキエフ市で26年間移住生活を支援している人たちから「福島はどうなっている、大丈夫か!」と聞かれ、農村部の汚染地域で生活している人からも同じ質問を受けました。そしてドイツでも心配されました。
原発事故から26年を経た今のチェルノブイリの姿は福島の将来の姿なのか。これは視察ツアーへ参加するにあたっての大きな問題意識の一つでした。しかし、違いもみえてきました。
原子炉の重大事故により拡散した放射能の量はチェルノブイリの方がはるかに多く、しかも汚染地域の住民は食物からの内部被ばくを受け続けてきたようです。一方、福島では農地除染や、米の全量全袋検査など放射能検査をきちんと行っています。
チェルノブイリの悲劇を繰り返さないために、福島ではどうすべきかが大事です。放射能の測定と除染、健康や食品の管理、そして何よりも原発ゼロの日本を目指す運動がいかに前進するかにかかっています。これから次第という意味で「現在進行形」といえます。
シュルツ氏(立っている中央)と交流するツアー一行=昨年9月26日、ドイツ・フライブルク市
世界の流れ確信
今回の視察ツアーでは、チェルノブイリ事故の放射能による健康障害はこれからも長く続く重い課題でしたが、後半のドイツでの視察は将来の希望を見いだせるものとなりました。放射能汚染の問題は今や地球全体の問題であり、「脱原発は世界の流れ」に向かっているとの認識を新たにすることができました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月17日付掲載
日本での福島の原発災害を支援していくにも、日本で原発ゼロをめざす運動をしていくにもまさに「現在進行形」です。
日本で自民・公明の安倍政権が出来て、原発推進勢力は勢いを得たと思っているとおもっているでしょうが、日本での原発ゼロの運動は脈々と続き、広がっています。
世界の流れは確実に「原発ゼロ」です。確信をもって進みましょう。
福島県民医連会長 松本純さんに
悲劇繰り返さないため
全日本民医連のツアーの後半は、ドイツの環境政策視察です。ドイツに着いた昨年9月26日夜、同国最大の環境団体BUNDの創始者、エアハルト・シュルツ氏による歓迎晩さん会が催されました。
同氏は昨年3月に来日して「3・11行動in東京」に参加しました。その後で福島県飯舘村と私が勤務する福島医療生協いいの診療所を訪問しており、そのときのことをよく覚えていました
長い運動の歴史
歓迎晩さん会のなかでシュルツ氏は、ドイツの脱原発政策には長い歴史があったことを語ってくれました。
シュルツ氏の案内で翌日から2日間、ドイツ南西部のフランスとスイスの国境沿いにあるフライブルク市の環境政策や、近郊自治体での原発反対運動などを視察しました。
フランスがドイツとの国境から25キロメートルの近距離に原発を建設しようとすると、3国国境の住民運動が発展、1990年代に建設中止へと追い込みました。このとき人口2500人のドイツ・シェーナウ村では、脱原発の実践として住民運動から送電会社を設立するにいたりました。住民運動の勝利は、民主主義の発展にとっても大事な役割を果たしたと思います。
ウクライナ首都のキエフ市で26年間移住生活を支援している人たちから「福島はどうなっている、大丈夫か!」と聞かれ、農村部の汚染地域で生活している人からも同じ質問を受けました。そしてドイツでも心配されました。
原発事故から26年を経た今のチェルノブイリの姿は福島の将来の姿なのか。これは視察ツアーへ参加するにあたっての大きな問題意識の一つでした。しかし、違いもみえてきました。
原子炉の重大事故により拡散した放射能の量はチェルノブイリの方がはるかに多く、しかも汚染地域の住民は食物からの内部被ばくを受け続けてきたようです。一方、福島では農地除染や、米の全量全袋検査など放射能検査をきちんと行っています。
チェルノブイリの悲劇を繰り返さないために、福島ではどうすべきかが大事です。放射能の測定と除染、健康や食品の管理、そして何よりも原発ゼロの日本を目指す運動がいかに前進するかにかかっています。これから次第という意味で「現在進行形」といえます。
シュルツ氏(立っている中央)と交流するツアー一行=昨年9月26日、ドイツ・フライブルク市
世界の流れ確信
今回の視察ツアーでは、チェルノブイリ事故の放射能による健康障害はこれからも長く続く重い課題でしたが、後半のドイツでの視察は将来の希望を見いだせるものとなりました。放射能汚染の問題は今や地球全体の問題であり、「脱原発は世界の流れ」に向かっているとの認識を新たにすることができました。
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月17日付掲載
日本での福島の原発災害を支援していくにも、日本で原発ゼロをめざす運動をしていくにもまさに「現在進行形」です。
日本で自民・公明の安倍政権が出来て、原発推進勢力は勢いを得たと思っているとおもっているでしょうが、日本での原発ゼロの運動は脈々と続き、広がっています。
世界の流れは確実に「原発ゼロ」です。確信をもって進みましょう。
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