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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

国内回顧2021 「なにより命」貫く 共闘たしかな成果

2021-12-31 07:16:01 | 政治・社会問題について
国内回顧2021 「なにより命」貫く 共闘たしかな成果

コロナ 第5波、新規感染1日2.5万人超
2021年は年始からコロナに明け暮れた1年となりました。東京都では緊急事態宣言が発令された1月7日に新規感染者2400人超えを記録。全国で第3波が猛威を振るい、高齢者の重症化や院内感染なども相次ぎました。
東京で宣言が解除された3月下旬ごろから、大阪府などを中心に再び感染者が増え始めました。従来株より感染力が強い「アルファ株」が流行して第4波となり、大阪などでは入院できずに亡くなる人が相次ぎました。
第5波ではさらに感染力が強い「デルタ株」が広がり、五輪開催中の7月末には1日あたりの新規感染者数が初めて全国で1万人を突破。ピーク時の8月下旬には2万5千人を超えました。検査軽視などの科学無視に加え、時短や休業のための十分な補償や医療体制の整備などを政府が怠った結果でした。政府が臨時の医療施設の増設にもまともに取り組まずに「原則自宅療養」の方針を打ち出すなか、ピーク時には13万5千人を超える患者が「自宅療養」を強いられ、自宅で命を落とした人が8月だけでも250人以上いたことが政府の発表からもわかっています。
「デルタ株」よりさらに感染力が強い「オミクロン株」が広がる中、東京都、大阪・京都両府、沖縄県などでは感染の不安がある希望者全てを対象に無料のPCR検査が始まりました。今度こそ、水際対策や検査・医療体制の抜本的強化、3回目のワクチン接種の前倒しなどあらゆる手だてが求められています。



緊急事態宣言延長を伝えるNHKニュースを表示する秋葉原の大型ビジョン=3月5日、東京都千代田区

3連勝 都議選「五輪より命」訴え響く
7月4日投開票の東京都議選で日本共産党は、コロナ危機のもとでの五輪開催反対を前面に掲げ、ケアに手厚い都政、ジェンダー平等など四つの転換を訴え、現有18議席から19議席に前進し、13、17両年に続き3連勝となりました。
2人区では、立憲民主党や無党派の幅広い市民の支援も受け、前回215票差で惜敗した福手ゆう子氏(文京区)と、新人の清水とし子氏(日野市)が自民党現職に競り勝って新たな議席を獲得。原のり子氏(北多摩4区)が再選しました。共産党当選者の74%が女性で、女性議員数で都議会第1党になりました。
「五輪中止・延期」を掲げた立民も8議席から15議席に前進。五輪開催についてダンマリを決めこんだ自民・公明は両党で都議会過半数をめざしましたが届かず、都民ファーストの会は45議席から31議席に減らしました。
野党第1党を堅持した共産党都議団は都議会で、小池百合子都知事が狙う都の財政負担削減によって、不採算部門の感染症医療の切り捨てにつながる都立・公社病院の独立行政法人化に反対する論戦を都民の運動と結んで行っています。コロナ対策強化、消費税5%への減税を国に求めるとともに、巨大開発に反対し、年末年始の困窮者への対応も求めています。
また、建設的提案では成果も。共産党が要求し続けてきた同性パートナーシップ条例導入を小池知事が12月議会で表明するなど、都政前進に大いに力を発揮しています。



当選確実の報道に湧く福手氏と支援者=7月4日、東京都文京区

強引に オリパラ強行、感染爆発招く
新型コロナウイルス感染拡大防止対策の緊急事態宣言のもとで、菅義偉首相は東京五輪・パラリンピックの開催を強行しました。感染拡大のさなかに、世界最大規模のスポーツの祭典を強行し、国民に誤ったメッセージを出し続けたことが感染対策の大きな妨げとなり、過去最悪の感染爆発をもたらしました。
大会期間中の7~8月の第5波では感染者数が都で1日あたり5000人超、全国でも連日の過去最多を記録。症状が悪化していても、入院できず自宅で亡くなる人が椙次ぐ深刻な医療崩壊の事態となりました。一方、五輪に派遣された医師や看護師など医療従事者は6542人にものぼりました。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は、東京五輪について「いまの状況でやるというのは普通ない」と開催に懸念を示すなど、数多くの専門家が五輪開催によるリスクを警告。中止や延期を求める声は、世論調査で8割に達しました。日本共産党は年初から「五輪開催は中止し、日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中するべきだ」と主張しました。
しかし、専門家の提言や国民の反対世論を無視した開催が爆発的な感染拡大を招き、政府がうたい続けた「安全・安心の大会」は完全に破綻。菅首相は、パラリンピック閉会式前の9月3日に退陣を表明し、政権を投げ出しました。国民の命の危機を加速させた政府の責任への反省や検証が必要です。



東京五輪開会式の直前に、会場の国立競技場の周囲に密集する人々=7月23日、東京都新宿区

災害禍 大雨・地震…「人災」被害の疑いも
7月に梅雨前線による大雨で静岡、鳥取、島根、広島、鹿児島などの各県で土砂災害、家屋の浸水、農産物被害が相次ぎました。8月には台風9号の影響で、青森県では橋が崩落。前線による記録的な豪雨が続き、18都府県で河川氾濫や土砂災害が起きました。
7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区で土石流が発生。死者26人、行方不明1人、被災家屋は128棟に上ります。当初、例年より多い降雨量の影響とみられましたが、大量の違法な盛り土の崩壊による「人災」の疑いが濃厚になっています。
被害者は、盛り土を造成した元の土地の所有者と現在の土地の所有者への損害賠償訴訟を起こし、業務上過失致死容疑で刑事告訴。静岡県警は告訴を受理し、新旧土地所有者を捜査しているほか、県と熱海市の管理責任も問われています。
地震は、2月に宮城県でマグニチュード7・3、最大深度6強を記録した福島県沖地震が起き、負傷者185人、全半壊53棟、一部破損3059棟の被害がありました。東日本大震災の余震とみられています。3月と5月の宮城県沖地震、10月に青森県沖地震で震度5強を記録。同じく震度5強の東京・埼玉地震では、首都圏の鉄道が運休や大幅な遅れで混乱しました。12月には鹿児島県トカラ列島で群発地震が続き、悪石島では震度5強を記録しました。8月以来の小笠原諸島・福徳岡ノ場の海底火山噴火に由来する軽石が沖縄、鹿児島両県の沿岸や離島に大量に漂着し、船舶や漁業などに大きな被害が出ています。



土石流が発生した静岡県熱海市伊豆山地区=7月4日

危険増 改憲・軍拡狙う岸田新政権
菅義偉前首相は9月3日、新型コロナ対応や東京五輪強行などで内閣支持率が過去最低水準に落ち込む下で退陣を表明しました。10月4日に誕生した岸田文雄政権には、2代連続で政権を投げ出した「安倍・菅政治」の継承以上の危険が現れています。
岸田首相は12月6日、臨時国会の所信表明演説で「いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討する」と表明。さらに、「国会で積極的な議論が行われることを心から期待する」と改憲議論を呼びかけました。14日の衆院予算委員会では、9条への自衛隊明記をはじめとする自民党の「改憲4項目」を中心に議論を進める考えを示しています。
総選挙で3分の2の衆院議席を得た改憲勢力は、新型コロナ感染の感染拡大の危機に乗じて改憲を主張し、憲法審査会の定例開催や改憲スケジュールの設定を求めるなど、改憲に前のめりな政治姿勢を鮮明にし、改憲議論をあおる動きを加速させています。
政府が24日に閣議決定した2022年度政府予算案では、「敵基地攻撃能力」保有につながる計画も拡大し、軍事費が5兆3687億円と過去最大に。10年連続で前年度を上回りました。
大軍拡と海外での武力行使の新しい危険と同時に、岸田首相が看板政策に掲げる「新しい資本主義」の中身も新自由主義路線を継承し、むしろ強化するものです。



所信表明演説を行う岸田首相=12月6日、衆院本会議

共闘たしかな成果

総選挙 野党共闘が前進、政権交代に挑む
10月31日投票の総選挙は、野党が初めて本格的な共闘態勢-共通政策、政権協力、選挙協力で合意し「政権交代」に挑んだ歴史的な選挙となりました。
日本共産党、立憲民主党、社民党、れいわ新選組と市民連合が合意した共通政策は、自公政治のゆがみに根本からメスを入れ、政権交代が実現すれば政治が大本から変わる内容となりました。野党共闘が攻め込むもと、自民・公明と補完勢力は一部メディアを動員し必死の共闘攻撃、共産党攻撃で応じました。
総選挙で自民党は議席を減らしたものの「絶対安定多数」を維持。自公などの改憲勢力が衆院の3分の2の議席を得ました。
激しい攻撃の中でも野党共闘は重要な成果を得ました。候補者を一本化した59選挙区で勝利し、56選挙区で共闘勢力の比例票合計を小選挙区候補の得票が上回る「共闘効果」を発揮。神奈川13区で甘利明幹事長(当時)を破るなど自民党有力候補の敗北が相次ぎました。同時に、共闘の魅力を広げきれなかったなどの課題も明らかになりました。
日本共産党は沖縄1区で赤嶺政賢議員の「宝の議席」を守り抜いたものの、比例代表で後退。椙手の必死の攻撃を上回る必死さで反撃する点では弱点を残しました。
一方で、「四つのチェンジ」①新自由主義の転換②気候危機打開③ジェンダー平等④9条生かした平和外交1を掲げ大きく共感を広げました。
日本共産党は第4回中央委員会総会で総選挙結果を“政治対決の弁証法”で捉える重要性を解明。22年参院選での躍進に向け全力をあげています。



市民連合(右側)から共通政策文書を受け取る野党各党の党首。(左から)れいわの山本太郎代表、社民党の福島瑞穂党首、日本共産党の志位和夫委員長、立民の枝野幸男代表=9月8日、国会内

性差別 ジェンダー平等求める声広がる
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長のこんな女性差別発言(2月3日)に女性たちが「もう黙らない」と声をあげ、会長辞任に追い込みました。
結婚や家族のかたちに多様な選択を求める裁判で、司法の判断が相次ぎました。
同性婚を認めないのは憲法違反だと訴えた全国5カ所の訴訟のうち、札幌地裁が3月、法の下の平等を定めた憲法に違反するとの初の判断を示しました。(札幌高裁で係争中)
6月には、夫婦別姓を認めない法制度の違憲性をめぐる家事審判で、最高裁大法廷が、「合憲」と判断する一方、選択的夫婦別姓制度を求める国会での論戦が活発化。総選挙後の臨時国会では、同制度実現を求める請願に公明党も賛成しました。年内に約140地方議会が同制度の法制化・議論を求める意見書を可決しました。
法制審議会(法相の諮問機関)では性犯罪規定改正に向けた論議が本格化。暴力脅迫要件の撤廃、同意要件の新設、性交同意年齢の引き上げ(現行13歳)など性被害の実態に見合った法改正を求める声が広がっています。
「生理の貧困」に光があたり、生理用品をトイレに設置する学校が相次いでいます。包括的性教育の公教育への導入、緊急避妊薬にアクセスしやすい環境、中絶薬の早期認可などリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の視点を生かすとりくみが進みました。



同性婚を認めないのは違憲だとする判決を受け、横断幕を掲げる弁護団と支援者ら=3月17日、札幌市

劣悪化 大手メディアの知的堕落と退廃
「衆院選でおきゅうをすえられたのは、与党ではなく、共闘した野党だったのかもしれない」(11月13日付「朝日」の「天声人語」)。総選挙では、自民党・公明党やその補完勢力による野党共闘攻撃、日本共産党攻撃が激しく繰り広げられましたが、選挙後はメディアが主体となって野党共闘攻撃を展開しました。
野党共闘が「惨敗」したなどと事実に反する報道をくりかえしているだけではありません。12月6日付「毎日」の山田孝男特別編集委員のコラム「風知草」は、日米安保
条約、自衛隊、天皇の制度などについての日本共産党の綱領の立場を「現実離れ」と根拠なく決めつけ、アジア侵略につき進んだ戦争指導者の「過去の成功にとらわれた慢心」とまでなぞらえて攻撃する異常なものでした。
植木俊雄党広報部長の「根拠ない断定で、日本共産党を叩(たた)く異常1『毎日』コラム『風知草』を批判する」(本紙9日付)は、山田氏がこれらの断定をするさいに、何の根拠も示さず、ただひたすら叩く態度をとっていることなどを示し、全面的に批判しました。
「赤旗」日曜版の取材に、自民党本部関係者は「メディアが『野党共闘が効果なかった』『失敗した』とキャンペーンを張っていることに、私たちは感謝していますよ」と語りました。(11月28日号)
根拠なく日本共産党を攻撃し、権力側から感謝される1大手メディアの知的堕落、退廃が表れています。



「野党共闘は失敗」と論じる各紙。右から「読売」11月3日付、「産経」11月13日付、同12月1日付

無反省 森友問題「説明しない政治」継続
公務員が自ら命を絶つに至った公文書改ざん強要の経緯、異例の1億5000万円の選挙資金の出どころ、意図、使途ー。いずれも解明されていません。安倍晋三政権で顕著になった「不祥事を説明しない政治」は、菅義偉政権を経て岸田政権でも継続しています。
森友学園問題では、自死した財務省近畿財務局の元職員、赤木俊夫さんの妻、雅子さんが国を相手取った訴訟で、国が12月15日、それまでの争う姿勢を一転させ、請求通りの賠償金を支払い裁判を終結させる「認諾」の手続きをとりました。
雅子さん側は財務省理財局幹部らの証人尋間を通じ、改ざんの指揮命令系統などの真相解明を進める意向でした。岸田政権がこれを封じたことになります。
雅子さんは同17日、「夫はまた国に殺された」とする抗議文を財務省に提出。「これからもたたかう」「負けるつもりはない」と語りました。首相は改ざんの再調査を否定しています。
2019年参院選で、河井克行元法相と妻の案里元参院議員(いずれも自民党離党)が地元県議らに計2800万円の現金を配ったとされる事件では、今年1月に元議員が執行猶予つきの懲役1年4月、6月に元法相が懲役3年の実刑判決をそれぞれ受け、その後確定しました。
自民党本部から河井陣営に提供された異例の1億5000万円が「買収の原資では」と疑う声が絶えませんが、自民党は9月22日、河井夫妻側の報告をもとに「1億5000万円からは買収資金を出していない」と発表し、幕引きを図りました。



財務省に抗議文を提出した後、取材に応じる赤木雅子さん=12月17日、東京都千代田区霞が関

新基地 デニー知事が設計変更不承認
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、玉城デニー知事は11月、軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を不承認としました。県は水面下90メートルに及ぶ軟弱地盤の調査やジュゴンの保護などの環境保全対策の検討が不十分であることなどを理由に挙げました。
これに対し防衛省沖縄防衛局は、不承認の取り消しを求める不服審査請求を国土交通相に申し立てました。この制度は「国民の権利利益の救済」が本来の目的で、同局が「国民」を装って、身内の国交相に不承認処分の取り消しを求めるのは、「出来レース」にほかなりません。
そもそも新基地建設計画は完全に破綻しています。国内の作業船では水面下70層より深い位置にある地盤に砂くいを打ち込むことはできず、「工事を強行すれば護岸が最悪崩壊する」と地質学の専門家も警鐘を鳴らしています。デニー知事は会見で「この工事は、絶対に完成しない」と断言しました。
米軍による事故も相次ぎました。米空軍三沢基地(青森県)所属のF16戦闘機が11月に燃料タンク2個を投棄し、1個は民家近くに落下しました。米軍キャンプ・ハンセン(沖縄県)では新型コロナウイルスの大規模な集団感染が発生。全米軍基地で米兵がPCR検査をせず入国していたことも発覚しました。日米地位協定で米兵は検疫法などの国内法が適用されず、水際対策の「抜け穴」となっており、この問題でも同協定の改正を求める声が広がっています。



新基雄建設が強行されている沖縄県名護市の辺野古沿岸部。左の大浦湾側では軟弱地盤により工事の見通しは立っていません=12月18日

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年12月30日付掲載


都議選で、野党第1党を堅持した共産党都議団は都議会で、小池百合子都知事が狙う都の財政負担削減によって、不採算部門の感染症医療の切り捨てにつながる都立・公社病院の独立行政法人化に反対する論戦を都民の運動と結んで行っています。
総選挙では、激しい攻撃の中でも野党共闘は重要な成果を得ました。候補者を一本化した59選挙区で勝利し、56選挙区で共闘勢力の比例票合計を小選挙区候補の得票が上回る「共闘効果」を発揮。日本共産党は第4回中央委員会総会で総選挙結果を“政治対決の弁証法”で捉える重要性を解明。22年参院選での躍進に向け全力をあげています。
同性婚を認めないのは憲法違反だと訴えた全国5カ所の訴訟のうち、札幌地裁が3月、法の下の平等を定めた憲法に違反するとの初の判断を示しました。
歴史は確かに進んでいます。

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