女性差別撤廃委 日本報告審議 ジェンダー平等へ④ 年金格差の是正を
全日本年金者組合・女性部長 中川滋子さん
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の日本報告が審議されるのに合わせ、全日本年金者組合女性部は代表2人をジュネーブに派遣します。英文チラシを使って、日本の男女間の年金格差・賃金格差の是正と最低保障年金制度実現の必要性をCEDAW委員にロビー活動で訴えます。
ここにある窮状
「夫に扶養されていた。月3万円弱の年金では何もかも足りない」「年金から家賃や国民健康保険料、介護保険料などを引かれると月5万円。ギリギリの生活」―。年金者組合がまとめた『女性の低年金実態告発集-聞こえますか…今、ここにある窮状』には低年金に苦しむ女性の声が寄せられています。
日本の公的年金制度は歴代の自公政権によって改悪され、高い年金保険料を徴収しながら、老後の生活を支えるだけの年金が支給されていません。とくに女性の老齢年金はきわめて低く、ひと月の支給額10万円未満が1771万人以上、このうち5万円に満たない人が533万人以上います(2023年12月時点)。
女性の低年金は構造的な問題です。夫が家計の中心として働き、妻が主婦として家事・育児・介護などの無償労働を担い、20~60歳まで年金保険料を納めるという家庭を「標準モデル」として制度設計されています。女性は扶養されることが前提で、女性が主体となる制度づくりがされてこなかったことが、女性の年金の低額化につながっています。
男女の賃金格差も大きな要因です。
日本企業の総合職は男性を前提にし、転勤や長時間労働などがあります。女性が結婚や出産、子育てをしながら働き続けることを想定していません。出産・育児による就労期間の中断が女性のキャリア形成や賃金に影響を及ぼします。
女性は一般職で勤続年数が延びても昇進・昇格せず、賃金は男性の約6割から7割台です。また、離職した女性が再就職しても、パートや派遣、有期雇用など不安定で低賃金の非正規雇用になることが多い実態があります。
低賃金が年金額の算定に影響し、女性の年金額が低くなっているのです。
勧告応えぬ政府
CEDAWは日本政府に対して、女性の「最低生活水準を保障するための年金制度の改革を可能な限り検討すること」などを要請しています。しかし、日本政府は勧告に応えていません。
日本の年金制度の実態をCEDAWに告発し、女性差別撤廃条約が示す国際基準で「生活できる年金」をめざして日本政府に「女性の低年金」を是正させたいと思います。
(武田祐一)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年10月14日付掲載
「夫に扶養されていた。月3万円弱の年金では何もかも足りない」「年金から家賃や国民健康保険料、介護保険料などを引かれると月5万円。ギリギリの生活」―。年金者組合がまとめた『女性の低年金実態告発集-聞こえますか…今、ここにある窮状』には低年金に苦しむ女性の声が。
女性の低年金は構造的な問題。夫が家計の中心として働き、妻が主婦として家事・育児・介護などの無償労働を担い、20~60歳まで年金保険料を納めるという家庭を「標準モデル」として制度設計。女性は扶養されることが前提で、女性が主体となる制度づくりがされてこなかったことが、女性の年金の低額化に。
日本の年金制度の実態をCEDAWに告発し、女性差別撤廃条約が示す国際基準で「生活できる年金」をめざして日本政府に「女性の低年金」を是正させたいと。
全日本年金者組合・女性部長 中川滋子さん
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の日本報告が審議されるのに合わせ、全日本年金者組合女性部は代表2人をジュネーブに派遣します。英文チラシを使って、日本の男女間の年金格差・賃金格差の是正と最低保障年金制度実現の必要性をCEDAW委員にロビー活動で訴えます。
ここにある窮状
「夫に扶養されていた。月3万円弱の年金では何もかも足りない」「年金から家賃や国民健康保険料、介護保険料などを引かれると月5万円。ギリギリの生活」―。年金者組合がまとめた『女性の低年金実態告発集-聞こえますか…今、ここにある窮状』には低年金に苦しむ女性の声が寄せられています。
日本の公的年金制度は歴代の自公政権によって改悪され、高い年金保険料を徴収しながら、老後の生活を支えるだけの年金が支給されていません。とくに女性の老齢年金はきわめて低く、ひと月の支給額10万円未満が1771万人以上、このうち5万円に満たない人が533万人以上います(2023年12月時点)。
女性の低年金は構造的な問題です。夫が家計の中心として働き、妻が主婦として家事・育児・介護などの無償労働を担い、20~60歳まで年金保険料を納めるという家庭を「標準モデル」として制度設計されています。女性は扶養されることが前提で、女性が主体となる制度づくりがされてこなかったことが、女性の年金の低額化につながっています。
男女の賃金格差も大きな要因です。
日本企業の総合職は男性を前提にし、転勤や長時間労働などがあります。女性が結婚や出産、子育てをしながら働き続けることを想定していません。出産・育児による就労期間の中断が女性のキャリア形成や賃金に影響を及ぼします。
女性は一般職で勤続年数が延びても昇進・昇格せず、賃金は男性の約6割から7割台です。また、離職した女性が再就職しても、パートや派遣、有期雇用など不安定で低賃金の非正規雇用になることが多い実態があります。
低賃金が年金額の算定に影響し、女性の年金額が低くなっているのです。
勧告応えぬ政府
CEDAWは日本政府に対して、女性の「最低生活水準を保障するための年金制度の改革を可能な限り検討すること」などを要請しています。しかし、日本政府は勧告に応えていません。
日本の年金制度の実態をCEDAWに告発し、女性差別撤廃条約が示す国際基準で「生活できる年金」をめざして日本政府に「女性の低年金」を是正させたいと思います。
(武田祐一)(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年10月14日付掲載
「夫に扶養されていた。月3万円弱の年金では何もかも足りない」「年金から家賃や国民健康保険料、介護保険料などを引かれると月5万円。ギリギリの生活」―。年金者組合がまとめた『女性の低年金実態告発集-聞こえますか…今、ここにある窮状』には低年金に苦しむ女性の声が。
女性の低年金は構造的な問題。夫が家計の中心として働き、妻が主婦として家事・育児・介護などの無償労働を担い、20~60歳まで年金保険料を納めるという家庭を「標準モデル」として制度設計。女性は扶養されることが前提で、女性が主体となる制度づくりがされてこなかったことが、女性の年金の低額化に。
日本の年金制度の実態をCEDAWに告発し、女性差別撤廃条約が示す国際基準で「生活できる年金」をめざして日本政府に「女性の低年金」を是正させたいと。
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