配達員切りヤマト 「就職支援」の実態② 自社優先の日本郵便
ヤマト運輸から日本郵便に業務移管される「クロネコDM便」(カタログ・チラシの投函=とうかん=サービス)と「ネコポス」(薄型荷物の投函サービス)の荷物数は年約12・1億個(2022年度実績)にのぼります。本紙が入手した日本郵便作成の資料によると、同社は両サービスの業務移管で「約1300億円規模の収益拡大」を見込んでいます。
責任どう考える
他方、日本郵便への業務移管は配達員約2万5千人が職を失う原因となっています。その社会的責任をどう考えるのか―。本紙が尋ねたところ、日本郵便は次のように突き放しました。
「ヤマト運輸様で仕分け・配達等に従事してきた個人事業主等への対応に関しては、ヤマト運輸様でご対応いただくものと認識しています」
ヤマト運輸からの業務移管に伴う増員についても、「当社リソースで仕分け・配達することを前提に、要員が不足する場合には募集を行い、応募いただいた方の能力や適性を見て採用の判断をしてまいります」と回答。自社の都合を優先する姿勢を示しました。
定年については「当社において時給制契約社員の定年(雇い止め)年齢は65歳」であり、それ以上の雇用更新は「例外」だと強調。高年齢者雇用安定法が事業主の努力義務としている70歳までの就業確保措置については、今後「全社員を対象に制度を検討すべきもの」と、先送りする考えを示しました。
ヤマト運輸の再就職「支援サイト」に添付された人材派遣会社パソナ作成の“お説教動画”
軽貨物ユニオンのホームページで相談を受け付けています
両社取り決めを
建交労軽貨物ユニオンの高橋英晴執行委員長は、ヤマト運輸と日本郵便の対応を批判します。
「ヤマト運輸の長尾裕社長は、契約解除後の『次のキャリアをどうつくっていくか、全力でサポートしていく』と発言したと報道されています。そうであれば、ヤマト運輸から契約解除される人々が日本郵便で同等の労働条件で働けるように両社で取り決めを行うべきです。ところが、ヤマト運輸が提供する支援サイトはよくある転職サイトと変わらず、『再就職活動の心構え』などの動画に至っては働く人の尊厳を傷つける内容です。日本郵便も無責任な態度に終始しています」
両社に加え、政府が責任を果たすべきだと高橋氏は話します。
「日本郵便の親会社である日本郵政の株式の34・8%を財務相が所有して筆頭株主になっているのですから、政府は日本郵政に働きかけるべきです。少なくとも、ヤマト運輸から契約解除された人々を日本郵便が優先して採用し、高年齢でも複数年の雇用を確保することが求められます」
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月29日付掲載
日本郵便への業務移管は配達員約2万5千人が職を失う原因となっています。その社会的責任をどう考えるのか―。本紙が尋ねたところ、日本郵便は次のように突き放しました。
「ヤマト運輸様で仕分け・配達等に従事してきた個人事業主等への対応に関しては、ヤマト運輸様でご対応いただくものと認識しています」と。
建交労軽貨物ユニオンの高橋英晴執行委員長は、ヤマト運輸と日本郵便の対応を批判。
「ヤマト運輸の長尾裕社長は、契約解除後の『次のキャリアをどうつくっていくか、全力でサポートしていく』と発言したと報道。そうであれば、ヤマト運輸から契約解除される人々が日本郵便で同等の労働条件で働けるように両社で取り決めを行うべき。
ヤマト運輸から日本郵便に業務移管される「クロネコDM便」(カタログ・チラシの投函=とうかん=サービス)と「ネコポス」(薄型荷物の投函サービス)の荷物数は年約12・1億個(2022年度実績)にのぼります。本紙が入手した日本郵便作成の資料によると、同社は両サービスの業務移管で「約1300億円規模の収益拡大」を見込んでいます。
責任どう考える
他方、日本郵便への業務移管は配達員約2万5千人が職を失う原因となっています。その社会的責任をどう考えるのか―。本紙が尋ねたところ、日本郵便は次のように突き放しました。
「ヤマト運輸様で仕分け・配達等に従事してきた個人事業主等への対応に関しては、ヤマト運輸様でご対応いただくものと認識しています」
ヤマト運輸からの業務移管に伴う増員についても、「当社リソースで仕分け・配達することを前提に、要員が不足する場合には募集を行い、応募いただいた方の能力や適性を見て採用の判断をしてまいります」と回答。自社の都合を優先する姿勢を示しました。
定年については「当社において時給制契約社員の定年(雇い止め)年齢は65歳」であり、それ以上の雇用更新は「例外」だと強調。高年齢者雇用安定法が事業主の努力義務としている70歳までの就業確保措置については、今後「全社員を対象に制度を検討すべきもの」と、先送りする考えを示しました。
ヤマト運輸の再就職「支援サイト」に添付された人材派遣会社パソナ作成の“お説教動画”
軽貨物ユニオンのホームページで相談を受け付けています
両社取り決めを
建交労軽貨物ユニオンの高橋英晴執行委員長は、ヤマト運輸と日本郵便の対応を批判します。
「ヤマト運輸の長尾裕社長は、契約解除後の『次のキャリアをどうつくっていくか、全力でサポートしていく』と発言したと報道されています。そうであれば、ヤマト運輸から契約解除される人々が日本郵便で同等の労働条件で働けるように両社で取り決めを行うべきです。ところが、ヤマト運輸が提供する支援サイトはよくある転職サイトと変わらず、『再就職活動の心構え』などの動画に至っては働く人の尊厳を傷つける内容です。日本郵便も無責任な態度に終始しています」
両社に加え、政府が責任を果たすべきだと高橋氏は話します。
「日本郵便の親会社である日本郵政の株式の34・8%を財務相が所有して筆頭株主になっているのですから、政府は日本郵政に働きかけるべきです。少なくとも、ヤマト運輸から契約解除された人々を日本郵便が優先して採用し、高年齢でも複数年の雇用を確保することが求められます」
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月29日付掲載
日本郵便への業務移管は配達員約2万5千人が職を失う原因となっています。その社会的責任をどう考えるのか―。本紙が尋ねたところ、日本郵便は次のように突き放しました。
「ヤマト運輸様で仕分け・配達等に従事してきた個人事業主等への対応に関しては、ヤマト運輸様でご対応いただくものと認識しています」と。
建交労軽貨物ユニオンの高橋英晴執行委員長は、ヤマト運輸と日本郵便の対応を批判。
「ヤマト運輸の長尾裕社長は、契約解除後の『次のキャリアをどうつくっていくか、全力でサポートしていく』と発言したと報道。そうであれば、ヤマト運輸から契約解除される人々が日本郵便で同等の労働条件で働けるように両社で取り決めを行うべき。
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