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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

巨大電通の漆黒③ 黒子の隠れみの

2020-09-19 07:33:17 | 政治・社会問題について
巨大電通の漆黒③ 黒子の隠れみの
電通―。人はその名を聞くと、洗練された広告技術で、日本の大企業の広告を手掛け、顧客のためには労をいとわない猛烈企業のイメージを思い浮かべます。同時に、その裏では、メディアに対する巨大な影響力を行使する、いわば日本独占資本の黒子役です。

税金中抜き
その黒子役が隠れみのを着た事件が発覚しました。
舞台は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した中小企業や個人事業者に現金を支給する持続化給付金事業です。同事業を769億円で落札したのがサービスデザイン推進協議会でした。ところが、同協議会は事業額の97%にあたる749億円で電通に再委託したのです。事業の全体が電通にほぼ丸投げされた状態になり、「税金の中抜き」との批判を招きました。
6月8日、サービスデザイン推進協議会と電通は、都内で記者会見を開催。この会見で、発注者の経済産業省から入札公告前に2回ものヒアリングを受けていたことが明らかになりました。「形だけの競争入札だったのではないか」と、入札過程の不透明性が浮上。電通と中央官庁との癒着が間われました。
一方、緊急事業にもかかわらず、民間に委託・再委託・外注という形で行われ、苦境に陥っている中小業者に給付金が迅速に支給されないという問題が噴出しました。
今回、電通OBやメディア関係者などから情報を得るため取材班は、幅広く取材を進めました。
ある日の赤旗編集局の経済部。折り返しの電話がかかってくるかもしれないと、念のため机の上に置いてあった携帯が鳴りだしました。
「なにかご用でしょうか」
電話の相手は、電通グループ副社長の桜井俊氏でした。
「持続化給付金の件について、コメントをお願いしたいのですが」と単刀直入に質問すると桜井氏は、「その件は、広報に一元化しているので」とすぐに、電話を切られてしまいした。
桜井氏は、元郵政・総務官僚で、総務事務次官を経て、電通グループ代表取締役副社長になった人物です。電通と中央官庁との人脈は広く、深いものがあります。
経済産業省発注の事業が、なぜサービスデザイン推進協議会を通じて電通に丸投げされたのでしょうか。
かつて、広告業界に席を置いてた本間龍氏は、「電通の名前を最初から出したくなかったんでしょうね。じゃないと何でもかんでも電通になってしまう。だからワンクッション入れて電通の名を隠すわけですよ」と指摘します。



持続化給付金申請サポート会場=6月、東京都内

構造的関係
まさに、隠れみのを着た黒子役。本間氏は、舞台の背景になっている電通と中央官庁の構造的関係を次のように指摘します。
「丸投げするだけで精いっぱいの官庁と、仕事を取りたいだけの電通が、がっちりかみ合っているわけですよ。コロナ禍という緊急なものは特にね。利害関係が完全に一致しているわけですよ。被害を受けるのは国民です」
持続化給付金事業以外にも、経産省から一般社団法人を経由して電通に再委託された事業が2015年から20年までの6年間に1415億円に達していることが明らかになっています。
この「丸投げ構図」は常態化していることを示しています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年9月17日付掲載


今回の持続化給付金などの国の事業の委託。直に電通に委託すると、あまりにも露骨なので、「サービスデザイン推進協議会」などをでっちあげて電通へ。
その電通も、また下請けへ。苦労もせずに利益だけが電通に転がり込む仕組み。

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