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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ジェンダー平等へ向かう世界 中国のLGBTQ運動 平等・尊厳求めて① 「本当の自分」受け入れて

2022-01-14 07:10:05 | 国際政治
ジェンダー平等へ向かう世界 中国のLGBTQ運動 平等・尊厳求めて① 「本当の自分」受け入れて
人ロ14億人の中国では、約7000万人のLGBTQ(性的少数者)がいるとされます。しかし、自らが当事者だと名乗る人はまだ少数です。これまでの社会通念や偏見にさらされるなか、当事者の権利向上を求め、活動する人たちがいます。
(北京=小林拓也 写真も)

北京市内でLGBTQに関する活動を訪ねました。40人以上の当事者らが映画を鑑賞し、経験を交流していました。ほとんどが20代、30代の若い世代。子どものときに同性愛者だと自覚しても誰にも話せなかったことなど、お互いに話を真剣に語り合いました。



出色伙伴の活動に参加した人たち=2021年11月14日、北京

中国LGBTQの現状
国際的な流れに伴い、同性愛行為を刑罰の対象から外し(1997年)、同性愛を精神疾病として分類することも2001年にはなくなりました。一方、結婚して子どもを産むのが当然という伝統的通念が強く、LGBTQ当事者が名乗り出るのは困難があります。婚姻法は「男女双方の完全な自由意思によるもの」と定めており、裁判所は「婚姻は男女のみ」と判断して同性婚を認めていません。昨年夏、中国の通信アプリ「微信」で、LGBTQの学生団体などが運営するアカウントが相次いで閉鎖されるなど、当局による管理も厳しくなっています。

1時間議論
「もっとLGBTQのことを宣伝し、社会の意識を変えていくべきだ」「中国でも同性婚の合法化はいずれ実現するだろう」などの積極的な意見も出て、議論は1時間以上に及びました。
活動を主催したのは「出色伙伴・北京」。出色伙伴は、同性婚の合法化実現などLGBTQ当事者にとって平等で尊厳ある社会をつくるために活動を展開しています。本部は広東省広州にあり、全国約70の都市で活動。中心となり活動するボランティアの登録数は約1万人といいます。
出色伙伴・北京で代表を務める路瑞海(ろ・ずいかい)氏によると、北京では登録ボランティアは166人で、SNSなどで1000人以上の仲間とつながっています。当事者では多くが20代、30代。当事者の親も50人ほど参加しています。
活動は、年に1度の大宴会、当事者と家族の交流会、映画鑑賞会、お花見、スポーツ交流など多岐にわたります。
家族に自分がLGBTQであることを伝えるカミングアウトの経験を、本人や親に自ら語ってもらう活動などを重視しています。路氏は「親に受け入れてもらうことは最も重要だ。親は本人にとって最大の味方になる。また、親たちは活動の支援者になってくれる」と語ります。

課題は多い
一方、路氏は「活動に課題は多い」といいます。「北京では100万人以上のLGBTQがいると思われるが、つながっている人数はまだまだ不十分だ」と指摘。また、「出色伙伴の影響力は都市に限られ、農村では活動ができていない」と話します。保守的な社会通念が残る農村では、当事者は誰にも語ることができず、親に言われた相手と結婚・出産する人も多いといいます。
また近年、政府のNGOに対する規制が厳しくなり、公益組織は政府に登録ができず、活動が制約されるようになりました。出色伏伴の本部はインターネット関連企業として登録し活動しています。
団体はもともと2008年から「同性恋親友会(同性愛者の家族と友人の会)」として活動していましたが、昨年4月に「出色伙伴」に名前を変えました。英語の「True Self(本当の自分)」の中国語訳で、本当の自分を家族や友人、社会に受け入れてほしいという思いを込めています。当事者や家族だけでなく、さらに幅広い人たちに活動に参加してもらうのが目的です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月12日付掲載


民主主義が制限されてる中国でもLGBTQの運動は起こっているのですね。
国際的な流れに伴い、同性愛行為を刑罰の対象から外し(1997年)、同性愛を精神疾病として分類することも2001年にはなくなりました。一方、結婚して子どもを産むのが当然という伝統的通念が強く、LGBTQ当事者が名乗り出るのは困難。
出色伙伴の影響力は都市に限られ、農村では活動ができていない。北京でもつながっているのはごく一部。


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