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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ジェンダー平等へ向かう世界 エジプト遊牧民ベトウィン 権利向上求める女性③ 夢のために教育促進

2022-01-13 07:10:28 | 国際政治
ジェンダー平等へ向かう世界 エジプト遊牧民ベトウィン 権利向上求める女性③ 夢のために教育促進
エジプトのシナイ半島東部に位置し、アカバ湾に面する町ヌエバ。ベドウィン女性のシヘム・サーレムさん(25)が働く「学習センター」に案内してもらうと、子どもたちがお絵描きをしていました。アラビア語や英語、算数も学びます。学校帰りのべドウィンの子どもと、子育て中の女性らへの教育支援をしています。



悲しい思い
シヘムさんは約3カ月前、この活動に加わりました。特に女性の教育機会を促進するために頑張りたいと言います。教育を受けさせてもらえず、読み書きができない女性が少なくないからです。
「ベドウィン社会での女性の立場に悲しい思いをたくさんしてきた。女性たちが本来あるべき権利を享受できる助けになりたい」
シヘムさんは、女性は家庭にいるべきという考えが根強くあると同時に、男性も十分な教育を受けていないために教育の重要性を認識していないと指摘します。男性支配社会で、父親らが反対すれば多くの女性は従わざるを得ません。
学習センターを運営するのはシヘムさんの友人の両親で、イタリア出身のロレナ・ランカティさん(57)とエジプトの首都カイロ出身のマージッド・サイードさん(60)です。2人は結婚後にヌエバに移住し、1994年から宿泊施設を営んできました。
マージッドさんは「ベドウィンは服と食料があり、ともに生きる者が善人であれば満足と言う。その素朴な生き方は、私たちの暮らしを変えた。私たちもベドウィンを支えたいと思った」と言います。2人は2013年に学習センターを開設しました。
シヘムさんは子どものころから、ベドウィン社会を尊重してしきたりに干渉せず、知識や経験を交換する姿勢に徹する2人の活動を見てきました。
「ロレナさんとマージッドさんに感謝している。ベドウィンの人びとも2人を尊重し、良好な関係を築いている。私もベドウィン社会を発展させる活動に加わりたかった」



学習センターでお絵描きするベドウィンの子ども


女性の教育の機会を促進したいと話すシヘム・サーレムさん

進学難しく
シヘムさんはカイロにある大学を卒業しました。しかし、その実現は容易でありませんでした。
シヘムさんは「外の世界を見たい」と願い、進学への思いを伝えると両親は反対しました。村の人びとは拒否するよう家族を説得しょうとしました。それでもシヘムさんは両親に進学への思いを訴え続け、目標をかなえることができました。
一方で友人の多くは進学を許されませんでした。「彼女たちは学問でも仕事でも素晴らしい能力を発揮できたはずなのに、結婚のために家にとどまらなくてはならなかった。私は夢を奪うしきたりには反対しようと女性たちに訴えている。私の考えを受け入れない人は多いが、私は自分の役割を果たす」
ロレナさんは「いつか学習センターで学んだ子どもたちが私たちの活動を担ってくれたらうれしい。そしてベドウィンの女性たちがより良い教育を受けて医師や看護師、技師などになれることを願っている」と語りました。
(ヌエバ〈エジプト北東部〉=秋山豊 写真も)
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月11日付掲載


シヘムさんは、女性は家庭にいるべきという考えが根強くあると同時に、男性も十分な教育を受けていないために教育の重要性を認識していないと指摘。
女性だからということで、学問する道が閉ざされる。教育をうけることで、社会に出て仕事するなど能力を発揮できる。
女性は家の中の仕事という概念を打破することが求められる。


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