2021年総選挙 目で見る経済⑨ 財源論 国債と税財政見直しで
国と地方の長期債務残高が2021年度末に1189兆円となる見通しのもと、財政への不安が高まっています。
緊急の支出に
国民の不安に乗じてか、財務省の矢野康治事務次官は『文芸春秋』11月号でコロナ禍の経済対策について「バラマキ合戦」などと椰楡(やゆ)しました。しかし、感染によって死者も続出し、経済も危機に陥っている緊急事態において、国債発行によって財源を確保し、対策をとるのは当然のことです。
ワクチン接種や大規模な検査、病床の確保、休業や時短営業への補償、生活が大変な世帯や事業者への支援、コロナで落ち込んだ消費の回復などの措置には、これから追加が必要なものだけでも20兆円超の財源が必要です。これらは臨時的かつ、急を要する支出のため、国債でまかないます。
恒久的財源も
コロナ危機対応のような、一時的・臨時的なものとは違い、社会保障や教育予算の拡充、消費税の減税など、恒常的に必要となる政策には恒久的な財源を確保する必要があります。日本共産党が提案する消費税の税率5%への減税をはじめ、コロナで浮き彫りになった医療・保健の脆弱(ぜいじゃく)性の克服、ケア労働の待遇改善、高等教育の学費半減、中小企業や農業への支援などには、あわせて毎年19兆円程度が必要です。
毎年6000億円規模に上る研究開発減税をはじめ、大企業優遇税制の見直しで4兆円以上の財源を生み出すことができます。また、安倍晋三政権発足以降、毎年のように法人税率が引き下げられました。アメリカのバイデン政権同様、日本でも中小企業を除き法人税率を28%の水準に戻せば、国・地方合わせて3兆円以上の財源となります。
富裕層の所得の多くを占める株の配当や譲渡益にかかる税率が、所得税・住民税合わせて20%と低いために、富裕層の所得税負担率が低くなっています。株式配当を総合累進課税とし、株式譲渡所得は高額部分を欧米並みの30%の税率にします。所得税・住民税合わせた最高税率を現在の55%から65%に引き上げます。最高税率は課税所得3000万円超の部分とし、10万人前後の富裕層が対象です。
純資産で5億円を超える部分に毎年課税する低率の富裕税を創設します。対象は1000人に1人程度の富裕層です。多額の為替取引に対して低率で課税する為替取引税を創設します。
税制や歳出の改革で財源を確保しながら、社会保障や教育予算の拡充を進めれば、消費税増税にも頼らず、国債発行を今以上に大きく増やすこともありません。さらに、経済成長による税収増があれば、国債発行額を減らすことも可能になるのです。
(清水渡)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年10月23日付掲載
新型コロナなどの緊急対策には国債で対応します。
社会保障の充実、教育の負担軽減、消費税減税などには恒久財源で。
大企業の優遇税制の見直しで4兆円。法人税率を元の28%に戻すことで3兆円。株の配当や譲渡所得を総合累進課税にします。所得税・住民税の最高税率を55%から65%に引き上げる。不要不急の公共事業を中止、敵基地攻撃能力のある武器の購入をやめる。などなどで、19兆円を確保できます。
国と地方の長期債務残高が2021年度末に1189兆円となる見通しのもと、財政への不安が高まっています。
緊急の支出に
国民の不安に乗じてか、財務省の矢野康治事務次官は『文芸春秋』11月号でコロナ禍の経済対策について「バラマキ合戦」などと椰楡(やゆ)しました。しかし、感染によって死者も続出し、経済も危機に陥っている緊急事態において、国債発行によって財源を確保し、対策をとるのは当然のことです。
ワクチン接種や大規模な検査、病床の確保、休業や時短営業への補償、生活が大変な世帯や事業者への支援、コロナで落ち込んだ消費の回復などの措置には、これから追加が必要なものだけでも20兆円超の財源が必要です。これらは臨時的かつ、急を要する支出のため、国債でまかないます。
恒久的財源も
コロナ危機対応のような、一時的・臨時的なものとは違い、社会保障や教育予算の拡充、消費税の減税など、恒常的に必要となる政策には恒久的な財源を確保する必要があります。日本共産党が提案する消費税の税率5%への減税をはじめ、コロナで浮き彫りになった医療・保健の脆弱(ぜいじゃく)性の克服、ケア労働の待遇改善、高等教育の学費半減、中小企業や農業への支援などには、あわせて毎年19兆円程度が必要です。
毎年6000億円規模に上る研究開発減税をはじめ、大企業優遇税制の見直しで4兆円以上の財源を生み出すことができます。また、安倍晋三政権発足以降、毎年のように法人税率が引き下げられました。アメリカのバイデン政権同様、日本でも中小企業を除き法人税率を28%の水準に戻せば、国・地方合わせて3兆円以上の財源となります。
富裕層の所得の多くを占める株の配当や譲渡益にかかる税率が、所得税・住民税合わせて20%と低いために、富裕層の所得税負担率が低くなっています。株式配当を総合累進課税とし、株式譲渡所得は高額部分を欧米並みの30%の税率にします。所得税・住民税合わせた最高税率を現在の55%から65%に引き上げます。最高税率は課税所得3000万円超の部分とし、10万人前後の富裕層が対象です。
純資産で5億円を超える部分に毎年課税する低率の富裕税を創設します。対象は1000人に1人程度の富裕層です。多額の為替取引に対して低率で課税する為替取引税を創設します。
税制や歳出の改革で財源を確保しながら、社会保障や教育予算の拡充を進めれば、消費税増税にも頼らず、国債発行を今以上に大きく増やすこともありません。さらに、経済成長による税収増があれば、国債発行額を減らすことも可能になるのです。
(清水渡)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年10月23日付掲載
新型コロナなどの緊急対策には国債で対応します。
社会保障の充実、教育の負担軽減、消費税減税などには恒久財源で。
大企業の優遇税制の見直しで4兆円。法人税率を元の28%に戻すことで3兆円。株の配当や譲渡所得を総合累進課税にします。所得税・住民税の最高税率を55%から65%に引き上げる。不要不急の公共事業を中止、敵基地攻撃能力のある武器の購入をやめる。などなどで、19兆円を確保できます。
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