日本の実質GDP 年率で4.8%増 2四半期連続でプラスになったが・・・。庶民はあまり実感が沸かない!
それもそのはず。労働者の賃金はあいもかわらず低迷しているからだ。
「しんぶん赤旗」日刊紙の11月17日付けに解説記事が掲載
GDP速報値について
「くらしと経済研究室」主宰 山家悠紀夫さんに聞く
輸出主導「昔ながらの回復」 家計・雇用いぜん低水準
内閣府が16日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の結果について、「暮らしと経済研究室」を主宰する山家悠紀夫さん(元第一勧銀総研専務理事、前神戸大学大学院教授)に聞きました。
実質成長率がプラスになったのは、物価が下がっているためです。名目成長率を見ると、6四半期連続でマイナスになっています。物価は、景気が悪くて下落しているわけですから、この影響が大きいといえます。
需要の先食い実質でプラス成長になった理由としては、一つは海外要因です。
中国などアジア向けを中心にして輸出が増えています。二つ目は、大企業の在庫調整が進んだことです。去年の後半から、激しい生産調整で在庫を減らしてきました。三つ目は、政府の景気対策が一時的にせよ、利いているということですね。耐久財の消費が増えていますが、省エネ自動車への減税措置や、エコポイントなどの政策によるものです。しかし、これは需要の先食いであり、一時的なものにすぎません。
これらの状況をみると、輸出主導型の「昔ながらの回復」になりそうだ、といわざるをえません。
大企業側の経営環境は良くなってきていますが、中小企業の回復は遅れています。家計の所得は落ち込んでいます。雇用者報酬は減り、今年の冬のポーナスは、大幅なマイナスになると見込まれています。失業率は、依然として高水準で推移しています。今は、一時的な消費に助けられていますが、今後は、その反動減が予想されます。
このままでは、たとえ景気が「回復」しても、家計に回らないという従来型の「回復」になります。ですから、国内の消費環境をどう改善していくかが、政策的な課題になります。
歯止めが必要大企業が安易に人減らしをすることに対して、歯止めをかける必要があります。また、労働法制の改定が必要です。労働組合の役割も重要です。正社員だけでなく、非正規社員の問題にまで幅を広げて、努力していく必要があります。企業側も、きちんと対応して雇用を維持する必要があります。そうすれば、もう一回、景気が落ち込むということを防ぐことができます。
今年の暮れも厳しい雇用状況が予想されていますが、国だけでなく自治体も含めて、去年、民間でやった「派遣村」のような窓口を設けて、対策をとる必要があると思います。
【関連記事】
7~9月期の実質GDP、年率4.8%増 2四半期連続プラス(日経)
経済対策の効果で個人消費が引き続き伸びたほか、アジア向けを中心とした輸出の回復がGDP成長率をけん引した。内需の成長率への寄与度はプラス0.8ポイント。6四半期ぶりにプラスへ転じた。エコカー減税やエコポイント制度といった政策効果で個人消費が前期比0.7%増えた。設備投資は1.6%の増加。4~6月期に大きく伸びた公共投資は1.2%減少した。厳しい雇用・所得環境を背景に、住宅投資は7.7%減少。民間在庫の寄与度はプラス0.4ポイントだった。
輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度はプラス0.4ポイント。輸出は前期比6.4%増加、輸入は3.4%増加した。輸入が増加に転じたことで寄与度のプラス幅は縮小した。
実質GDP年率4.8%増 2期連続プラス 7~9月期(朝日)
国内、海外の需要回復を受け、民間エコノミストなどの予想を大幅に上回った。菅直人副総理兼経済財政相は同日の記者会見で「世界経済の改善や個人消費、設備投資の持ち直しで予想以上の成長率となったが、雇用情勢は厳しく、手放しで喜べるとは思ってはいない」と指摘。雇用や環境関連に重点を置いた09年度2次補正予算の策定を急ぐ考えを示した。
実質GDPを構成する主要項目の内訳を見ると、GDPの50%超を占める個人消費は前期比0.7%増と2期連続のプラス。政府の景気対策の効果で、乗用車や薄型テレビの販売増が続いている。輸出は6.4%増で2期連続のプラス。自動車の買い替え支援策を行った米国向けの自動車関連製品や、景気が回復している中国などアジアへの電機関連製品の輸出が増えた。
物価の動きを反映する名目GDPは前期比0.1%減、年率換算で0.3%減で、6期連続のマイナス。消費低迷で企業の価格競争が激化し、物価下落が進んでいることが背景にある。名目GDPの減少は、企業の利益や賃金が伸び悩んでいることを示しており、景気回復の実感が広がりにくくなっている。
一般紙も輸出依存型の景気回復であること。エコ減税などの一時的な消費であることを認めているようです。
民主党の菅さんも認めているように「非正規切り」など、雇用情勢はあいかわらず厳しく、本当の景気回復のためには、ここの改善が不可欠のようですね。
それもそのはず。労働者の賃金はあいもかわらず低迷しているからだ。
「しんぶん赤旗」日刊紙の11月17日付けに解説記事が掲載
GDP速報値について
「くらしと経済研究室」主宰 山家悠紀夫さんに聞く
輸出主導「昔ながらの回復」 家計・雇用いぜん低水準
内閣府が16日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の結果について、「暮らしと経済研究室」を主宰する山家悠紀夫さん(元第一勧銀総研専務理事、前神戸大学大学院教授)に聞きました。
実質成長率がプラスになったのは、物価が下がっているためです。名目成長率を見ると、6四半期連続でマイナスになっています。物価は、景気が悪くて下落しているわけですから、この影響が大きいといえます。
需要の先食い実質でプラス成長になった理由としては、一つは海外要因です。
中国などアジア向けを中心にして輸出が増えています。二つ目は、大企業の在庫調整が進んだことです。去年の後半から、激しい生産調整で在庫を減らしてきました。三つ目は、政府の景気対策が一時的にせよ、利いているということですね。耐久財の消費が増えていますが、省エネ自動車への減税措置や、エコポイントなどの政策によるものです。しかし、これは需要の先食いであり、一時的なものにすぎません。
これらの状況をみると、輸出主導型の「昔ながらの回復」になりそうだ、といわざるをえません。
大企業側の経営環境は良くなってきていますが、中小企業の回復は遅れています。家計の所得は落ち込んでいます。雇用者報酬は減り、今年の冬のポーナスは、大幅なマイナスになると見込まれています。失業率は、依然として高水準で推移しています。今は、一時的な消費に助けられていますが、今後は、その反動減が予想されます。
このままでは、たとえ景気が「回復」しても、家計に回らないという従来型の「回復」になります。ですから、国内の消費環境をどう改善していくかが、政策的な課題になります。
歯止めが必要大企業が安易に人減らしをすることに対して、歯止めをかける必要があります。また、労働法制の改定が必要です。労働組合の役割も重要です。正社員だけでなく、非正規社員の問題にまで幅を広げて、努力していく必要があります。企業側も、きちんと対応して雇用を維持する必要があります。そうすれば、もう一回、景気が落ち込むということを防ぐことができます。
今年の暮れも厳しい雇用状況が予想されていますが、国だけでなく自治体も含めて、去年、民間でやった「派遣村」のような窓口を設けて、対策をとる必要があると思います。
【関連記事】
7~9月期の実質GDP、年率4.8%増 2四半期連続プラス(日経)
経済対策の効果で個人消費が引き続き伸びたほか、アジア向けを中心とした輸出の回復がGDP成長率をけん引した。内需の成長率への寄与度はプラス0.8ポイント。6四半期ぶりにプラスへ転じた。エコカー減税やエコポイント制度といった政策効果で個人消費が前期比0.7%増えた。設備投資は1.6%の増加。4~6月期に大きく伸びた公共投資は1.2%減少した。厳しい雇用・所得環境を背景に、住宅投資は7.7%減少。民間在庫の寄与度はプラス0.4ポイントだった。
輸出から輸入を差し引いた外需の寄与度はプラス0.4ポイント。輸出は前期比6.4%増加、輸入は3.4%増加した。輸入が増加に転じたことで寄与度のプラス幅は縮小した。
実質GDP年率4.8%増 2期連続プラス 7~9月期(朝日)
国内、海外の需要回復を受け、民間エコノミストなどの予想を大幅に上回った。菅直人副総理兼経済財政相は同日の記者会見で「世界経済の改善や個人消費、設備投資の持ち直しで予想以上の成長率となったが、雇用情勢は厳しく、手放しで喜べるとは思ってはいない」と指摘。雇用や環境関連に重点を置いた09年度2次補正予算の策定を急ぐ考えを示した。
実質GDPを構成する主要項目の内訳を見ると、GDPの50%超を占める個人消費は前期比0.7%増と2期連続のプラス。政府の景気対策の効果で、乗用車や薄型テレビの販売増が続いている。輸出は6.4%増で2期連続のプラス。自動車の買い替え支援策を行った米国向けの自動車関連製品や、景気が回復している中国などアジアへの電機関連製品の輸出が増えた。
物価の動きを反映する名目GDPは前期比0.1%減、年率換算で0.3%減で、6期連続のマイナス。消費低迷で企業の価格競争が激化し、物価下落が進んでいることが背景にある。名目GDPの減少は、企業の利益や賃金が伸び悩んでいることを示しており、景気回復の実感が広がりにくくなっている。
一般紙も輸出依存型の景気回復であること。エコ減税などの一時的な消費であることを認めているようです。
民主党の菅さんも認めているように「非正規切り」など、雇用情勢はあいかわらず厳しく、本当の景気回復のためには、ここの改善が不可欠のようですね。
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