改定マイナンバー法 問題山積 命名権も侵害か 戸籍に「振り仮名」混乱の火種
参院で成立した改定マイナンバー法には、保険証を廃止しマイナンバーカードを強要する問題のほかに、デジタル化推進を名目に戸籍への「氏名の振り仮名」を追加する戸籍法の改定が盛り込まれています。施行後1年で、国民すべての振り仮名を収集するという一大事業。マイナンバーカードをめぐるミスが続出するなか、さらなる混乱の火種になりかねません。
現在、戸籍の氏名には振り仮名は記載されていません。マイナンバーカードは戸籍情報を個人認証の基盤としており、振り仮名が追加されれば、マイナンバーカードの活用拡大にもつながります。
改定法では、戸籍の記載事項に「氏名の振り仮名」を追加します。氏名の振り仮名はコ般的に認められているもの」でなければならないとし、詳細は、法務省の通達などで示されます。
今後生まれてくる子の名は、行政が「一般的な読み方」であるかどうか審査することになります。氏名は個人の人格を象徴するもので、行政による審査は、命名権の侵害に当たりかねません。
保険証廃止法撤回求め声を上げる人たち=5月29日、衆院議員会館前
「ご入力避けられぬ」
すでに戸籍に入っている人は、改定法の施行後1年以内に、振り仮名を本籍地の市区町村に届けることができます。1年以内に届け出がなかった場合、本籍地の市区町村は住民票などの情報を参考に、戸籍に記載する振り仮名を本人に通知。それを変更したければ家庭裁判所の許可なく変更の届け出ができます。
ただし、「あらかじめ通知することが困難である場合は、この限りではない」としており、確実に本人に通知が届くとは限りません。また、通知を見逃すなど、現に使っている読み方とは異なる振り仮名が記載される可能性は否定できません。
全国民の戸籍に氏名の振り仮名を付けるという膨大な作業の中で、誤入力などのミスも懸念されます。実務を国から押し付けられる自治体の職員からは「膨大な数の振り仮名を短期間で戸籍に入力するなんてむちゃだ。誤入力は避けられない」と憤りの声があがります。
実際、医療機関では保険証の資格確認をオンラインで行う際に、保険証に記載された振り仮名と、オンライン上のデータの振り仮名が異なっていたという問題が起きでいます。「ヨと「ョ」、「ユ」と「ュ」という違いでも、健康保険情報が,「不一致」となってしまうのです。誤入力によって同様のトラブルが、銀行口座開設時の本人確認でも生じる恐れがあります。
デジタル化を名目として無理な作業を現場に押し付ければ、さらなるトラブルになりかねません。
改定戸籍法は公布から2年以内に施行されます。
(森糸信)
「10割負担」解決策なし
宮本徹氏 「保険証廃止は中止を」 衆院特別委
日本共産党の宮本徹議員は2日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、健康保険証を廃止すれば、マイナ保険証による医療現場のトラブルはさらに深刻になると指摘し、「健康保険証の廃止は中止すべきだ」と迫りました。
宮本氏は、保団連の調査で、ICチップが壊れるなど本人の資格確認ができず、窓口で10割負担を求めた例が393件にのぼると指摘し、「保険料を納め、マイナ保険証を提示しているのに、さまざまな不備によって、窓口10割負担を求められるようなことはあってはならない」と迫りました。
質問する宮本徹議員=6月2日、衆院地デジ・厚労連合審査
加藤勝信厚生労働相は「弾力的に3割等の自己負担に合わせた対応が取られるよう、いま医療の関係者の方と調整をさせてもらっている」と述べました。
宮本氏は、健康保険法と規則では資格が明らかでない人は10割負担としており、医療現場からは初診の患者に未収金を覚悟で3割負担はできないと声が出ていると指摘。加藤厚労相は「そうした懸念の声があることも承知していることも踏まえ、具体的なやり方を調整させていただきたい」と述べるだけで、具体的な解決策を示しませんでした。
宮本氏は、健康保険証を廃止した場合、資格確認書の申請がない人への職権での発行は自治体の大きな負担になり、修学旅行などで健康保険証のコピーの代わりに資格確認書を持っていく場合、申請の子育て世代にも自治体にも大きな負担になると指摘。社会のさまざまな面で不便をもたらす健康保険証廃止は中止すべきだと強く求めました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月3日付掲載
戸籍上の氏名の読み方。今後生まれてくる子の名は、行政が「一般的な読み方」であるかどうか審査することに。
近年、個性的な命名が増えてきています。それをすべてチェックして入力。マイナ保険証にもふりがな。土台無理なこと。
さらにマイナ保険証のICチップの不備で10割負担なんて論外だ。
参院で成立した改定マイナンバー法には、保険証を廃止しマイナンバーカードを強要する問題のほかに、デジタル化推進を名目に戸籍への「氏名の振り仮名」を追加する戸籍法の改定が盛り込まれています。施行後1年で、国民すべての振り仮名を収集するという一大事業。マイナンバーカードをめぐるミスが続出するなか、さらなる混乱の火種になりかねません。
現在、戸籍の氏名には振り仮名は記載されていません。マイナンバーカードは戸籍情報を個人認証の基盤としており、振り仮名が追加されれば、マイナンバーカードの活用拡大にもつながります。
改定法では、戸籍の記載事項に「氏名の振り仮名」を追加します。氏名の振り仮名はコ般的に認められているもの」でなければならないとし、詳細は、法務省の通達などで示されます。
今後生まれてくる子の名は、行政が「一般的な読み方」であるかどうか審査することになります。氏名は個人の人格を象徴するもので、行政による審査は、命名権の侵害に当たりかねません。
保険証廃止法撤回求め声を上げる人たち=5月29日、衆院議員会館前
「ご入力避けられぬ」
すでに戸籍に入っている人は、改定法の施行後1年以内に、振り仮名を本籍地の市区町村に届けることができます。1年以内に届け出がなかった場合、本籍地の市区町村は住民票などの情報を参考に、戸籍に記載する振り仮名を本人に通知。それを変更したければ家庭裁判所の許可なく変更の届け出ができます。
ただし、「あらかじめ通知することが困難である場合は、この限りではない」としており、確実に本人に通知が届くとは限りません。また、通知を見逃すなど、現に使っている読み方とは異なる振り仮名が記載される可能性は否定できません。
全国民の戸籍に氏名の振り仮名を付けるという膨大な作業の中で、誤入力などのミスも懸念されます。実務を国から押し付けられる自治体の職員からは「膨大な数の振り仮名を短期間で戸籍に入力するなんてむちゃだ。誤入力は避けられない」と憤りの声があがります。
実際、医療機関では保険証の資格確認をオンラインで行う際に、保険証に記載された振り仮名と、オンライン上のデータの振り仮名が異なっていたという問題が起きでいます。「ヨと「ョ」、「ユ」と「ュ」という違いでも、健康保険情報が,「不一致」となってしまうのです。誤入力によって同様のトラブルが、銀行口座開設時の本人確認でも生じる恐れがあります。
デジタル化を名目として無理な作業を現場に押し付ければ、さらなるトラブルになりかねません。
改定戸籍法は公布から2年以内に施行されます。
(森糸信)
「10割負担」解決策なし
宮本徹氏 「保険証廃止は中止を」 衆院特別委
日本共産党の宮本徹議員は2日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、健康保険証を廃止すれば、マイナ保険証による医療現場のトラブルはさらに深刻になると指摘し、「健康保険証の廃止は中止すべきだ」と迫りました。
宮本氏は、保団連の調査で、ICチップが壊れるなど本人の資格確認ができず、窓口で10割負担を求めた例が393件にのぼると指摘し、「保険料を納め、マイナ保険証を提示しているのに、さまざまな不備によって、窓口10割負担を求められるようなことはあってはならない」と迫りました。
質問する宮本徹議員=6月2日、衆院地デジ・厚労連合審査
加藤勝信厚生労働相は「弾力的に3割等の自己負担に合わせた対応が取られるよう、いま医療の関係者の方と調整をさせてもらっている」と述べました。
宮本氏は、健康保険法と規則では資格が明らかでない人は10割負担としており、医療現場からは初診の患者に未収金を覚悟で3割負担はできないと声が出ていると指摘。加藤厚労相は「そうした懸念の声があることも承知していることも踏まえ、具体的なやり方を調整させていただきたい」と述べるだけで、具体的な解決策を示しませんでした。
宮本氏は、健康保険証を廃止した場合、資格確認書の申請がない人への職権での発行は自治体の大きな負担になり、修学旅行などで健康保険証のコピーの代わりに資格確認書を持っていく場合、申請の子育て世代にも自治体にも大きな負担になると指摘。社会のさまざまな面で不便をもたらす健康保険証廃止は中止すべきだと強く求めました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年6月3日付掲載
戸籍上の氏名の読み方。今後生まれてくる子の名は、行政が「一般的な読み方」であるかどうか審査することに。
近年、個性的な命名が増えてきています。それをすべてチェックして入力。マイナ保険証にもふりがな。土台無理なこと。
さらにマイナ保険証のICチップの不備で10割負担なんて論外だ。
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