2024年度 概算要求の焦点⑨ 軍事費 長射程ミサイルに巨費
2024年度の防衛省の概算要求は7兆7385億円で、過去最大だった23年度当初予算より9166億円の増額となりました。10年連続で過去最大を更新しました。
対米公約優先
政府は昨年末、米国の要求を受けて安保3文書に23~27年度に軍事費43兆円を確保すると明記。今回の概算要求は同方針を踏まえて軍事費を突出して増やしており、物価高騰で市民生活が危機に陥るなか、対米公約を最優先にしています。
敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの関連経費が並びます。音速の5倍以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を計上。射程1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」は、開発費(174億円)や量産費(474億円)のみならず、地上発射用の弾頭や発射装置の取得費、護衛艦に搭載するための器材調達費も盛り込みました。誘導性能を高め、長射程化する「精密誘導弾」の開発に320億円を要求しました。
敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」にも巨額の予算を充てます。極超音速滑空弾を迎撃する新型ミサイル「GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)」の日米共同開発に750億円を新規計上。イージス・システム搭載艦2隻の建造費として3797億円を要求。同艦の1隻あたりの経費は約3950億円に上り、当初計画していた陸上イージスの導入経費の3倍以上に膨れました。


イージス・システム搭載艦(イメージ図=防衛省概算要求資料から)
ツケ払い膨張
軍事費急増に伴って、新たなツケ払いとなる「新規後年度負担」も7兆8787億円と過去最大を更新。軍事ローンが膨らむことで、将来の財政が硬直化し、暮らしに直結する予算を圧迫します。
陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」(約240人規模)の創設を明記。米インド太平洋司令部のカウンターパートになります。陸海空共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を創設し、南西諸島への輸送力を強化します。
弾薬費として計9303億円を計上。新たに5カ所の司令部の地下化に176億円、弾薬庫4カ所の新設に221億円を充てます。
イタリア、英国との次期戦闘機の共同開発を管理する国際機関への拠出金40億円を盛り込みました。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年9月23日付掲載
敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの関連経費が並びます。音速の5倍以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を計上。射程1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」は、開発費(174億円)や量産費(474億円)のみならず、地上発射用の弾頭や発射装置の取得費、護衛艦に搭載するための器材調達費も盛り込む。
まさに、軍事費はシルクロードの「西域」ならず、国家予算の「聖域」に。
国民向けの予算を圧迫しています。
2024年度の防衛省の概算要求は7兆7385億円で、過去最大だった23年度当初予算より9166億円の増額となりました。10年連続で過去最大を更新しました。
対米公約優先
政府は昨年末、米国の要求を受けて安保3文書に23~27年度に軍事費43兆円を確保すると明記。今回の概算要求は同方針を踏まえて軍事費を突出して増やしており、物価高騰で市民生活が危機に陥るなか、対米公約を最優先にしています。
敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの関連経費が並びます。音速の5倍以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を計上。射程1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」は、開発費(174億円)や量産費(474億円)のみならず、地上発射用の弾頭や発射装置の取得費、護衛艦に搭載するための器材調達費も盛り込みました。誘導性能を高め、長射程化する「精密誘導弾」の開発に320億円を要求しました。
敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」にも巨額の予算を充てます。極超音速滑空弾を迎撃する新型ミサイル「GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)」の日米共同開発に750億円を新規計上。イージス・システム搭載艦2隻の建造費として3797億円を要求。同艦の1隻あたりの経費は約3950億円に上り、当初計画していた陸上イージスの導入経費の3倍以上に膨れました。


イージス・システム搭載艦(イメージ図=防衛省概算要求資料から)
ツケ払い膨張
軍事費急増に伴って、新たなツケ払いとなる「新規後年度負担」も7兆8787億円と過去最大を更新。軍事ローンが膨らむことで、将来の財政が硬直化し、暮らしに直結する予算を圧迫します。
陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」(約240人規模)の創設を明記。米インド太平洋司令部のカウンターパートになります。陸海空共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を創設し、南西諸島への輸送力を強化します。
弾薬費として計9303億円を計上。新たに5カ所の司令部の地下化に176億円、弾薬庫4カ所の新設に221億円を充てます。
イタリア、英国との次期戦闘機の共同開発を管理する国際機関への拠出金40億円を盛り込みました。(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年9月23日付掲載
敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの関連経費が並びます。音速の5倍以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を計上。射程1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」は、開発費(174億円)や量産費(474億円)のみならず、地上発射用の弾頭や発射装置の取得費、護衛艦に搭載するための器材調達費も盛り込む。
まさに、軍事費はシルクロードの「西域」ならず、国家予算の「聖域」に。
国民向けの予算を圧迫しています。
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