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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2024年度 概算要求の焦点⑥ 雇用 “使えない”賃上げ政策

2023-09-26 07:09:50 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2024年度 概算要求の焦点⑥ 雇用 “使えない”賃上げ政策
岸田文雄首相は内閣改造後の記者会見で物価上昇を上回る賃上げを掲げたものの、2024年度の厚生労働省の雇用にかかわる概算要求は極めて貧弱な中身になっています。
中小企業の賃上げを支援するための「業務改善助成金」は23年度当初予算比3億円増の13億円です。22年度の同制度の支援実績は、約360万の事業所数に対し5672件しかありません。もともと生産性向上に資する設備投資が支援要件になっているためハードルが高く、大部分の事業所にとって使えない制度となっています。

中小支援なく
一方、複数の地方最低賃金審議会が要望している社会保険料の事業主負担の軽減など、物価高騰の影響を受けている全ての中小企業を対象とした賃上げ支援策はありません。
岸田首相は「成長戦略」としてリスキリング(学び直し)を掲げます。しかし非正規労働者を対象に月10万円の給付金と職業訓練を提供する「求職者支援制度」はわずか1億円増の269億円。従業員に職業訓練を受けさせる事業主向けの「人材開発支援助成金」は13億円減の645億円です。
岸田政権がIT(情報技術)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を成長分野と位置づけるなか、リスキリングの名でデジタル人材育成と同分野への「労働移動」を促す施策が多く盛り込まれています。
主に失業保険の受給者を対象とした公的職業訓練の予算規模は23年度と同水準の約1千億円です。ここでもデジタル分野への重点化が進んでいます。



暮らしていける賃金をとデモ行進する中央メーデー参加者=5月1日、東京都渋谷区



雇用破壊狙う
財界が狙う新たな雇用破壊と連動した予算要望も目立ちます。長期雇用を前提としない「ジョブ型制度」(職務給)の導入状況調査と導入に向けた周知・広報として6200万円(新規)、「副業・兼業に関する情報提供モデル事業」にも2900万円を求めています。副業・兼業の拡大は、賃下げや長時間労働をもたらす危険があります。
勤務地や職種・職務などを限定した「多様な正社員制度」(限定正社員)の導入拡大に5400万円を計上。非正規雇用労働者の正社員化を支援する「キャリアアップ助成金」にも、限定正社員制度を導入した企業への加算措置を導入するとしています。限定正社員は一般的な正社員より待遇は低いのに、責任は正社員と同じ水準が求められます。企業が地域、業務から撤退すれば、解雇される危険とも隣り合わせです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年9月20日付掲載


複数の地方最低賃金審議会が要望している社会保険料の事業主負担の軽減など、物価高騰の影響を受けている全ての中小企業を対象とした賃上げ支援策はありません。
岸田首相は「成長戦略」としてリスキリング(学び直し)を掲げます。しかし非正規労働者を対象に月10万円の給付金と職業訓練を提供する「求職者支援制度」はわずか1億円増の269億円。
長期雇用を前提としない「ジョブ型制度」(職務給)の導入状況調査と導入に向けた周知・広報として6200万円(新規)など、不安定雇用を増やす危険性。

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