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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

人権順守は企業の義務② 法的拘束力ある条約必要

2022-10-09 07:11:57 | 働く権利・賃金・雇用問題について
人権順守は企業の義務② 法的拘束力ある条約必要
労働者教育協会理事 筒井晴彦さん

国際条約案を討議する国連政府間作業部会に参加する代表の多数は、法的拘束力のある国際条約が必要でありかつ時宣にかなっているという点で一致しています。しかし、以下のような意見の違いがまだあります。

基礎となる基準
多くの政府代表は、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」や国際労働機関(ILO)条約、とりわけ国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(法的拘束力がない)を国際条約の基礎にすえるべきだと主張しています。
これに対し、多数の非政府組織(NGO)は、国連「ビジネスと人権指導原則」を乗り越えて法的拘束力のある基準へと発展させることの重要性を強調しています。
いくつかの政府代表は、「総意にもとつくアプローチが重要である」と強調し、「多様な視点を考慮できるようにもっと多くの政府代表が参加すること」を呼びかけています。
条約の適用範囲についてもまだ意見の違いがあります。気候変動などの環境問題や環境権のとりあつかいです。多くのNGOは、これらがきわめて重要な課題であり、むしろ強化されるべきであると強調しています。
これに対し、いくつかの代表は、「環境問題や環境権への言及は作業部会の権限を超えている」と主張しています。
こうした意見の違いはあるものの、多くの代表は、「作業部会の討議に建設的に参加していく」ことを約束するとともに、「条約案をさらに前進させるために、より多くの政府代表とステークホルダー(利害関係者)を参加させること」を呼びかけています。



要求を掲げてパレードするメーデー参加者=5月1日、東京都渋谷区

労組の役割重要
1970年代における多国籍企業規制のとりくみのなかで中心的役割を担っていたのは、学者・研究者でした。しかし、今日の規制のとりくみは、諸国政府と市民社会が主役です。80を超える国々と600を超える労働組合・NGOが条約づくりを推進しています。
いくつかの政府代表は「この間のプロセスの原動力になっているのは市民社会である」と発言し、市民社会の役割の重要性を指摘しています。
ことしの秋、第8回会合が開催される予定です。ひきつづき注目していきたいと思います。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月8日付掲載


多くの政府代表は、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」や国際労働機関(ILO)条約、とりわけ国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(法的拘束力がない)を国際条約の基礎にすえるべきだと主張。
これに対し、多数の非政府組織(NGO)は、国連「ビジネスと人権指導原則」を乗り越えて法的拘束力のある基準へと発展させることの重要性を強調。
1970年代における多国籍企業規制のとりくみのなかで中心的役割を担っていたのは、学者・研究者。しかし、今日の規制のとりくみは、諸国政府と市民社会が主役です。80を超える国々と600を超える労働組合・NGOが条約づくりを推進。
ここでも世界の構造変化が起こっています。


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