きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2023年度 補正予算案の問題点① 大軍拡の具体化加速

2023-11-25 08:01:09 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2023年度 補正予算案の問題点① 大軍拡の具体化加速

国会に20日提出された2023年度補正予算案は、支持率低迷にあえぐ岸田文雄内閣が政権浮揚を狙って策定した経済対策を裏付けるものです。同時に敵基地攻撃能力強化を中心とした大軍拡、米国の対中戦略に合わせた先端半導体産業育成など大企業への支援策が際立ちます。その問題点を検証します。
(3回連載です)

そもそも補正予算とはどういうものなのでしょう。財政法は29条で同予算を作成できる状況について次のように規定しています。「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」「予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合」。つまり、当初予算編成時には予期できなかった事態に対応するために補正予算が編成されるということです。しかし近年、翌年度の当初予算に盛り込むべきものが前倒しされて補正予算に計上されることが目立ってきました。その一つが軍事費です。
補正予算に巨額の軍事費が恒常的に盛り込まれるようになったのは第2次安倍晋三政権下の12年度からです。それ以前はアメリカにおける同時多発テロ事件を受けてテロ対策関連費用など420億円が計上された01年度くらいです。

毎年1000億円超す
12年度補正予算には「わが国周辺の安全保障環境が厳しさを増している」としてPAC3ミサイルの取得など軍事費に3124億円を計上。その後は毎年1000億円を超える規模の軍事費が補正予算に盛り込まれるようになりました。21年度には当時の最高額を更新する6873億円の軍事費が補正予算に計上されました。
補正予算への軍事費の計上は、22年12月に政府の安全保障政策に関する「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(安保関連3文書)が閣議決定されて新たな段階に入りました。「国家安全保障戦略」は27年度に軍事費を国内総生産(GDP)の2%に引き上げるよう定め、そのために「防衛力整備計画」は23年度から27年度に必要な軍事費を43兆円としました。その最初の具体化が23年度当初予算と補正予算です。




財源も特別扱い
23年度当初予算は過去最大となる6・6兆円もの軍事費を盛り込み、大軍拡への一歩となりました。補正予算には8130億円とこれまでの補正予算のなかで最大額となる軍事費を盛り込んだほか、軍拡財源となる防衛力強化資金に1兆4851億円を繰り入れました。また、歳入では税外収入7621億円のうち2222億円を「防衛力強化のための対応」として最初から軍事費の財源とする特別扱いぶりです。
軍拡の中心は敵基地攻撃能力の強化です。補正予算案にはスタンド・オフ・ミサイルの整備関連に1523億円が計上されています。23年度「防衛白書」にはスタンド・オフ・ミサイルの整備について、23年度までの中期防衛計画では0・2兆円規模だった事業を、27年度までの防衛力整備計画では5兆円と25倍化することが明記されています。長射程の同ミサイルは他国領域を先制攻撃できる兵器です。
(清水渡)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月22日付掲載


補正予算への軍事費の計上は、22年12月に政府の安全保障政策に関する「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(安保関連3文書)が閣議決定されて新たな段階に。
補正予算には8130億円とこれまでの補正予算のなかで最大額となる軍事費を盛り込んだほか、軍拡財源となる防衛力強化資金に1兆4851億円を繰り入れ。また、歳入では税外収入7621億円のうち2222億円を「防衛力強化のための対応」として最初から軍事費の財源とする特別扱いぶり。
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福島県 飯館村 今とこれから② 汚染土の上に水田整備も

2023-11-24 07:08:38 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
福島県 飯館村 今とこれから② 汚染土の上に水田整備も


避難解除で福島県飯舘村に戻った伊藤延由(のぶよし)さんは東京電力福島第1原発事故当時、農業研修所「いいたてふぁーむ」の管理人として水田、畑を作っていました。
事故後、土壌や作物の放射性物質を測定し続けています。飯舘村で今月3日開かれたシンポジウムで、今年村でとれた天然のキノコ類にまだ高い値のセシウムが出ていることを報告。「放射線は測定しないとわからない」と話しました。
魚類の免疫学研究をしてきた東京大学名誉教授の鈴木譲さんが登壇。水生生物への放射線影響はこれまで十分な調査がなされていないといいます。池のコイや海洋での魚の調査では個体数が少なく放射線との関係は不明だとしつつも、汚染水(アルプス処理水)の海洋放出について、「海の生物への影響について、まともに議論すらされていない」と指摘します。



環境省が除染とともにおこなっている農地再生事業。除染で出た排出土でかさあげしているため、水田が見えない=福島県飯館村長泥

不安の声
シンポジウムを主催した飯舘村放射能エコロジー研究会(IISORA)共同世話人でNPO法人エコロジー・アーキスケープ理事長の糸長浩司さんは村の75%以上が森林に覆われ、宅地と農地は除染したものの、森林には放射性セシウムが残ったままで、住宅地の山に近い家屋裏の空間線量率は高いままだと指摘します。
さらに帰還困難区域の長泥地区では再生利用実証事業の名で村内の汚染土壌が水田の1メートル以上の深さに埋められ、その上に50センチの土が盛られ、野菜や花が試験栽培されていることを報告。将来、水田利用を想定して大型圃(ほ)場整備がされています。「法的根拠がないまま汚染土壌が利用されている」と糸長さんはいいます。
県内の木材を燃料として利活用するバイオマス発電事業についても説明しました。「飯舘みらい発電所」は東京電力も出資する「飯舘バイオマスパートナー」が事業を担うとされています。福島森林再生事業では、樹皮1キログラム当たり6400ベクレル以下は伐採し製材加工され市場化されています。「樹皮の入手が困難になり、より汚染された樹木や樹皮に頼る可能性もある」と糸長さん。「フィルターは100%除去できないという研究もあり、煙突から放射性セシウムを含む粉じんが飛散しかねない」と指摘しました。
質疑ではバイオマス発電について不安の声が相次ぎました。



来年の運転開始を目指しているとされる木質バイオマス発電所「飯舘みらい発電所」=福島県飯舘村蕨平(わらびだいら)

復興とは
主催団体IISORAの共同世話人で京都大学複合原子力科学研究所の今中哲二さんは原発事故直後と、現在の汚染状況を測定し、「山林などはほったらかしになっている」と強調。環境汚染を規制するもとになっている環境基本法にふれ「法にもとついた放射性物質の基準を設定すべき」だと訴えました。
写真家の豊田直巳さんは、事故直後から現地に入って写真を撮り続けています。「事故から12年。朽ちていく姿を見せまいと家も納屋も次々と消えている」といいます。「福島における復興とは何か。なかったことにされようとしている」と危機感をあらわにしました。(都光子)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月21日付掲載


飯館村の75%以上が森林に覆われ、宅地と農地は除染したものの、森林には放射性セシウムが残ったままで、住宅地の山に近い家屋裏の空間線量率は高いまま。
「飯舘みらい発電所」は東京電力も出資する「飯舘バイオマスパートナー」が事業を担うと。福島森林再生事業では、樹皮1キログラム当たり6400ベクレル以下は伐採し製材加工され市場化。「樹皮の入手が困難になり、より汚染された樹木や樹皮に頼る可能性もある」。
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福島県 飯館村 今とこれから① 80%未除染 8割の人戻らず

2023-11-23 11:19:46 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
福島県 飯館村 今とこれから① 80%未除染 8割の人戻らず

飯舘村(いいたてむら)
東京電力福島第1原発の北西にあり、2011年3月の原発事故後1カ月以上たってから全村避難し、現在も一部地域が帰還困難区域です。




2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、福島県飯舘村に、住民と研究者が放射能の影響を調査し、どう向き合えばいいのか議論を重ねている「飯舘村放射能エコロジー研究会(IISORA)」があります。
11月3日、4年半ぶりに開かれたシンポジウムで、現状が報告されました。



研究者と市民が同じデープルで話し合うIISORAのシンポジウム=13日、福島県飯舘村

二重生活
「村の80%は除染ができていない。そんななか、8割の人が戻っていない」と現状を話すのは、村で生まれ育った菅野哲(ひろし)さん(75)。「村が原発事故によってどうなったのか、きちんと総括することが大事」だと訴えました。「避難せざるを得なくなり、いま、村人たちの基本的人権が回復されているのだろうか」と問いかけます。
国と東電を相手に損害賠償請求訴訟の原告としてたたかっているなかで「今の生活のほうがいいのではないのか」などという言葉が東電側から出てくることに怒りをあらわにします。
村の森林を守り、60歳の区切りとして農業を再開したばかりでした。避難解除後、菅野さんは避難先と村の二重生活に。「美しい自然が壊され、あちこちに輝く田んぼが除染土とソーラーパネルにかわってしまった。家族が、村のコミュニティーが、ばらばらになってしまった」と訴えました。
伊丹沢地区の行政区長の山田登さんは帰還者の多くが高齢者で10年、20年後どうなっていくのかと先行き不透明な状況を話しました。サルが地域を席巻している問題、消防団の維持、空き家問題、除染後の住宅取り壊し…。それでも猿防除モデル地区に手をあげたり、パークゴルフで懇親会などに取り組んできたことを報告しました。



福島県飯舘村は75%が森林です

医療は…
村唯一の診療所「いいたてクリニック」の医師、本田徹さんは2年ほど前、村に移住。週2日の診療以外に、訪問診療に力を入れています。震災前は社会福祉協議会が独自にヘルパーステーションを運営していたそうですが「村でとくに不足しているのは在宅介護の人材」といいます。
国は避難指示地域などに住んでいた人を対象に減免している医療費等の支援を段階的に縮小し、一部地域を除いて2027年度までに終了するとしています。
福島県内の医療について兵庫医科大学の非常勤講師、振津かつみさんは「高齢者はますます介護や医療が必要になってくるのに、支援を切るのは影響が大きすぎる」と訴えます。「2021年の『黒い雨』被爆者訴訟の判決にあったとおり、被ばくを強いられた人すべてに国の責任で無料の健康診断や医療支援など、権利をともなう『健康手帳』を交付するなど、被爆者援護法に準じた法整備が必要」と訴えました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月20日付掲載


「村の80%は除染ができていない。そんななか、8割の人が戻っていない」と現状を話すのは、村で生まれ育った菅野哲(ひろし)さん(75)。「村が原発事故によってどうなったのか、きちんと総括することが大事」だと訴え。
避難解除後、菅野さんは避難先と村の二重生活に。「美しい自然が壊され、あちこちに輝く田んぼが除染土とソーラーパネルにかわってしまった。家族が、村のコミュニティーが、ばらばらになってしまった」と訴え。
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半導体バブル 揺れる北海道④ 米配慮で専門性軽視

2023-11-22 07:12:22 | 経済・産業・中小企業対策など
半導体バブル 揺れる北海道④ 米配慮で専門性軽視

先端半導体企業「ラピダス」の北海道千歳(ちとせ)工場は、2027年に量産開始を目指し急ピッチで建設が進められています。背景には対中国包囲網の構築を急ぐ米国への日本政府の思惑があります。
米国防総省は、今年3月の「年次産業能力報告書」で、最新兵器に使用される先端半導体のサプライチェーン(供給網)の台湾一極集中を危険視。日本など「同盟国との協力的な取り組みを行う」としました。経済産業省の担当者は昨年10月、米国防総省の半導体政策責任者と会談し、米軍兵器も含めたラピダス製品の用途について議論していました。



半導体技術者を育成する公立千歳科学技術大学=北海道千歳市

技術者不足
ラピダスは4月から回路線幅「2ナノメートル(ナノは10億分の1)」半導体の技術提供を受ける米大手IBMのオールバニ研究所(米ニューヨーク州)に約100人の技術者を派遣。これまでに技術者約200人を採用しましたが、量産には最低500人規模が必要とされています。
北海道では、北海道経済連合会や大学、高等専門学校などが半導体技術に関わる学生らの確保を急いでいます。
しかし、技術者の経験不足は、半導体の「歩留まり(製品のうちの良品の割合)」に影響します。「技術は学ぶだけでなく、熟練が重要」だと元大手電子機器メーカー開発部長の佐々木金見氏は強調します。ラピダスで量産のための設備が27年までにそろっても「歩留まりを上げ、一定の良品の出荷が可能になるのは、さらに数年かかるのではないか」「健全な産業発展を目指すならば、ていねいな育成が必要だ」と指摘します。
米国の対中戦略への貢献を第一にしたにわか仕込みの産業戦略が、日本の技術革新や産業発展をいびつにしようとしています。




膨大な電力
ラピダスの消費電力の大きさが問題になっています。
ラピダスはいまだに消費電力がどのくらいになるか明らかにしていません。しかし量産段階で60万キロワットになる可能性もあると見られています。わずか1社で北海道電力の全道への低量時供給量(300万キロワット)の2割に当たります。北電は13年に泊(とまり)原発の再稼働を申請し、現在は原子力規制委員会が審査中です。札幌地裁は昨年、同原発の運転差し止めを命じました。
地元ではラピダスの消費電力をまかなうためにも原発再稼働が狙われているのではないかとの声が上がっています。
道は、地球温暖化対策で設けた「ゼロカーボン基金」からラピダス支援に1億円を拠出します。
日本共産党の真下紀子道議は7月の道議会で、半導体事業の促進は電力消費を増大させかねないとして、同基金での支援の見直しを求めました。真下道議は泊原発の再稼働はもってのほかで廃炉にすべきだとして、「電力の大量消費は全道民の生活に直結する。電源を含めてラピダスと北電は速やかに情報を公表すべき」だと語りました。
巨額の税金を投入するラピダス工場の立ち上げは、環境への悪影響、電力不足、半導体製造の熟練人材不足など、さまざまな問題を抱えたまま、計画が進められています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月21日付掲載


技術者の経験不足は、半導体の「歩留まり(製品のうちの良品の割合)」に影響。「技術は学ぶだけでなく、熟練が重要」だと元大手電子機器メーカー開発部長の佐々木金見氏は強調。
ラピダスで量産のための設備が27年までにそろっても「歩留まりを上げ、一定の良品の出荷が可能になるのは、さらに数年かかるのではないか」「健全な産業発展を目指すならば、ていねいな育成が必要だ」と指摘。
米国の対中戦略への貢献を第一にしたにわか仕込みの産業戦略が、日本の技術革新や産業発展をいびつに。
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命救いたい 物資届ける ガザ地区ラファ検問所 ゲート前はいま

2023-11-20 07:07:35 | 国際政治
命救いたい 物資届ける ガザ地区ラファ検問所 ゲート前はいま
【カイロ=秋山豊】イスラエルに封鎖されたガザ地区でエジプト側から人道支援物資の搬入が唯一許されているラファ検問所。本紙カイロ支局スタッフのイスラム・コトブ氏が15日、現地を訪れ、検間所ゲート前で取材し、次のように報告しました。(写真もコトブ氏撮影)



ゲートのエジプト側には支援物資を積んだトラックの列が遠くまで続いていました。赤新月社のメンバーらが、クラクションを鳴らしながらガザに入っていくトラックを見送っています。
イスラエルは10月7日の戦闘開始以降、ガザ住民の死活にかかわる食料や燃料、電気の供給を遮断。その後、人道的な危機が深まる中、10月21日から燃料を除く物資の搬入が少しずつ始まりました。
エジプトでは約30の市民団体の連合組織「ナショナル・アライアンス」が、シシ大統領の要請を受けてガザに支援物資を運び入れています。



ガザに物資を届けているムハンマド・アルシャリフさん=15日、ラファ検問所ゲート前


ガザに支援物資を運び込むためにラファ検問所ゲートを通過するトラック=15日

搬入量 絶対的に足りず
発電燃料認めず
ムハンマド・アルシャリフさん(36)が代表を務めるNGOもこの活動に協力しています。「医療スタッフと鎮痛剤や粉ミルクなどを載せたトラックをガザに入れるところだ」と話します。
アルシャリフさんは燃料不足でパレスチナ側のトラックが使えなくなり、ガザに入ったエジプトのトラックからの積み荷の引き継ぎに困難が生じていると語ります。
この日、イスラエルは初めて2万数千リットルの燃料搬入を許可したものの、国連の援助機関が物資を配布する際の車両用燃料に限られました。病院が切望している発電用の燃料は依然として禁止されたままです。
アルシャリフさんは「イスラエルは酸素チューブや電気を使用する医療機器の搬入を認めていない。ガザの病院では赤ちゃんが亡くなっている。命を救いたい」と語ります。
エジプト政府プレスセンターのアイマン・ワラシュ責任者はこれまでにトラック1125台分の物資が運び込まれたと説明します。国連機関によれば、今回の危機以前には1日当たり500台のトラックが入っており、援助物資の搬入量は絶対的に足りません。
ワラシュさんは「トラックはガザに入る前に約100キロ離れたイスラエルとエジプトの境界に行き、イスラエル側の事前チェックを受けなければならない。これがガザへの到着の遅れにつながっている」と説明します。
ガザとの境界からバスで30分ほど離れたアリーシュ空港には各国から支援物資が届きます。エジプト赤新月社のロトフィ・ゲイスさんらが空港からゲート前まで移送しています。
ゲイスさんは「支援物資の量はまだまだ足りない。これからガザも寒くなる。より多くの支援を訴えたい」と話しました。



ガザから娘とエジプトに逃れてきたノハ・アブアルバさん(右)=15日、ラファ検問所ゲート前

死と破壊の光景
ガザ側からは、負傷したパレスチナ人を乗せた救急車が入ってきます。外国籍の人たちも退避してきます。イスラエル軍による空爆の恐怖から疲れ切った表情です。
娘と逃れてきたノハ・アブアルバさん(51)は米国籍を持つパレスチナ人です。自宅は爆撃されました。親せきはガレキの下敷きになったままです。
ノハさんは米国政府からラファ経由で退避するよう連絡を受けたといいます。ラファに向かうバスが攻撃され、娘が手にけがを負いました。
娘をガザ市内のクッズ病院に連れていきましたが水も食料も薬も不足。イスラエル軍が病院を包囲するなかを必死に脱出したといいます。
「どこにいても死と破壊の光景が広がっていた。パレスチナ人の血が流されるのはもうたくさんだ」
ノハさんはカメラを向けると涙をふいて微笑みました。理由を尋ねると「私がイスラエルに打ち砕かれることは決してないからだ」と語りました。
ワラシュさんによると、これまでに外国籍を持つ2700人がガザからエジプトに退避しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月18日付掲載


エジプトでは約30の市民団体の連合組織「ナショナル・アライアンス」が、シシ大統領の要請を受けてガザに支援物資を運び入れています。ムハンマド・アルシャリフさん(36)が代表を務めるNGOもこの活動に協力。「医療スタッフと鎮痛剤や粉ミルクなどを載せたトラックをガザに入れるところだ」と話します。
エジプト政府プレスセンターのアイマン・ワラシュ責任者はこれまでにトラック1125台分の物資が運び込まれたと説明。国連機関によれば、今回の危機以前には1日当たり500台のトラックが入っており、援助物資の搬入量は絶対的に足りない。
娘と逃れてきたノハ・アブアルバさん(51)は米国籍を持つパレスチナ人。ノハさんはカメラを向けると涙をふいて微笑みました。理由を尋ねると「私がイスラエルに打ち砕かれることは決してないからだ」と語る。

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