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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

半導体バブル 揺れる北海道③ PFAS問題 「回収」いうが

2023-11-19 07:09:06 | 経済・産業・中小企業対策など
半導体バブル 揺れる北海道③ PFAS問題 「回収」いうが

北海道千歳(ちとせ)市で工場建設を進める先端半導体企業「ラピダス」の工業排水をめぐって、住民からは、全国で問題となっている有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)による河川や土壌の汚染を心配する声が上がっています。
8~12月の千歳川には、産卵のためにサケが遡上(そじょう)します。
千歳川のサケ漁を40年見てきたという男性(72)は、PFASの「工業排水が不安」だとして「貴重な千歳川の自然が守られるのか」と語りました。千歳川は農業用水や飲料水にも利用されています。
ラピダスによれば、排水は自工場で浄化した後に市の浄水場を経て千歳川に放水します。放水口はサケの捕獲地点からわずか数百メートルの場所です。



千歳川のサケ漁=10月14日、北海道千歳市

人体に有毒
懸念されているのは、PFASの一つPFHxS(ピーエフヘクスエス)です。主に、半導体のエッチング(酸による腐食を利用した加工)剤や反射防止剤、レジスト(回路描出のための塗布剤)など半導体の製造で使用されています。
PFASは、約1万種類以上の物質があるとされ、井戸水や土壌に残留します。米国の研究では胎児や幼児の成長の低下、腎臓がんのリスク増などが指摘されています。
PFASのうち国際条約で規制対象となっているPFOA(ピーフォア)とPFOS(ピーフォス)の両物質は、国が法令でそれぞれ製造・使用・輸入を原則禁止。しかし、同じく国際条約が規制したPFHxSについては「今後、法規制の対象に含める見通し」(経済産業省)で現在、国内の規制はありません。
PFHxSは、使用禁止となったPFOSの代替物質として、半導体の製造現場で使用されてきました。

調査監視を
法規制されても問題は残ります。
北欧デンマークは2021年、飲料水での含有量の基準値を法定し、1リットル当たり2ナノグラム(ナノは10億分の1)に規制しました。米国では飲料水での規制の「目標値」を1リットル当たり4ナノグラムとしています。
環境省の21年のPFHxSに関する全国調査では、北海道の大空町トマップ川から全国ワーストとなる1リットル当たり28ナノグラムの値が検出されました。飲料水ではないものの、デンマークの基準値の14倍、米国の「目標値」の7倍です。
PFHxSについて、北海道と千歳市は、国の法改正を待って企業への対応を考えるとしています。
ラピダスは5月の説明会で、地元自治体と工場排水の協定を結ぶとし、「危険性のあるPFASを含有するものは全量回収する」(清水敦男専務)としました。
日本共産党の丸山はるみ道議は7月の道議会でラピダスの工場排水を取り上げ、排水に含まれる物質の詳細が明らかでないと指摘。半導体製造に関わるPFASは現行規制でカバーできていないとして、PFASの新たな規制基準を求めました。
丸山道議は、法令基準がないまま建設だけが進むことは安全性の軽視だとして、「企業任せ、国任せにするのではなく、積極的に自治体が調査と監視をすべき」だと語りました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月18日付掲載


北海道千歳(ちとせ)市で工場建設を進める先端半導体企業「ラピダス」の工業排水をめぐって、住民からは、全国で問題となっている有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)による河川や土壌の汚染を心配する声が上がっています。
懸念されているのは、PFASの一つPFHxS(ピーエフヘクスエス)です。主に、半導体のエッチング(酸による腐食を利用した加工)剤や反射防止剤、レジスト(回路描出のための塗布剤)など半導体の製造で使用。
現状では規制対象になっていません。
丸山道議は、法令基準がないまま建設だけが進むことは安全性の軽視だとして、「企業任せ、国任せにするのではなく、積極的に自治体が調査と監視をすべき」だと。

半導体バブル 揺れる北海道② 地下水量低下の恐れ

2023-11-18 07:32:47 | 経済・産業・中小企業対策など
半導体バブル 揺れる北海道② 地下水量低下の恐れ

北海道千歳(ちとせ)市に進出する先端半導体企業「ラピダス」の工場や関連企業では、大量の水が使われる見込みです。他の企業の利用制限の恐れや地下水量の低下の問題が浮上しています。
半導体の製造では、不純物の精密洗浄に大量の水が欠かせず、半導体の微細化・高集積化に伴って高い水質が求められます。
太平洋側に面した道央・勇払(ゆうふつ)平野を安平(あびら)川がゆうぜんと流れています。道は、この川をラピダス工場への供給水源とする方針です。取水と送水は、苫小牧(とまこまい)地区工業用水道第2施設が行います。同施設は全体の給水能力が10万立方メートルで、そのうち新規に契約が可能な水量は約5万立方メートルとなっています。
道によると、ラピダスは25年の試作段階で1日あたり約4000立方メートル、27年の量産段階で同じく2万4000立方メートルを使うとしています。ラピダスが使うのは工業用水ですが、量産段階の使用量は千歳市の1日あたりの最大水道使用量の6割強に相当します。ラピダスとの契約により、今後に契約を行う企業の利用が制限される恐れがあります。



ラピダス工場に水を供給予定の安平(あびら)川の取水口=10月12日、北海道苫小牧(とまこまい)市



国民が負担
苫小牧地区工業用水道第2施設は現在、苫小牧市の工業団地や企業に水を供給しており、条例で管轄区域にない千歳市に送水していません。ラピダスに送水するには条例改正とあわせ、22キロメートルにおよぶ送水管延長の工事が必要です。また、同施設よりも標高が高いラピダス工場に送水するため、新たに中継ポンプ場の建設が想定されています。
これら事業費用は約200億円。条例は事業者(ラピダス)の全額負担を定めています。
岸田文雄政権は総合経済対策で、半導体工場建設向けの工業用水整備のための交付金の設置を盛り込みました。国民が事業費を負担する恐れがあります。
また、送水管の敷設方法やルートは確定していません。ラピダス工場と苫小牧地区工業用水道第2施設の中間には、「ラムサール条約」に登録されたウトナイ湖の水源の美々(びび)川水系が流れます。送水管を地下に敷設した場合、美々川の地下水の水量低下や水質悪化をおよぼす危険があります。
北海道の調査によると、美々川水系の地下水量は1995年から2006年までに4割減少しました。原因は「土地利用の変更」などとしています。千歳市の工業団地の誘致が影響しています。
すでに千歳市は30社に工業団地の土地を紹介し、約40社が商談待ちの状態です。
道の担当者は、ラピダスが地下水を使用する予定はないとしました。しかし他の企業の使用については「分からない」と回答。さらなる地下水量の低下が危険視されます。

保護の責任
日本野鳥の会苫小牧支部の鷲田(わしだ)善幸支部長は、個人の意見とした上で「工事による地下水量の減少は避けられない。ウトナイ湖を保護する責任が問われる」と強調します。
千歳市はラピダスとの環境保全の協定の締結に向けて内容を協議するとしていますが、地下水の保全が含まれるかは定かではありません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月17日付掲載


北海道千歳(ちとせ)市に進出する先端半導体企業「ラピダス」の工場や関連企業では、大量の水が使われる見込み。半導体の製造では、不純物の精密洗浄に大量の水が欠かせず、半導体の微細化・高集積化に伴って高い水質が求められます。
ラピダスが使うのは工業用水ですが、量産段階の使用量は千歳市の1日あたりの最大水道使用量の6割強に相当。
苫小牧から工業用水を調達するなら、新たに22キロの送水管の建設が必要。事業費用は約220億円。本来ならラピダスが負担すべきですが、岸田政権は交付金でまかなうと。結局、国民の税金じゃないの。


半導体バブル 揺れる北海道① 「経済安保」 不安を圧殺

2023-11-17 06:50:49 | 経済・産業・中小企業対策など
半導体バブル 揺れる北海道① 「経済安保」 不安を圧殺

岸田文雄政権が日本の半導体産業「復活」の“切り札”とする先端半導体企業「ラピダス」が北海道彩歳市に工場の建設を進めています。岸田政権は「経済安全保障」を口実に同社に巨額の税金を投入。一方、ラピダスの進出に伴い、地下水量の低下や汚染物質の懸念など重大問題が浮上しています。(日隈広志)

木々の間から大型クレーンの首が伸び、砂煙をあげて大型の工事車両が通り抜けます。うっそうとした森を切り開く工事は「ラムサール条約」に登録されているウトナイ湖の自然環境を変質させようとしています。ウトナイ湖の湿原は工場を建設する千歳市に隣接した苫小牧市に広がります。



ラピダスの工場建設現場=北海道千歳市(画像の一部を加工)

地下水低下
同湖の水源の地下水量は1990年代に計画された工業団地の大規模開発などで低下。ラピダスと関連企業の進出でさらに低下する恐れがあります。
日本野鳥の会苫小牧支部の鷲田善幸支部長は個人的な意見だとした上で「国際的にも貴重な湿原や渡り鳥の結集地が失われてからでは遅い」と強調しました。
工業排水には、人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が含まれる可能性も浮上しています。
環境悪化の危険もある事業を岸田首相が進める背景にあるのが、「安全保障」問題です。岸田首相は10月23日の所信表明演説で「安全保障に関係する大型投資」だとして、ラピダスが求める5兆円規模の補助などを念頭に「集中支援」を明言しました。

軍需に貢献
先端半導体は、スマホやパソコンなどに不可欠な一方で、「極超音速」ミサイルや高性能人工知能(AI)搭載の自律型ドローン兵器など最新兵器に使われています。ラピダスの東哲郎会長は、自社製品で米国の軍需に貢献すると明言しています。
米国は昨年10月以降、先端半導体の製造装置の対中輸出規制を強化し、日本も今年7月、米国に追随して対中輸出規制を開始。日米は一体的に軍事・経済の対中包囲網を構築しています。
住民の中で高まる不安を、岸田政権は「経済安全保障」の掛け声で押し殺そうとしています。


ラピダス支援 国・財界・自治体一体
ラピダス 2022年8月にトヨタ自動車、NTT、ソニー、NEC、ソフトバンク、デンソー、キオクシア、三菱UFJ銀行の大手8社が共同出資して設立。新工場は新千歳空港に隣接する工業団地「千歳美々ワールド」内に立地。25年に試作ラインの開始、27年に量産を開始するとしています。敷地面積は約27万1千平方メートル。

ラピダスの工場進出に伴い、オランダや米国の大手半導体企業が次々に道内への進出を表明しています。
ラピダスが扱うのは回路線幅「2ナノメートル(ナノは10億分の1)」の先端半導体。「2ナノメートル」品を量産する企業はまだ世界になく、政府は「『2ナノ』こそ、勝ち筋だ」(経済産業省担当者)と鼻息を荒くします。
ラピダスの小池淳義社長は、米シリコンバレーをまねた「北海道バレー」構想を提唱。千歳市を中心に、札幌市や石狩市、苫小牧市などに関連事業・企業を集める狙いです。
北海道財界はこうしたラピダス事業の成功を当て込み、最大限のもうけを引き出そうとしています。
北海道経済連合会と北海道商工会議所連合会は6月、メガバンクや金融庁、経済産業省などと共に産官学の連携団体「チーム札幌・北海道」を結成し、8月に国に要望書を提出。そこで「半導体生産拠点の誘致」や「金融特区の設立」を掲げ、そのために「世界レベルの規制緩和や税制優遇措置等」を求めました。
参加企業からは「北海道IR(カジノを中核とした統合型リゾート)」を求める声まで上がっています。
岸田政権は、2日に閣議決定した総合経済対策で、半導体や蓄電池向けに、▽投資の減税制度▽工場建設のための工業用水や道路などインフラ整備の交付金▽開発を制限してきた「市街化調整区域」の規制緩和―などを盛り込みました。北海道や、受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県などの地方財界の要望に応えた形です。




共産党質問
日本共産党道議団は、国、財界、自治体が一体になったラピダス支援に「待った」をかけました。
北海道の鈴木直道知事は「全庁一丸」だとして全面的な支援を掲げ、予算措置も講じました。しかし道庁職員からは「対応できるのか」と困惑の声も聞かれました。
道によると、経済効果の試算は「調査依頼中」で、まだありません。道の担当者は、道内の半導体関連企業数が把握している21社よりも「もっとあるかもしれない」と指摘。実態すら把握できていない現状です。
日本共産党の真下紀子道議は7月の予算特別委員会で、ラピダスへの予算支出の問題を取り上げ、支出の根拠となる分析を示すよう追及。道側は示すことができませんでした。
地元経済誌はこの質疑を紹介。「ラピダスの野心的な構想に慎重な意見もあるのは事実」
「ところが道内主要メディアに、そうした論調は見当たらない」として真下道議の質問は「真っ当追及」だと評価しました。
真下道議は、「国の悪政から住民を守る“防波堤”になるべき地方自治を自ら壊しかねない」として岸田政権追随の鈴木道政を批判します。地場産業が衰退する懸念もあり、「一部の大企業の利益への奉仕ではなく、北海道の貴重な環境や資源、産業を守らないといけない」と指摘。ラピダス製品の軍事利用は日本国憲法第9条を持つ国として許されないとした上で、「平和と自然に寄与する産業支援にこそ力を注ぐべき」だと語りました。



ラムサール条約に登録されたウトナイ湖=北海道苫小牧市

住民を無視
住民からはラピダスの進出に冷ややかな声が出されました。
千歳市内のイオンモール前で街頭取材に応じた女性(57、介護職)は、「また同じことになるのでは」と指摘。千歳市では30年前に工業団地の誘致計画が立ち上がりましたが、誘致は進みませんでした。
女性は、子どもの病気の治療のために快速電車で30分かけて札幌市まで通院。「大企業だけ支援を受けて、こっちの苦労は置き去り」だとして「市内の病院、医師不足を解決してほしい。介護職の給料を上げて」と語りました。
地元の中小企業の経営者たちの思いは複雑です。
「地元が潤えばいいが」と話す千歳市内の有限会社・共盛自転車商会の寺西敏雄代表は「工場は長期間稼働してくれるのか。従業員が長く住んでこそ地元商店や企業にお金が回る」と胸の内を語ります。
父親の代から営む寺西さんの店の土地は、地価の基準点に指定され、7月1日の観測では全国2位の上昇率を記録。市内では、住宅地、商業地など基準地点15カ所中12カ所で地価が20%以上上昇しました。
高騰分は3年後の固定資産税の増額に跳ね返ります。寺西さんは「今は営業を圧迫するほどではない」と言いますが、先行きは不透明です。
ラピダス工場付近の牧場経営者からは、岸田首相が打ち出した「市街化調整区域の規制緩和」に対する不安が語られました。
都市計画法を根拠法とする市街化調整区域は、農地や森林を守るための開発の制限が目的です。規制緩和は調整区域の除外対象を半導体工場にも広げます。基幹的農業従事者は直近13年間でほぼ半減。規制緩和によって離農が加速する恐れがあります。
ラピダスの東哲郎会長は、第2、第3の工場棟建設を表明しています。
日本共産党の吉谷徹千歳市議は9月の市議会で、ラピダスの上下水道の工事費用を市が負担する問題を取り上げ、市の巨額援助を批判。地価高騰から住民生活を守るべきだとして市長に固定資産税の据え置きを迫りました。
吉谷市議は「ラピダスの成功が市政の第1課題ではない。生活不安に正面から応える市政こそ必要だ」と話しました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月16日付掲載


真下道議は、「国の悪政から住民を守る“防波堤”になるべき地方自治を自ら壊しかねない」として岸田政権追随の鈴木道政を批判。地場産業が衰退する懸念もあり、「一部の大企業の利益への奉仕ではなく、北海道の貴重な環境や資源、産業を守らないといけない」と指摘。ラピダス製品の軍事利用は日本国憲法第9条を持つ国として許されないとした上で、「平和と自然に寄与する産業支援にこそ力を注ぐべき」だと。
半導体で遅れをとってきた日本。挽回を図りたいという思いは分かりますが、自然環境を破壊し、地場産業を衰退させるようなことはあってはいけませんね。

赤旗 全国囲碁将棋大会 東西対決の決勝戦 激しく紙一重の差

2023-11-15 07:15:21 | 文化・芸術・演劇など
赤旗 全国囲碁将棋大会 東西対決の決勝戦 激しく紙一重の差
第58回しんぶん赤旗全国囲碁将棋大会は2日目の12日、準々決勝から対局が行われました。


決勝は囲碁で硯川俊正(すずりかわ・しゅんせい)さん(25)=神奈川=と赤木志鴻(あかぎ・しこう)さん(25)=奈良=、将棋で原司さん(29)=埼玉=と藤原結樹さん(34)=大阪と、いずれも東西対決になりました。


決勝戦をたたかう囲碁神奈川代表の硯川俊正さん(右)と奈良代表の赤木志鴻さん=12日、党本部


決勝戦をたたかう将棋埼玉代表の原司さん(右)と大阪代表の藤原結樹さん=12日、党本部

囲碁の硯川さんは、全日本学生十傑戦(2022年)の優勝者で現在も学生です。京都大学大学院の赤木さんとは過去2回打って1勝1敗、3度目の対局となりました。盤面の勢力の細かい計算を積み重ねる「地味な碁」(囲碁審判長の小島高穂九段)となりましたが、1目半差で硯川さんが激戦を制しました。
硯川さんは「半目差勝ちで神奈川代表になりました。この大会ではリーグ戦突破が目標でした。優勝できて、めちゃくちゃうれしい」と満面の笑みを浮かべました。
小島九段は「私が対局したら誰にも勝てそうにないくらい、しっかりした碁を打ってくださいました」とユーモアを交えながら、代表選手をたたえました。




将棋の決勝戦は社会人対決になりました。優勝した原さんは後手番を持ち、藤原さんの三間飛車に二枚銀で対抗。藤原さんの飛車や角を次々と仕留めて、108手で原さんの勝ちとなりました。
「家族に喜びを伝えたいですね。AI(人工知能)の使い方もあまり分からなくて、将棋は実戦で研究しています」と笑顔になりました。
将棋審判長の屋敷伸之九段は「大変な激戦続きで惜敗したみなさんも紙一重の差でした。今後の活躍を期待しています」と述べました。






「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月14日付掲載

決勝は囲碁で硯川俊正(すずりかわ・しゅんせい)さん(25)=神奈川=と赤木志鴻(あかぎ・しこう)さん(25)=奈良=、将棋で原司さん(29)=埼玉=と藤原結樹さん(34)=大阪と、いずれも東西対決に。
囲碁の硯川さんは、全日本学生十傑戦(2022年)の優勝者で現在も学生です。京都大学大学院の赤木さんとは過去2回打って1勝1敗、3度目の対局。
将棋の決勝戦は社会人対決になりました。優勝した原さんは後手番を持ち、藤原さんの三間飛車に二枚銀で対抗。藤原さんの飛車や角を次々と仕留めて、108手で原さんの勝ち。
今年は、兵庫県代表選手も囲碁・将棋ともに決勝トーナメントに残り、囲碁の西方彩華さんはトーナメントで1勝しています。残念ながらベスト8には残れませんでしたが、来年を期待しています。


岸田経済対策の問題点 労働市場「改革」

2023-11-14 07:13:51 | 働く権利・賃金・雇用問題について
岸田経済対策の問題点 労働市場「改革」
岸田文雄首相が発表した総合経済対策は労働分野について、改めて「構造的賃上げに向けた三位一体の労働市場改革の推進」を掲げました。2000年代に急速に進んだ非正規雇用拡大で起きているさまざまな問題に手を打たないまま、雇用の維持・確保をますます個々の労働者の自己責任にしようとしています。

産業構造の変化に
「三位一体」の第一の柱は労働者の学び直しを意味するリスキリングです。
政府は5月に決定した「三位一体の労働市場改革の指針」で、日本の労働者は「十分な自己啓発を行わない状況が継続してきた」と主張。デジタル技術の進歩などで産業構造が短期間で変化するようになったので、労働者は変化に対応し絶えず知識や技能の獲得に務めなければならなくなったといいます。
指針はまた、今後重要になるのは、実際の仕事を通じた従来型の学びではなく、社外の民間教育会社などの教育プログラムを受講し高い賃金が獲得できる分野の技能を獲得することだと指摘。高賃金が期待できる分野の学習プログラム受講の補助率・補助額の引き上げや、学習履歴を蓄積しデジタル認証化する方向です。
蓄積される学習履歴は「三位一体」の第二の柱である、「企業ごとの職務給(ジョブ型人事)の導入」につながります。企業は社内外の労働者の学習履歴を使い「最適な人材配置」を実現。そのもとで、年功序列型の給与体系を職務に応じた給与へ転換するといいます。




非正規保護なし
第三の柱「成長分野への労働移動の円滑化」では、ハローワークが保有する「求人・求職情報」を匿名化し民間企業へ提供することが検討されています。
労働者が雇用を確保し続けるには、成長産業の移り変わりや企業の戦略に応じて次々と職場を変え、新たに必要となる知識や技能を習得することが必要になります。給与は年齢や勤続年数ではなく職務で決まるようになり、労働者はより高賃金な職務を社内だけでなく社外の労働者とも競い合うことになります。際限のない椅子取りゲームへの強制参加です。
転職が人生設計に組み込まれた労働者の学び直しに企業が就業時間や資金を充てるとは考えられず、新たな技能獲得のための時間と費用は労働者の持ち出しになる恐れがあります。民間教育会社の活用やハローワークの情報提供は、キャリアコンサルタント業などを兼ねる人材派遣会社の市場拡大につながります。
政府は一方で、ヤマト運輸によるパート労働者、個人事業主の大量雇い止め撤回へ手立てを打つよう国会で求められても「詳細を承知していない」と繰り返すばかり(1日の山添拓参院議員への岸田首相の答弁)。非正規雇用を拡大してきた政治の責任を認めず、非正規労働者の保護にも無関心です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年11月11日付掲載


2000年代に急速に進んだ非正規雇用拡大で起きているさまざまな問題に手を打たないまま、雇用の維持・確保をますます個々の労働者の自己責任に。
「三位一体」の第一の柱は労働者の学び直しを意味するリスキリング。
蓄積される学習履歴は「三位一体」の第二の柱である、「企業ごとの職務給(ジョブ型人事)の導入」に。
第三の柱「成長分野への労働移動の円滑化」では、ハローワークが保有する「求人・求職情報」を匿名化し民間企業へ提供することが検討。
労働者はより高賃金な職務を社内だけでなく社外の労働者とも競い合うことに。際限のない椅子取りゲームへの強制参加。