2022年12月03日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2023年“またがり資源”ニシン北海道接続ロシア海域漁獲勧告とTAC設定]
ロシア漁業庁は、北海道に接続する東サハリン海域の“またがり資源”となるニシンの来年2023年の漁獲勧告量を発表した。
当該海域のニシンは非TAC魚種となっている。
一方、南クリール、西サハリン、そして沿海地方の各海域のニシンはTAC魚種で、先に来年2023年の設定が既報のとおり発表されており、これらをとりまとめると別表のとおり4海域の制限数量は約3万1,600トンとなる。
サハリン州業界は、各地区沿岸沖合へのサハリン・北海道系群のニシンの来遊が急増しており、この資源の本格的な生産と沿岸での処理への取り組みを更に強化する必要があると指摘している。
また、全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロも、サハリン南西部沖合で当該資源を継続的に調査し、2010年代半ばから、この傾向を確認、日本EEZとまたがり資源となるサハリン・北海道系群ニシンの増加に注目をしている。
なお、南クリール沿岸沖合でもニシンの来遊が急増しており、原魚が色丹島、国後島、そして択捉島の各陸上加工場に供給されている。