2022年12月23日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二 “影響を証明するのは漁業者任せになる”
[#8洋上風力発電と漁業 海外の経験 米国東部選出上下院議員 漁業補償国家基金設置に取り組む]
“影響を証明するのは漁業者任せになる”
米国上院議員エドワード・マーキー(マサチューセッツ州)と下院議員セス・モールトン(同州)は、洋上風力発電開発に伴う漁業損失を補償するための国家基金の設置に取り組んでいる。
両議員は、法案の用意について、資金の根拠、公平な配分システムを保証するとしている。
東部沿岸地域の漁業者からの洋上風力発電プロジェクトへの反対意見は日に日に高まっている。
両議員は、2022年12月21日、漁業分野が被る潜在的な経済的損失を補償するための国家基金を設立する計画を発表した。
現在、洋上風力発電事業者による潜在的な漁業者への損害について、補償を満たす国家的枠組みは存在していない。
歴史的な漁場の喪失、水棲生物資源の生息地の劣化、風力発電事業者にリースされた区域での新しい漁業制限等、漁業分野に深刻な経済的ダメージをもたらす可能性がある。
一部の洋上風力発電事業者は、独自の監視パネルを備えた資金用意の準備をしているが、多くの事業者はまだ補償プランを確立していない。
漁業者団体は、このアプローチを批判しており、洋上風力発電の影響を証明するのが漁業者任せで、政府が明確な要件を示さないため、洋上風力発電業界が補償交渉で優位に立つことになると指摘している。
両議員は、立法提案について、現在の州ごと、またはプロジェクトごとの漁業補償戦略に反対するものであり、合理化された国家の対応が必要だと言及、漁業への影響緩和と補償プログラムをできるだけ早く確立することを提唱していくと加えた。