ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業 計画どおり1/3減船申請

2022-12-10 21:17:32 | 日記

 

2022年12月10日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ポスト英国EU離脱 アイルランド漁業 計画どおり1/3減船申請]

英国がEUを離脱し、EUの共通漁業政策において漁獲割当を大幅に失ったアイルランドは、補償金8,000万ユーロ(7,980万ドル)の減船事業を行うこととなり、予定どおり、現有沖合漁船勢力の1/3の自主廃業申請があったことが分かった。

減船計画は、総船舶トン数8,000トン、総出力21,000kwで、トンあたり漁業者に1万2,000ユーロ(1万1,968ドル)、乗組員に各々5万ユーロ(4万9,868ドル)が支払われる。

現有沖合漁船180隻の内、64隻が自主減船を申請したとされている。

アイルランド漁業生産者機構“IFPO”も、減船事業計画発表時点で、約60隻、勢力の1/3が、当該事業により減船になると見積もっていた。

ただし、減船申請した64隻の内、19隻が、アイルランド南西海岸の西コークにあるベアラ半島の南側に位置するキャッスルタウンベレに集中しており、水産業に依存してきた同地域の社会経済への取返しのつかないダメージを与える可能性を危惧する声が地元であがっている。

アイルランド業界は英国がEUを離脱したことにより、共通漁業政策による漁獲割当配分の不均衡が悪化したとして、この是正を求め関係機関へのロビー活動を強化していた。

“IFPO”によると、EUの共通漁業政策により、アイルランド海域でのEU漁業国の年間漁獲量は、約2億5,000万ユーロ相当で、自国アイルランドのほぼ2倍となっている。

“IFPO”は、英国がEUを離脱し、独自の漁獲割当を確保したことで、ロックオール島周辺海域漁場を失い、漁獲割当の不均衡がより悪化したことを指摘していた。

アイルランド漁船への漁獲割当は、自国海域の許容漁獲量のわずか18%である一方、一部のEU加盟国の年間漁獲割当が不明な中、未利用となっている許容漁獲量が存在していると推察されており、これをアイルランド漁船に再配分することを“IFPO”は求めていた。

EU加盟国は、英国のEU離脱により、これまでの英国海域での漁獲量の25%(金額ベース)を譲渡することになった。

これらの英国への漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。

譲渡は、2021年に60%、2022年に70%、2023年に80%、2024年に92%と段階的で、2025年の終わりにこのプロセスを100%完了することになる。

非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。

分析によると、アイルランドは2026年までに漁獲割当の約15%を失うことになるが、これはフランス漁業が失うと予想されるレベルの約2倍となっている。

このことからアイルランドは英国とEUの貿易協力協定がアイルランド漁業に不当な負担をかけていると抗議を続けていた。

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2023年 ロシア極東海域オークションの結果に基づくカニ投資漁獲割当

2022-12-10 17:25:34 | 日記

2022年12月09日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[2023年 ロシア極東海域オークションの結果に基づくカニ投資漁獲割当]

ロシア漁業庁は、2022年12月5日付命令No.707により、来年2023年の極東海域における目的別TAC配分を完了した。

2019年から始まった投資目的漁獲割当の枠組みによる漁船建造義務を伴うカニ漁獲割当オークションの落札者向け配分は別表のとおりで、TACの約40%(対象魚種商業漁業向けの約50%)相当となっている。

一方、投資目的漁獲割当第2弾設定関連法案が既に下院第1読会を通過している。

カニについては対象魚種商業漁業向けの更に50%、計100%がオークションで配分されることになるが、ウクライナ情勢による舶用機器の調達問題等から第1弾の漁船建造プロジェクトが遅れており、玉突きで、第2弾の発効を遅らせ2026年とする修正が下院第2読会にむけ検討されている。

 

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米国 違法漁業と人権侵害に関わった中国漁業2社と代表者らに制裁措置

2022-12-10 17:00:10 | 日記

 

 

2022年12月10日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[米国 違法漁業と人権侵害に関わった中国漁業2社と代表者らに制裁措置]

米国バイデン政権は、違法漁業と人権侵害に関わったとして、中国漁業大連海洋漁業まぐろ漁有限公司(Dalian Ocean Fishing:DOF)、“福建省平潭県海洋漁業グループ株式会社”(Pingtan Marine Enterprise:PME)と、その代表者らへの米国内資産凍結などの制裁措置を発表した。

米国財務省外国資産管理室(OFAC)は2022年12月9日(現地時間)、DOF社、PME社、これら企業の8つの系列会社とそれぞれの代表者2人、当該企業に関連した船舶157隻を制裁対象にすることとした。

PME社はナスダック上場企業で、米国が当該上場企業を制裁するのは今回が初めてとなる。

米国財務省は、今回の措置について、IUU漁業、深刻な人権侵害に関与した者に実質的かつ重大な処罰を与えるための米国政府の努力の証だと表明した。

また、世界最大の遠洋漁船団を有する中国漁業界は船員虐待で悪名が高いと言及した。

DOF社所属漁船“Long Xing 629”は、絶滅危機に瀕した種を含めてサメを捕獲し、700キロを超えるヒレ(フカヒレ製品向)を違法採取した疑いがある。

また、この船舶の船員たちが2019年2月から2020年4月までの13ヶ月間、一度も港に停泊せずに1日18時間働き、賞味期限が過ぎた食べ物と塩分を取り除いた茶色の海水で生活していたことが分かった。

この過程で船員5人が死亡し、3人の遺体は本国へ送還されることなく海に捨てられた。

生き残った船員たちは栄養失調となり、約束された給与の一部だけが渡された。

一方でDOF社が中国政府から年間800万ドルもの遠洋漁業補助金を受け取っていたことも分かった。

ケイマン諸島に登録されたPME社の船舶もインドネシア、東ティモール、エクアドルで重大な人権侵害と違法活動に関わっていたとされている。

ある船員が下船すること望む事例があったが、PME社はこれを許さず、3日間食べ物も提供しない等の虐待を報復として行った。

また、重傷を負った船員が2週間治療を受けることができず、命を失った事件もあったとされている。

 

 

2020年08月09日 クーリエ・ジャポン https://courrier.jp/news/archives/208253/

[海上で13ヵ月間、搾取され続けたインドネシア人たち]

外国人船員が“奴隷労働”で死亡、遺体は海に沈められ…中国「違法フカヒレ漁船」の闇

インドネシア人の若者24人がタコ漁船と騙されて乗り込んだのは、中国の「違法フカヒレ漁船」だった。1日18時間労働で睡眠も食事もろくに与えられず、次々と病に倒れて死亡した船員の遺体は海中投棄された。中国漁船の上で起きていた労働搾取の深すぎる闇を英紙が報じた。

「動物のように扱われた」と生還者は語る

2019年2月、24歳のセプリとアリは中国のマグロ漁船に乗り込んだ。互いに大の親友と働けること、海の冒険を思って胸が高鳴った。インドネシアの村で無職だった2人は高報酬の約束に心を奪われた。家族には、「大金」を持って帰るから鼻高々になれるよ、と伝えていた。

しかし、2人が家族と再会することはなかった。何週間も言葉にならないほどの苦しみを味わった末に、ともに船上で亡くなったからだ。1日18時間働かされ、飲み水も食べ物もろくに与えられず、暴力にも怯えていたと、生還した元乗組員の1人が無残な2人の死についてガーディアンに語った。

しかも、2人の遺体は海に投げ込まれたという。

24人のインドネシア人船員は、中国の大連海洋漁業の漁船「Long Xing 629」号に乗船し、出航した。同船は違法操業だと報じられており、インドネシア人乗組員で生きて帰ってきたのは20人。その1人によると「動物のように扱われた」と証言し、彼らの弁護団は今回の悲劇を「強制労働と人身取引の典型例」だと表現した。

国際刑事警察機構(インターポール)も長らく、こうした違法・無報告・無規制漁業(IUU)と現代の奴隷制を含む人権侵害との関連に警鐘を鳴らしている。

「Long Xing 629」はマグロ漁の許可を合法的に受けてはいるが、フィニングと呼ばれる違法なフカヒレ漁にも関わっていた。サメは絶滅危惧種だがそのヒレは珍味として珍重され、フィニング漁ではヒレ以外の部分はそのまま海に廃棄される。13ヵ月におよんだ操業で同船が捕ったフカヒレの総量は、800kg近くに達すると言われている。

パスポートを没収され、海水を飲まされた………………….

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#6 洋上風力発電と漁業 海外の経験 懐疑的な米国当局による漁業調査への影響緩和計画

2022-12-10 01:28:19 | 日記

 

2022年12月09日

リポート 北海道機船漁業協同組連合会 原口聖二

[#5 洋上風力発電と漁業 海外の経験 懐疑的な米国当局による漁業調査への影響緩和計画]

米国政府は2022年12月5日、洋上風力発電が漁業調査に与える影響を軽減するための関係機関の横断的な計画を発表した。

しかし、米国海洋大気庁(NOAA)と内務省海洋エネルギー管理局 (BOEM)の予算措置への対応に多くの疑問が残っている。

NOAAは、米国の当該緩和戦略として洋上風力発電建設と配備によって水棲生物資源調査が妨げられないようにする方法を指摘しているが、現在、案件となっているニューイングランドと大西洋中部のプロジェクトについては先行している海外や別の地域での事例を単純に流用できると考えているととれる。

またNOAA はBOEMとともに、漁業分野への影響を緩和する戦略の一環として地元漁業者を含む他の主要な利害関係者と協力することを計画している。

しかし、この取り組みに関する完全な予算措置は示されていない。

バイデン政権による2022年度会計予算での 840万米ドル (800万ユーロ) の要求は、2年以上前に策定された北東部の緩和戦略の一部のみをカバーしており、漁業分野の代表者は、要求された金額と資金の提供方法に関する不確実性について懸念を表明している。

2022年6月、60以上の漁業団体と企業が、沖合での風力発電の漁業への影響を軽減するための“強力な資金調達”の必要性について、議員らに要請書簡を送った。

その書簡には、バイデン政権の2023年度会計から5案件に対し予算計4,600万米ドル (4,400万ユーロ)の要求があった。

一方、バイデン政権の2023年度予算案では、漁業分野の科学的調査への影響緩和として1,740万米ドル (1,660万ユーロ) のみしか組まれておらず大きく乖離している。 

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