2024年11月20日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業 投資目的漁獲割当に関する考察と問題提起]
この5年-6年、ロシア漁業は投資目的漁獲割当の設定により、漁船・運搬船建造、水産加工場・物流複合施設建設など160件以上のプロジェクトを実施、あるいは計画しており、高次加工製品の生産も増加している。
製品輸出の可能性は2030年までに1.5倍以上、最大88億5,000万ドルに達すると推定されている。
しかし、ロシア漁業者による“自発的・強制的”投資は、長期にわたる莫大な信用資金にアクセスできない中小企業の場合、実際の運転能力を上回っている。
この6年間だけでも、年間投資額はほぼ4倍に増加し、2024年末までに4,583億ルーブルに達する可能性がある。カニ漁業がオークションへの参加料として支払った金額は10億ルーブル、漁場の利用者は今後2年間で活動を継続するために2,190億-2,390億ルーブルを支払うことになる。
2017年から2024年8月までに、ロシア漁業の負債総額は4.4倍に増加し、1兆ルーブルを超えた。
これは、2024年1月-8月の漁業者の売上を34%上回っている。
同期利益は2023年と比較して26%減少、600億ルーブルとなった。
現在、40%以上の漁業者が不採算であり、その割合は2017年と比較し26.3%増加している。
ロシア漁業の財務状況が急速に悪化していることは明らかなものとなっている。
輸出の減少は2年連続で続き、2024年末には57億ドルを下回る見通しで、輸出関税の影響が大きい。
全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)は、規制上の負担を軽減するための断固たる措置と、中小企業に対する政府の支援策を求め、2024年12月5日に開催されるロシア産業企業家同盟(РСПП:日本の経団連に相当)の会合において、これらの問題を提起すると明らかにしている。
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