2020年11月15日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ドブロフロートに再びFSB武装部隊が捜査で入る]
ロシア大手”Доброфлот”(ドブロフロート)の沿海地方本社に、FSB武装部隊が目出しマスク(部隊の所属者や家族への報復、逆恨み対策として、顔を隠す目出し帽を着用)を着け捜査に入った。
この件について当局は公式に発表はしていないが、いくつかの情報によると、洋上で発生した乗組員負傷事故への所属船の対応についての刑事事件に関連している可能性があるとしている。
同社には、乗組員を危険に晒す可能性のある多くの違反の疑いがあるとされている。
この乗組員は腕を失っている。
同社にFSB武装部隊が目出しマスクを着け捜査に入ったのは今回ばかりでない。
北太平洋公海部でロシア母船を受け取る行為が輸入高位にあたるとして、その関税を支払っていないことに脱税の疑いがあるとして捜査を受けた。
2016年3月、20名のFSB隊員が“ドブロフロート”のオフィスを囲み、2機のヘリコプターから12名の特殊部隊員が同社所属母船“フセヴォロド・シビルツエフ”(Всеволод Сибирцев)に乗り込む大規模な作戦だったため、“ドブロフロート”側は、関税法令の遵守の確認のために、洋上の船舶に、ヘリコプターで着陸し乗り込む等の行為は、不当で過激なものだと指摘、漁業分野の安全確保を訴えた。
2015年、”ドブロフロート”所属船加工母船フセヴォロド・シビルツエフは、ロシア水域外洋上において日本漁船等が漁獲したサンマ原魚を受け取った。
当局は、加工母船フセヴォロド・シビルツエフは、これらの原魚の一部を内蔵処理等しただけで凍結、ロシアの港へ1,593トン陸揚げしたとし、これらの過程は、加工製品の製造を目的としたものではなく、輸送保管の利便性を求めたもので、外国漁船が漁獲した原魚を受け取ることは輸入であり、活動は税関申告の対象となると指摘した。
これに対してドブロフロート代表エフレモフは、陸揚げした製品は、船内で頭と内臓に加え尾を除去し冷凍したもので、現行法の商品コード等に照し合わせた時、関税の対象とならないとし、着業以前に同社は弁護士も入れロシアの法律を学び、よく理解して行った結果だと反論、漁業実態に問題を残す形となった。
なお、2019年9月にも、ウラヂオストクで開催された東方経済フォーラムに参加した大統領プーチンに対して、エフレモフは、ロシア排他的経済水域以外の海域で外国漁船によって漁獲された原魚を洋上で受け入れ加工した場合、ユーラシア経済連合の製品とすべきだと主張、この見解を明確にするよう求めている。
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