Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

最後の詰め(12/17なでしこ対韓国)

2019-12-30 22:01:52 | レディース
(トップの画像は三浦成美選手、宮川麻都選手です)今更ながらですが、12/17に行われた東アジアカップのなでしこジャパン対韓国のビデオを見ました。韓国の女子は以前は比較的強化が遅れていましたが、W杯の出場権も安定してつかめるようになってきており、日本にとっては越えなければいけない壁になっています。韓国の女子のリーグ戦を月曜日の夜に開催して、テレビでの露出を増やそうとするなど改革の手も打っています。

なでしこジャパンは国内組がほとんどのチームですが、スタメンの半分以上(GK山下、DF宮川、遠藤、MF三浦、FW田中美南、籾木)が日テレベレーザ所属の選手です。そのため、4-4-2でサイドのMFの突破を生かすというチーム内の約束事が日テレの戦術に近いことから、この日テレベレーザ組は難なくこなせると思われました。

この日の日本が良かったのはDFの組織でした。韓国がボールを持ったときに、前の選手が戻って相手からボールを奪う、たとえ裏へパスを出されてもDFラインを揃えてオフサイドを取るといった、チーム内の統率は取れていました。前半、これが効いて韓国にはほとんどチャンスがなかったほどです。それでも、韓国の女子は日本より体格面では上回り、ゴール前の戦いでは簡単に勝てる相手ではありません。

そのため、サイドに出すまでの攻撃はうまく作れていた日本ですが、最後のゴールという結果がなかなか得られない試合になります。日本の高倉監督も攻撃がうまく行っていないとは感じていたようで、後半の頭に池尻を下げて小林里歌子を投入して、小林の持つスピードを生かしてボールの質を上げようとしてきました。

それでも、ゴールだけは遠かった日本ですが、後半41分に大きなチャンスがありました。バイタルエリアでフリーになった中島のパスから、籾木が放ったシュートが相手DF4番のハンドとなりPKを得ます。これを籾木自身が蹴ってゴール右に蹴り込み、日本は最後の時間でリードを奪います。あとは時間を使って確実に勝つだけでした。

この試合は引き分けでも東アジアカップの優勝という試合でしたが、最後まで勝利を目指していたことがこの勝利につながったと思います。五輪予選が開催国で免除の日本は、こういう真剣勝負の機会は大切にしたかったので大きな勝利になりました。五輪までの期間は親善試合で連携を深めることになりますが、国内組で基盤ができているのは強みにできればと期待しています。


長谷川唯選手、籾木結花選手


南萌華選手


山下杏也加選手


小林里歌子選手


田中美南選手
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ベレーザ戦マニアック分析

2019-12-30 15:41:29 | レディース
後半、流れが良くないと見た浦和ベンチは、長島に代えてベテランの安藤を投入してきます。安藤は右MFに入り、さらにFWにいた高橋を左SBに下げてSBの佐々木繭を左MFに上げて、状況の打開を狙いました。しかし、日テレは1点リードを持っていたことで、ゆっくり確実にボールをつなぎながら浦和の消耗を待つことができました。

特に、前半から宮澤に裏を狙われ続けた清家のところが一番影響が大きかったと感じます。清家が見えない位置にポジションを取られ続けたことで、何度も後ろへ走らされた清家は限界状態でした。次第に清家は前から戻って来られないようになっており、浦和は清家が戻れない穴を安藤らMF陣が戻って埋めるのが手一杯でした。

安藤には得意の個人技で日テレSBに仕掛けさせたかったでしょうが、チームが消耗して動けなかったことで本来の役割を出させてもらえませんでした。こうなると浦和のチャンスはセットプレーだけで、FKからDF南が空いてシュートを打ったチャンスもありましたが、GK山下に止められてチャンスはついえました。

この劣勢が続いたことで、特にFWの菅澤のところにはほとんどボールが入らない展開になりました。カウンターを狙いたくても、日テレDFのラインコントロールでオフサイドにされてしまうので、浦和は数多いピンチをしのぐだけで手一杯になります。ポストに当たった相手のシュートが、一本でも入っていれば試合は終わりだったでしょう。

それでも、スコアは0-1なので最後の望みを賭けてロングボールを蹴りますが、日テレはこういう相手をいなしてチャンスにさせない完成度の高さを誇っており、チャンスは作れないまま試合はそのまま0-1で終わり日テレが皇后杯を制することになりました。正直、勝てる内容ではなかったと感じざるを得ず、1万人もの観客が入ったサポーターの熱気には応えられなかった試合になりました。

今季、元日テレ監督の森栄次監督がパスサッカーを構築したことで、浦和のサッカーは確実に変わりました。清家のDF起用などの奇策もある程度当たりました。それでも、森監督の古巣日テレはさすが「本家」の強さを見せました。本家を乗り越えるのは大変な作業だと、来季以降に期待するも厳しいかもしれません。






























小林里歌子選手です。


籾木結花選手です。








吉良千夏選手です。


長谷川唯選手です。




柴田華絵キャプテンです。


安藤選手、塩越選手です。


高円宮妃久子さまです。


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勝てる内容ではなかった(12/29浦和対日テレ)

2019-12-29 21:11:00 | レディース
今日はNack5スタジアムまで、皇后杯決勝の浦和対日テレを見に行ってきました。Nack5スタジアムは写真を趣味にするサポにとっては絶好の環境で、選手がリアルな笑顔を見せてくれるショットがたくさん撮れます。試合中でもカメラを手放せない展開でしたが、毎度恒例このブログは試合内容を書きます。

試合は日テレボールのCKからいきなり動きました。浦和がゾーンで守るかマンツーマンで守るか判断して、ゾーンだとわかったことでそのゾーンの外側にボールを供給してきました。そこでフリーになった田中美南のシュートが決まって、浦和としては痛すぎる1点ビハインドを追うことになります。それでも、INAC神戸戦で機能したように、シャドーでうまくボールを持てればチャンスも出たでしょう。

それをさせてくれないのが日テレでした。日テレのサッカーを、スタンドでじっくりと観察すると、細かいところが非常に上手いと感じます。ボランチに入った長谷川唯は、同じロングボールを蹴るにしても、キックフェイントを入れながら相手にブロックされないように蹴っていました。また、相手GKがロングボールを狙っていると見ると、DFラインを上げて浦和FW陣をオフサイドポジションに残します。

これでは、浦和FW陣はオフサイドポジションから戻るだけで手一杯で、とてもカウンターで仕掛けるところまで行かせてもらえない強さがありました。また、日テレ優位に試合が運んだ理由として、左MFの宮澤が常に浦和右SB清家の動きを見ていたこともあります。浦和は本来FWの清家を右SBで起用して、後ろからのロングボールを追いかけさせるダイナミックなサッカーを狙うこともあります。

その分守備は弱くなるので、そこを執拗に狙うという意図を何度も見せてきました。特に、清家が見えない位置に陣取るのがうまく、何度もカウンターで後ろを向かされた清家はスタミナを大きく消耗することになります。浦和GK池田が何度か好セーブを見せて日テレの攻撃を抑えたので、スコアこそ0-1で推移しますが、浦和不利は明らかと感じる前半になります。

浦和としては、INAC神戸戦で使えた、MF塩越の突破力も見せることができず、ロングボールを高橋か菅澤が収めたときに可能性が出るかどうかでした。これはベンチワークを見せて、選手を替えて攻め方を変えないと、打開できないと感じていました。

後半についてはマニアック分析で補足します。

































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効いていたトップ下(12/22浦和対INAC神戸)

2019-12-22 17:34:41 | レディース
寒い日なので、予定していた生観戦は中止しましたが、テレビで皇后杯準決勝の浦和対INAC神戸を見ていました。浦和は今季、FWの清家を右SBにコンバートする攻撃的なサッカーを目指しており、ロングボール一発で清家を走らせるようなダイナミックな攻撃も可能ですが、もちろん神戸に裏を狙われるリスクは覚悟しての手です。

そのデメリットはいきなり出てしまいました。開始直後に、左サイドを杉田が突破したチャンスから、クロスがDF佐々木とGK池田で連携がうまく取れずにこぼれたところを中島に押し込まれる最悪のスタートを切ります。それでも、この日の浦和は森監督が植え付けたパスサッカーが機能しておりチャンスはあると思えました。

そう思った理由は、トップ下の塩越の使い方です。彼女はトップ下ですがサイドを突破できるアタッカータイプで、塩越にボールを集めて突破を狙わせる浦和の狙いが見て取れました。1トップの菅澤もボールが収まり、塩越と菅澤で点は取れるという期待を持つには十分の内容でした。同点ゴールは必然とも言え、清家のシュートがバーに当たって跳ね返ったところを菅澤が詰めて同点にできました。

それでも、さすが神戸はなでしこリーグを何度も席巻した王者でした。縦パスから増矢が抜け出したチャンスを確実に決めて、2-1と再びリードを奪います。サッカーの内容としては、清家の裏をマネジメントして人数をかけて取り返す浦和が優位に運んでいましたが、結果だけがついてこない、最悪のシナリオも考えました。

しかし、浦和はこれまで弱かったセットプレーも強化していました。同点ゴールはCKからで、長船が折り返したところを清家が頭で押し込んで同点にすると、最後もまた塩越のCKで、決めた南が「ボールが良くて当てるだけだった」と語るほどのいいボールが入りました。浦和のトップ下に塩越が台頭したのは、浦和にとってかなり大きいと感じます。

決勝戦の相手は日テレベレーザに決まりました。皇后杯のタイトルを取るためには神戸と日テレに勝たなければならないとは覚悟していたので、それをこの晴れ舞台で見せるだけです。12月29日、Nack5スタジアムで、彼女たちの雄姿が見られたら嬉しいですね。
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取れたオフサイド(12/14なでしこ対中国)

2019-12-15 21:47:30 | レディース
東アジアカップの女子代表戦、日本対中国も見ていました。日本は五輪が開催国で予選免除なので、五輪前にできるだけ多くの相手と対戦しておきたいチーム事情です。女子の東アジアカップはレベルが高く、ここでの優勝は価値があり、特にアジアレベルではトップクラスの中国との対戦は得るものが大きい試合です。

もっとも、中国も最先端のサッカーを取り入れてきており、昔のようなロングボールからのパワープレーのごり押しはしなくなってきています。日本と中国で、中盤はプレスの掛け合いになり、取ってからの速攻を狙うという意味では似たような狙いが見えた序盤戦でした。その中国に対し、日本は一つ、明確に上回った点を出しました。

それは守備でオフサイドが取れたことです。中国は高い位置で取ってからのショートカウンターで、俊足FWを日本のDFライン裏に走らせる攻撃が狙いでしたが、日本のDFラインは統率が取れており、しっかり浅いラインを引いて中国から二桁のオフサイドを取れました。今回はDFリーダーの熊谷が欧州のリーグ戦の都合で招集できなかった試合ですが、南と松原のCB陣は急造コンビでありながら息の合ったところを見せました。

また、日本は攻撃面でも狙いを見せました。高い位置で取ってからの速攻という意味では中国と似た狙いですが、日本の場合パスの数を多くして、エース岩渕のスピードを生かす狙いでした。特に先制点の場面では、中国の左SBが残っていてオフサイドトラップを掛け損なったこともあって岩渕がゴール前にフリーで抜け出せました。

もちろん、日本が取れたオフサイドは、すべてが狙って取れたものではなく偶然取れたオフサイドもあります。それでも、中国の攻めを空回りさせたという意味では相手に与えたダメージは大きく、かつてはアジアNo.1の強豪だった中国が次第に焦ってきました。中国ベンチがFWを替え始めたあたりは勝利を確信していました。

それでも、3点すべてがエース岩渕のゴールでリザーブ組が点を取れなかったという課題はあるとしても、中国相手にこれだけの戦いができたというのは自信になります。次の韓国相手にもいい戦いをして、今回の強化の機会を生かしていいチームを作り上げていって欲しいと期待しています。
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なでしこ対オランダ後半

2019-07-01 22:25:31 | レディース
ようやく、なでしこ対オランダの後半戦の映像を見ました。映像を見ると、押し気味の試合を勝てなかった、残念な試合と感じます。そう感じた理由として、もちろん後半35分過ぎに迎えた決定機もありますが、日本が立てた戦略が機能していたことがあります。オランダの4-3-3ですが、最初のうちは長いパスを通してサイドからの攻撃を見せていましたが、次第にアーリークロスの精度不足という課題が出てきます。

クロスを上げられても合わないとなれば、日本としては長所が次第に発揮できるようになってきます。オランダの縦パスに狙いを絞り、カットしてから相手守備陣の間にポジションを取る、日本の戦略が現れてきます。日本はフリーでボールを持てるようになり、岩渕や菅澤にあとちょっとシュートに精度があればという展開にすることができました。

日本の良さは守備にもありました。オランダのMFが持っているときに、前の選手が参加して前後で挟む守備です。これはスコットランド戦でも威力を発揮して勝因となりました。女子ですから男子ほどの運動量は期待できないとしても、この日本の守備にはオランダも手を焼き、ロングボールでごり押しを狙わざるを得なくなりました。

後半35分からの日本の攻撃は見事でした。まずは右サイドを崩した、ボランチ杉田の左足のシュートです。うまくオランダのDFを釣っており、フリーで打てましたが、惜しくもクロスバーを叩きます。次に相手クリアに対する個人技からの籾木のシュートもありましたが、相手GKのファインセーブに阻まれます。

最後は残念な決着でした。相手シュートが、微妙な判定ながらDF熊谷の手に当たったとなってPKになり、これをマルテンスがGK山下の逆に決めて1-2となり試合はそのまま終わります。それでも、個人技やパスワークで欧州の壁に挑んだ日本のサッカーは評価が高かったようで、東京五輪でもう一度世界に挑んで欲しいと期待しています。
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ショートパスの日本(なでしこ対オランダ前半)

2019-06-27 22:50:33 | レディース
今更な感はありますが、女子W杯の決勝トーナメント1回戦、なでしこジャパン対オランダの映像を前半だけ見ました。オランダは4-3-3の布陣で、男子のオランダ代表とよく似た3トップのウイングサッカーを見せてきました。最近の女子サッカーは欧州勢の台頭が目立ち、オランダもこれまでは女子はあまり強くなかった地域ですが、前回のW杯でもベスト16で日本と対戦しています。

昔の女子サッカー強豪国は、単純に縦に蹴ってFWの個人技か高さで勝負する、比較的ラフなスタイルでした。これに風穴を開けたのが2011年のなでしこジャパンの優勝で、これ以降多くの国がパスを回すスタイルを取り入れるようになってきました。今回のオランダも、長い距離のパスを通せる技術を身に着けていました。

オランダの男子代表は、高さも個人技もスピードもバランス良く持っているのが売りですが、今回の女子代表にもそういうところは感じました。オランダの前からのプレスになでしこは苦しみ、相手の瞬間的に速いスピードの前にボールを奪われて苦戦しました。アーリークロスでもFWに合いそうなボールを蹴れる強さもありました。

しかし、なでしこが強豪国に勝つときは、大抵相手のスピードに最初苦しんでから、次第に慣れてパスが回せるようになってきます。今回の試合もまさにそういう試合になりました。オランダのような長い距離のパスはつながらなくても、選手間の距離を寄せて短いパスを回すことでチャンスも作れるようになってきました。

オランダにCKで先制点は取られたものの、なでしこが中央でダイレクトプレーを見せてからの岩渕のパスで、相手最終ラインのギャップを突いた長谷川唯のゴールでなでしこは同点に追いつきます。これがなでしこの真骨頂と、売り物を発揮できた同点ゴールでした。

後半を見たら印象が変わるかもしれませんが、それは明日以降に見られたら書きます。
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攻めてきた相手(6/14なでしこ対スコットランド)

2019-06-15 13:50:03 | レディース
昨日のなでしこジャパンのスコットランド戦、見ていました。初戦のアルゼンチン戦で攻撃をほとんど放棄する守備的な布陣に手こずって0-0と引き分けた日本にとって、どうしても勝たなければいけない試合です。スコットランドというチームはW杯初出場で初めて見る相手なので、まずはどんなチームか観察してみました。

スコットランドは、足元の技術を生かしてつないで攻める、オーソドックスな相手でした。ある程度は攻めてくる相手なので、日本にとってはアルゼンチンよりはある程度やりやすかった印象を受けます。もちろん、アルゼンチン戦で攻撃が単調になってクリアされた反省を生かし、日本はサイドと中央のバランスを取りながら攻めていきました。

また、岩渕のスタメンFWも良かったと思います。アルゼンチン戦で横山が相手守備に消されていたので、岩渕の持っている個人技でスコットランドDFに仕掛けたのが一定の効果を発揮しました。岩渕は3大会目のW杯ですが、意外にもW杯では初スタメンでしたが、前半23分に遠藤の左からのパスを受けてGKの頭上に強烈なシュートを放って先制することに成功します。

日本にとって、2点目を前半で得ていたことも好影響がありました。清水のアーリークロスから、エリア内で菅澤が相手4番に倒されてPKになり、これを菅澤自身が相手GKの動きを見て逆に決めて前半37分で2点リードを奪いました。この日の日本は、サイドからの攻撃参加や、エリア内でのパスなど、攻撃がシュートで終わる場面を多く作っていました。

それでも後半は苦しみました。スコットランドはスピードのある相手なので、相手が2点ビハインドになって攻めなければならなくなったときに、ロングボールからの速攻で攻められました。日本が、苦しくなってコーナー付近に持ち出す時間稼ぎを始めたあたり、スコットランドの圧力を感じていたことが映像からも伝わってきました。

最後はDF市瀬のパスミスをクレランドに決められて、スコア上でも2-1と苦しんだ勝利になりました。それでも、日本の持っている守備の集散でスコットランドの攻撃を何度も遅らせたなどいい場面も多く見られました。決勝トーナメント進出はほぼ間違いないでしょうが、その先でこの戦いができるか次第でしょう。
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星槎国際湘南対常盤木学園

2019-01-13 20:27:25 | レディース
高校女子サッカーの決勝戦、星槎国際湘南対常盤木学園をテレビ観戦していました。創部5年目と新しい星槎国際湘南が、過去最多優勝の名門常盤木学園にどう挑むかが焦点だったこの試合ですが、前半にFKからの驚異的な弾丸シュートが決まって星槎国際湘南に先制点が入る、予想外の展開になります。これで、常盤木学園がどう追うかが焦点とポイントは絞られました。

後半、常盤木学園は一方的な攻勢を強めます。ボール支配率では圧倒的な差があった試合ですが、その支配率の割には常盤木学園にシュートをあまり打たせていませんでした。それだけ、球際の攻防で粘り勝って、クリアだけは何とかできる、星槎国際湘南の守備が効いていたと思えます。もちろん、セカンドボールは常盤木学園に拾われてしまうので、「このままでは星槎国際湘南の守備はもたない」と予想するほどでした。

そうしているうちに、常盤木学園に細かいミスが出始めてきます。相手が素早く間合いを詰めてくるので、ボールコントロールが乱れ常盤木学園の攻撃の選手が足を滑らせるようになってきます。これだけボールを支配しても点だけは入らない、常盤木学園にとっては焦りが出てくる展開です。また、常盤木学園はサイドのウイングを使った攻めが売り物ですが、そのウイングへのパスが長すぎてゴールラインを割るミスも出始めてきます。

これは星槎国際湘南にとっては狙い通りの展開だったようです。次第に、攻め疲れた常盤木学園に対し、星槎国際湘南の縦へのフィードがつながるようになってきます。最後のシュートこそ常盤木学園DFが詰めて辛くも防ぎますが、守備にも帰らされることでさらに常盤木学園の体力に負担がかかってきます。どこも同じ条件とはいえ、高校生の女子に45分ハーフの試合はきついのでしょう。

試合はそのまま1-0で星槎国際湘南の勝利に終わりました。創部5年目での優勝はもちろん史上最速で、それだけ女子サッカーというスポーツが発展途上でいろんなチームにチャンスがあるという証明です。こうやって、下からの強化が進んでくればなでしこジャパンももっと強くなると感じた、この日のアップセットでした。
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弱点もあった日テレ(1/1日テレ対INAC神戸)

2019-01-01 22:58:44 | レディース
皇后杯決勝、日テレ対INAC(以下神戸)をテレビ観戦していました。浦和戦では圧倒的なボール支配率で、浦和にほとんどサッカーをさせなかった日テレですが、日テレに最も対抗できるリーグ戦2位の神戸相手には、そうはいかないのではというのが、この試合を見た動機です。神戸も、以前澤らがいて強かった時は澤にアンカーを任せるという超攻撃的布陣でしたが、今は杉田、中島とある程度守備のできる選手をボランチに置いています。

しかし、日テレは神戸相手にもボールを回して支配率を上げるサッカーを見せてきました。日テレの強さの秘密に、セカンドボールの回収率の高さがあり、現役代表の岩渕や元U-20代表の京川といった、ある程度スキルの高い選手からも取ることができます。神戸の両サイドハーフの増矢と仲田はボランチのラインまで押し込まれてしまい、2トップが孤立する神戸にとっては苦しい展開が続きます。

もっとも、神戸が相手だからこそ見えてきた、日テレの弱点もあります。それは前からプレスに行くとパスミスをすることがあることと、攻撃に行きすぎてSBの裏のスペースが使えることです。そこを使ったのが神戸の前半終了間際の先制点で、左SBの後ろのスペースに出してからのクロスを、攻め上がった増矢が合わせて、前半は0-1と神戸リードで折り返します。

しかし、それからはさすが日テレでした。神戸は、右SBに元FWの高瀬愛実を起用しており、攻撃的な起用です。ここを左ウイングの植木で徹底的に仕掛けるとプランを修正してきました。パスも回せますが、選手個人の技術が高いのも日テレの強みなので、そこから植木のクロスが相手GKに当たって入る幸運な同点ゴールで追いつくと、さらに植木の仕掛けからクリアボールを籾木が押し込んで勝ち越しに成功します。

そこからはオープンゲーム気味の展開になり、神戸もカウンターからの岩渕のクロスから、中央で京川がフリーになって2-2の同点になり、試合は延長戦にもつれ込みます。延長戦は日テレペースで、神戸の体力が切れたところを籾木が押し込んで3-2と勝ち越すと、さらにカウンターから独走した田中美南のゴールで4-2となって試合は決着しました。

王者日テレは、これでリーグ戦、リーグカップ、皇后杯の3冠を達成することになりました。代表選手を多く輩出するこの日テレのサッカーが、なでしこジャパンの基本のサッカーに近いことは間違いなく、これが今年開かれる女子W杯で花開くことになって欲しいと願います。
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